再エネ100%で運営するマクドナルドの店舗、米フロリダに誕生

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日本国内だけで約2900店舗あるマクドナルドは、私たちの生活にすっかりおなじみの存在だ。そんなマクドナルド、実は2030年までに世界全体で、店舗およびオフィスからの二酸化炭素排出量を2015年比で36%削減すると発表している。その目標に向けて、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(WDW)で新たな取り組みが始まっている。

2020年、WDW内に開店したマクドナルドのレストランは、100%再生可能エネルギーを使用して店舗運営ができるように設計されている。同店は8024平方フィート(約745平方メートル)の広さがあるが、店舗でのエネルギー使用量を大幅に削減することにより、屋根を覆うソーラーパネルとソーラー技術を取り入れた窓ガラスだけで、レストラン全体に電力を供給できるという。

同店はマクドナルドのサステナブルなソリューションを試すラボとして機能し、ここに導入された設備が今後他の場所で取り入れられる可能性もある。たとえば同店の新しい厨房機器は、エネルギー使用量を減らせるタイプのもの。WDWにあるような大型店舗では特に、調理中に最も多くのエネルギーを使用するため、未来に向けて省エネを促進するのは大切な一歩だ。

また、同店では米フロリダの年中あたたかく過ごしやすい気候を生かし、エアコンをほとんど使わない、自然の空気の流れを使った換気方法「パッシブ換気システム」を導入することで、快適な空間を保つという。建物の窓とエネルギーシステムが連携し、ちょうどよい温度と湿度のときには自動で窓が開く。そして、店外にも店内と同じくらいの席数があるので、外の席で食事を楽しんでもいいだろう。外の風を感じながら、エアコンのいらないひと時を堪能できる。

マクドナルドの全店舗が、いきなりWDWの店舗のようにソーラーパネルを取り付けるのは難しいだろう。しかし、たとえばお客さんが発電できるエアロバイクを漕いで、マクドナルドのロゴである黄金のM型アーチを点灯する仕組みなど、他の店舗で導入しやすそうな取り組みもある。無理せず楽しく省エネに取り組む機会が増えるといい。

同店は、国際リビング・フューチャー協会のゼロエネルギーの認証取得を目指しているという。マクドナルドの旗艦店として、今後さまざまなサステナブル・イノベーションを起こしていくのを心待ちにしている。

【参照サイト】 McDonald’s Unveils Net Zero Energy-Designed Restaurant at Walt Disney World Resort

Edited by Erika Tomiyama

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