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スニーカーを通じて、環境と社会へのメッセージを伝えるAllbirds【高校生が出会ったサステナ企業・団体】

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この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。

未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2023年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業・団体に足を運び、自ら取材を行った。

高校生たちはそこで何を学び、何を感じたのだろうか。

※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります

「スポーツ」テーマで訪れたのは……

私たちが訪問したのは、自然環境への配慮を追求したシューズの製造・販売を行うAllbirds合同会社です。

今回は、 同社の蓑輪光浩さんにお話を伺ってきました。

快適な履き心地と自然環境への配慮を追求したシューズの誕生

Q.  Allbirds合同会社は、どんな企業ですか?

Allbirds合同会社は、アメリカのサンフランシスコで、元サッカー選手のティム・ブラウン氏が、パートナーを通じて知り合った、再生可能エネルギー分野のエンジニアのジョーイ・ツウィリンジャー氏と立ち上げた企業です。環境に配慮した素材を使って、スニーカーを初めとするアパレル製品を製造、販売しています。メリノウールやサトウキビなど、自然由来の材料を用いて、快適な履き心地と自然環境への配慮を追求した製品作りを行っているブランドです。

Q.  蓑輪さんの活動内容を教えてください。

蓑輪さん

1997年にNIKE JAPANに入社しました。そこでは、ワールドカップ、箱根駅伝、NIKEiD等のマーケティングを担当。その後、NIKE EUROPEに赴任し、海外での業務に携わりました。

2011年からは、株式会社ユニクロに勤務し、そこではトップアスリートとの契約やPR広告戦略、商品開発などに携わりました。世界を転戦する一流テニス選手に帯同した際には、何着ものウェアをスーツケースに入れ、世界を飛び回っていました。

2016年には、レッドブルジャパンで、フィールド・マーケティングの統括を担当。そして2018年には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団で、東京オリンピックのプロジェクトマネージャーとして、企画・運営を行っています。

そして、2019年にAllbirds合同会社へ入社、2023年に日本法人のマネージングディレクターに就任しました。

Q. 蓑輪さんの大切にされていることは何ですか?

いろんなことがあるのですが、やっぱり「お客さんの立場に立つ」ということです。相手の気持ちになって考えるということは、仕事だけでなく、日頃の生活の中でも大切なことだと思います。

部活動で、たとえば自分がキャプテンだとしたら、キャプテンの立場にない人の気持ちも考えないといけない。僕は靴を売る立場だけど、買う人の気持ちを考えます。仕事柄、映像や写真、ポスターを作ることがあるのですが、自分一人で作ることはできません。アイデアは出しますが、一人では形に出来ないから、チームの力が大切。だから、いかにチームを盛り上げるかを大切にしています。

それぞれ得意分野もあるし、人と人だからぶつかることもある。海外の人だと、日本の人より自分の考えを強く押し出すこともある。そういう人と、少し奥手な日本の人をどうやって融合させていくかということを考えて、ハーモニーを大切にしています。

環境に良い商品をつくるだけではない。大事なのはその「伝え方」

Allbirdsの店舗は、丸の内と原宿にあります。私たちが伺った丸の内のお店は、皇居からほど近く、金融企業が多く立ち並ぶ政治と経済の中心地でした。一方、原宿店は、カジュアルなお店が建ち並ぶ一角にあります。

サステナビリティを追求するためには、若者世代が自分たちの意識改革をすることと、社会を動かす世代が実際の制度や社会を改革することが必要だと、箕輪さんは話していました。いろいろな企業で働かれるうちに、「商品を売りたい」「新しいものをアピールしたい」という思いから、だんだんと、自分の好きなファッションやスポーツで、どうやってみんなが過ごしやすい環境を作っていけるかというところに思いが変わってきたそうです。

店舗を訪問して、私たちが注目した点は三つあります。

一つは、Allbirdsがメリノウール、ユーカリの木、サトウキビ等を使って製品を作っているということです。靴紐にはペットボトルが用いられていますが、将来的には再生できる素材を使っています。また、靴はたった3つのパーツから出来ているので、手入れの際も、靴紐を外して洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗うことができるそうです。

Allbirdsのスニーカー

二つ目は、靴をつくる工程です。商品自体のデザインをシンプルにすることで、工程を減らし、エネルギーの排出量を大幅に減らすことができます。また、原材料にも環境への配慮がありました。ユーカリは光合成でCO2を使い、羊の糞尿は豊かな土づくりに生かしています。サトウキビは雨水で育てることができるので使用エネルギーの削減できるそうです。

三つ目は、靴の輸送方法です。他の多くの企業では飛行機を使いますが、Allbirds合同会社では、船で輸送することでCO2の排出量を減らしています。靴を入れる箱を同じサイズにすることで、輸送時の隙間を減らす工夫もされているそうです。また、商品には、一足あたりのCO2の排出量が書かれていて、可視化できるようになっています。

取材を通して

実際に訪問して、最初に印象的だったのは、お店の内装や商品のレイアウトです。店舗にある椅子は前に少し傾く仕組みになっていて、おなかの大きい妊婦さんが靴を履きやすいように工夫されていました。また、商品をお客さんの目線に合わせて近い位置に並べることで手に取りやすくなっています。扉の取っ手も木製にしてあり、鏡が高い位置に置かれていて、明るく、優しい雰囲気の店舗でした。

店内の壁にはさまざまな図があり、そのうちの一つは、実際にAllbirdsの靴を履いた人たちからの感想が、桜の木を模した図に集められていました。そこから、Allbirdsでは、さまざまな人と繋がり、コミュニケーションをとって関わることを大切にされているのだと感じました。箕輪さんも「人と人との関係が大切である」こと、「今のうちから勉強し、可能性を広げる」ことが大切だとお話ししていました。

Allbirdsのように、物作りをする中でCO2の排出を抑える取り組みや様々な工夫を行っている会社が他にあるか調べて、その会社はどんなことをしているかなどを積極的に調査していく姿勢も大切だと思いました。また、普段の生活から公共交通機関を利用したり、商品を買うときに環境に良いのかを確認して買ったり、自然由来の製品を使ったりと、小さな取り組みから地球環境への配慮をしていきたいです。いま、地球が抱える問題について常日頃から考え、発信を行えるようにすることや視野を広げていくことが、これからを生きる高校生としてありたい姿だと考えます。

※ 記事の内容は、取材時点での情報となります

執筆者:広島市立沼田高校2年(福間信吾、金子優生、富山智大、金崎優、松浦めぐみ、中村心咲、横山雅乃、田森愛菜、下石珠由、沖前遥仁、梶川瑛太、今西千理、難波暖大、西山成、中村虹音、林華子、野上菜月、松田梨那)

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