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クリーン開発メカニズム(CDM)とは・意味

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クリーン開発メカニズム(CDM)とは?

クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:以下、CDM)とは、先進国が途上国において気候変動の緩和に貢献するプロジェクトを実施する際、削減した温室効果ガスの量を自国の削減量としてカウントできる仕組みのことである。

CDMは京都議定書(※)の第12条に定められており、類似した他2つの仕組み(JIとGIS)と合わせて「柔軟性措置(または京都メカニズム)」と呼ばれる。共同実施(JI)とグリーン投資スキーム(GIS)はどちらも先進国間で行われるプロジェクトが想定されている一方、CDMは排出量の削減に関して京都議定書の中で唯一、発展途上国が関与していることが特徴である。

(※)京都議定書:気候変動に対する国際的な取り組みを定めた国際条約のこと

CDMの目的とメリット

1997年、京都で第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)が開催され、「京都議定書」が採択された。京都議定書では、これまでに多くの温室効果ガスを排出してきた国が率先して気候変動に取り組むべきであるとの考えから、先進国それぞれに温室効果ガスの具体的な削減目標の数値が課された一方で、発展途上国には削減の義務はなかった。しかし、気候変動は地球規模の課題であるため、締約国同士や先進国と発展途上国同士が協力して対策を講じることができるように、CDMを含む柔軟性措置が導入された。

CDMには先進国と発展途上国の双方にメリットがあり、京都議定書で各国が掲げる削減目標を達成するための補助的な手段として、発展途上国も主体的に関わることが想定されていた。目標が達成できなかった場合の罰則が課せられていた先進国にとっては、発展途上国でのプロジェクトが温室効果ガスの削減量(クレジット)としてカウントされることで目標達成が容易になり、発展途上国にとっては先進諸国の環境対策や省エネルギーの技術を輸入し、自国でも活用できる可能性があると期待されていた。

CDMプロジェクトの実施

CDMプロジェクトを進めるに当たり、プロジェクト参加者は、自身が属する国(以下、投資国)とプロジェクトを実施する国(以下、ホスト国)の様々な機関と連絡を取る必要がある。主な関係機関とプロジェクト実施の流れは以下の通りである。

主な関係機関

  • 京都議定書締約国会議(MOP:Meeting of the Parties)
  • 京都議定書の締約国全てが参加し、議定書の実施に関するレビューや決定権を持つ。

  • CDM理事会(EB:Executive Board)
  • 京都議定書締約国会議(MOP)のもとに設置され、CDMプロジェクトの管理・監督を担う。

  • 指定国家機関(DNA:Designated National Authority)
  • 投資国とホスト国の両方に設置された政府機関であり、CDMプロジェクトの承認等を行う。

  • 指定運営組織(DOE:Designated Operational Entity)
  • 京都議定書締約国会議(MOP)又はCDM理事会(EB)からの認定を受けて、CDMプロジェクトに関する実務上の審査を行う。

プロジェクト実施の流れ

    1. プロジェクトの計画・立案
    プロジェクト参加者がCDMプロジェクトの計画を策定する。
    2. 投資国とホスト国による承認
    両社に設置されたDNAからプロジェクトに対して承認を得る。
    3. プロジェクトの妥当性確認
    独立した第三者機関であるDOEがプロジェクトの妥当性を判断する。
    4. CDM理事会による登録
    妥当と判断したプロジェクトは、EBによって正式なCDMプロジェクトに登録される。
    5. プロジェクトのモニタリング
    プロジェクト参加者は、温室効果ガスの排出削減量の算定に必要なモニタリングを行う。
    6. 排出量削減結果の検証
    モニタリングの結果に対してDOEが定期的な検証をし、その結果をEBに報告する。
    7. クレジットの発行と分配
    EBは認証排出削減量(CER)を発行し、プロジェクト参加者に分配される。

CDMの課題と展望

日本が京都議定書で掲げた目標は、2008年から2012年における温室効果ガスの年間平均排出量を1990年度比で6%以上減少させることだった。年間平均排出量だけを見れば1.4%増加していたものの、CDMを含む京都メカニズムによる削減分と森林等による吸収を考慮すると8.7%の減少という結果であり、目標は達成された。京都メカニズムに占めるCDMの割合はおよそ2割であり、京都議定書で掲げた目標の達成にCDMが貢献した部分は少なくない。

しかし実質的な削減とはいい難く、政府は民間の機関から京都メカニズムのクレジットを購入するために多額の費用を掛けている。また、CDMプロジェクトを計画してから理事会の承認手続きを経るまで2年以上要する場合もあり、モニタリングの手続きが煩雑であるために予定通りのクレジットが発行されないという制度上の問題も指摘されている。

CDMの課題と流れを受けて、国内では企業や自治体などによる温室効果ガスの排出削減量をクレジットとして国が認証する「J−クレジット制度」が立ち上がり、低炭素社会の実現に向けた取り組みを加速するものとして期待されている。国際的には、2020年以降の各国の温室効果ガス削減目標を掲げるパリ協定において、CDMに代わるものとして「二国間クレジット(JCM)」の活用が想定されている。

地球規模の課題である気候変動に対して、各国が協力して対策を講じるという根本的なアイデアと具体策を提示したDCMは、形を変えて今後も引き続き活用されていく。

【参照サイト】 CDM: CDM-Home
【参考資料】 京都メカニズムクレジット取得事業 の概要について
【参考サイト】 クリーン開発メカニズム (CDM)|炭素市場エクスプレス
【参考サイト】 J-クレジット制度|J-クレジット制度とは温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。

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