UNFCCCとは?
UNFCCCとは、気候変動に関する国際的な枠組を設定した条約のことである。大気中の温室効果ガスの増加が自然の生態系に悪影響を及ぼすおそれがあることから、温室効果ガスの濃度を安定させることが目的とされている。
UNFCCCは1992年5月にニューヨークで作成され、その後、6月にリオ・デ・ジャネイロで開かれた通称「地球サミット」で採択され、155カ国が署名した。1994年3月に発効され、現在はEUを含む197の国と地域が批准している。
条約を批准した国が集まって開催される締約国会議(COP:Conference of Parties)は1995年以降、昨年を除いて毎年開催されている。
条約の主な内容
UNFCCCは、全文と26の条約及び2つの附属書から構成されている。その名前が示す通り、枠組のみを定めた条約であり、具体的な削減の数値目標などは掲げられておらず、別の法的文書で規定する仕組みになっている。以下はUNFCCCの3条で掲げられている原則である。
UNFCCCの原則
- 共通ではあるが差異のある責任
- 途上国の特別な状況への配慮
- 予防的措置
- 持続可能な開発
- 持続可能な経済成長のための国際経済体制の推進
UNFCCCにおいて、温室効果ガスの削減に関して言及されている国は2つの附属書に書かれており、その違いは以下の通りである。
- 附属書Ⅰ国(先進国及び市場経済移行国)
- 附属書Ⅱ国(先進国)
温室効果ガスの削減目標について言及されている国(先進国及び市場経済移行国)のこと。しかし削減義務はない。ヨーロッパを中心とした40カ国とEUが該当し、旧ソ連と東欧諸国が含まれている。
附属書にない国(=発展途上国)がUNFCCCにおける義務を履行するために、資金協力を行うことが定められている国のこと。ヨーロッパを中心とした23カ国とEUが該当し、日本や米国、オーストラリア、ニュージーランドが含まれている。
先進国は、温室効果ガスの排出量を2000年までに1990年のレベルに戻すことが求められている。達成状況は、UNFCCCの締約国会議に報告することが義務付けられ、審査を受ける必要がある。
締約国会議(COP)について
UNFCCCに基づいて、1995年からほぼ毎年、気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催されている。COPはUNFCCCに関する最高意思決定機関であり、その下には2つの常設された補助機関が置かれている。
- 実施に関する補助機関(SBI)
UNFCCCの第10条では、条約の効果的な実施について評価と検討を行い、COPを補佐することが定められ、各国政府の代表から構成されている。UNFCCCの実施をサポートするほか、締約国会議を訪問して条約実施のために採られた対応措置をレビューする役割がある。
- 科学的、技術的な助言に関する補助機関(SBSTA)
UNFCCCの第9条では、締約国会議及び他の補助機関に対してUNFCCCに関連する科学的及び技術的事項についての情報と助言を提供することが定められている。SBIと同様、各国政府の代表から構成されており、政府間の交渉という役割を担っている点がIPCCとは異なる。
1995年にCOP1がベルリンで開催された際、COP3までに、先進国の温室効果ガス削減に向けた具体的な数値目標が示された法的文書に合意する必要があることで合意した。この際に臨時的な補助機関として「ベルリンマンデート・アドホックグループ」が設置され、先進国の数値目標の設定や各国の政策・措置を規定した議定書を採択することが決定した。
主要なCOPと関連文書
- COP3:京都議定書
先進国の具体的な数値目標や政策・措置は、1997年に京都で開催されたCOP3において「京都議定書」という形で採択された。また、各国が協力して温室効果ガス削減に取り組む仕組みとして、クリーン開発メカニズムといった柔軟性措置(京都メカニズム)が採用された。
2005年に発効した京都議定書は、2008年から2012年までを「第1約束期間」としており、2013年以降については京都議定書のもとで議論する作業部会の他、UNFCCCのもとに設置された「長期的協力行動に関する特別作業部会」においても議論された。
- ポスト京都議定書
2005年のCOP11から始まったポスト京都議定書の議論は、2012年のCOP18でようやく改正案の合意に至った。しかし、「第2約束期間」である2013年から2020年に関する改正案に批准した国の多くは削減義務を追わない発展途上国であり、先進国の一部は批准していない。
つまり、京都議定書の第1約束期間が終わる2013年以降は、具体的な削減目標や政策・措置を定めたルールがない状態だった。最終的に発効されたのは約束期間の最終日である2020年12月31日であり、京都議定書は2013年以降、事実上の機能停止状態だった。
- COP21:パリ協定
2020年以降の具体的な目標は、2015年のCOP21で採択された「パリ協定」に引き継がれている。京都議定書は先進国に対してのみ数値目標を課しており、達成できなかった場合の罰則が定められていた。一方のパリ協定では、全締約国(発展途上国を含む)の参加が求められ、目標達成に至らなかった場合の罰則規定はない。
今後の流れ
2020年11月に予定されていたCOP26は新型コロナウイルスの影響で史上はじめて延期された。2年ぶりの開催となるCOP26は、2021年11月に英国のグラスゴーで開催。議長国である英国はこれまで、クリーンエネルギーへの移行、クリーンな輸送、自然に基づくソリューション、適応と強靭性、そして気候資金の5点を重点分野として掲げてきた。
COP26では、2025年以降に先進国が途上国を支援するための資金目標の検討が開始される。議長国である英国が重点分野として掲げてきた分野だけに、大きな論点になることが予想される。新型コロナウイルスの感染が未だ収束しない中、各国のワクチン接種状況や感染状況の違いから再延期の声も上がっている。
しかし、COPで議論される気候変動も予断を許さない喫緊の課題であることは間違いない。人命が何より一番優先されるべきではあるが、気候変動の影響による被害は既に各地で起きている。短期的な視点だけでなく、中長期的な視点からもグローバル課題を見据えることが、私たち一人ひとりに対しても求められている。
【参考資料】 気候変動に関する国際連合枠組条約
【参考サイト】 気候変動に関する国際枠組|外務省
【参考サイト】 条約の概要
【参考サイト】 京都議定書とは・意味
【参考サイト】 Status of Ratification of the Convention
【参考資料】 気候変動に関する最近の動向












