Wikipediaに女性のページをもっと。米・歴史博物館が記事執筆イベントを開催

2024.03.15

世界中のボランティアたちの共同作業によって多言語で展開される「Wikipedia(ウィキペディア)」は、インターネット上の無料百科事典として非常に便利だ。しかし、英語版ウィキペディアに掲載されている伝記のうち、女性に関するものが20%にも満たないことをご存じだろうか。

そもそも、なぜウィキペディアには女性が少ないのか。2017年以来、同サイトで2,000以上の項目に貢献し、女性科学者や有色人種の科学者の努力を丹念にカタログ化してきた英物理学者ジェス・ウェイド博士は、英メディア・The Guardianへのインタビューにて次のように話す。

ウィキペディアに掲載されて然るべき歴史的に重要な女性たちが、そのページを持っていないことにいつも驚かされます。これは、誰がウィキペディアを編集しているかによるのです。事実、ウィキペディアの投稿者の大半が男性で、彼らは女性よりも大きなプラットフォームを与えられていることが多いのです。

この問題に立ち向かうため、スミソニアン・アメリカ女性歴史博物館は、2024年の女性歴史月間を記念し、その是正に貢献すべくデジタル展示と新たな取り組みを発表するイベント「ウィキペディア・エディット・ア・ソン(Edit-a-thon)」を3月27日に開催する。これは同博物館が、女性の歴史がいかに曖昧で忘れられがちであるかを示し、女性の歴史をより可視化するための試みだ。

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イベントの主要プログラムになるのは、3月8日の国際女性デーに開始したデジタル展示「Becoming Visible」だ。スミソニアン所蔵の品々、アーカイブ記録、インタビュー記録などを通して、彼らは「5人の女性の物語」を蘇らせる。その中には、日系アメリカ人アーティストの日比久子、科学者でポリオワクチン開発者のイザベル・モーガン、アポロ宇宙服の仕立て屋だったヘイゼル・フェローズなどが含まれる。

Becoming Visibleを介して開催される、エディット・ア・ソンのイベント参加者は、“隠れた”歴史上の人物であるアメリカ人女性に関するウィキペディア記事を編集・作成するよう奨励される。また、ウィキペディアでの記事作成が初めてという人のために、1時間のガイダンス講座もあるという。

今回のイベントについて、メラニー・アダムス館長は、Smithonianのサイト上でこのように語っている。

同館が、この女性史月間にアメリカ女性の歴史を称える初の国立博物館となることに喜びを感じています。まだ初期段階ですが、すでにデジタル・プラットフォームを活性化して女性の歴史を完全に可視化する作業を始めています。次の世代にインスピレーションを与えるような博物館を建設するために、あらゆる背景や立場の人々に協力を呼びかけています。

女性歴史月間中の博物館のその他の取り組みとしては、映画製作者を招き、それぞれの地域から女性の物語を紹介するスポットライト・プログラムや、博物館を一から作り上げる際に一般市民が参加できるチャーター・メンバーシップ・プログラムなどがある。

こうしたイベントを通して、女性たちの功績とその人物像が記録されるようになることで、誰もがデジタルの世界からより開かれた歴史を学ぶことができるようになる。それが、将来誰かの活動や生き方をインスパイアすることになったら、素敵ではないだろうか。

【参照サイト】Smithsonian American Women’s History Museum
【参照サイト】Join this Wikipedia ‘Edit-a-thon’ to celebrate Women’s History Month right from your couch
【参照サイト】Smithsonian American Women’s History Museum Celebrates Women’s History Month 2024 With Inaugural Digital Exhibition and New Initiatives
Edited by Megumi

この記事を書いたライター

Ellis

Ellis

Ellis。イギリス在住四半世紀以上。イギリスで最も緑が多い都市に暮らす一児の母。ロンドンの出版社での勤務を経てフリーランスライターとして14年。関心は多様性を認める社会、海洋保護、フードロスへの取り組みとウェルビーング。執筆を通して一人でも多くの人に光が見える社会の在り方を伝えていきたい。好きなものは発酵食品とチリ産ワイン、ピラティス。無類の猫好き。(この人が書いた記事の一覧