アニマルウェルフェアについて考えさせられる本と映画

牛の気持ちを考えられる絵本『はなのすきなうし』

• 作： マンロー・リーフ
• 絵： ロバート・ローソン
• 訳： 光吉 夏弥
• 出版社： 岩波書店
• 発行日： 1954年12月10日

スペインのある牧場で暮らす、花が大好きな牛のフェルジナンドのお話。牛買いたちがやってきて気に入られ、闘牛場に連れていかれても、フェルジナンドは闘う気はない。最後は牛買いたちが根負けして、牧場に戻され、花に囲まれて暮らすことに。

牧場で飼われている牛たちにもそれぞれ想い、個性があることに気づかされる、大人にも子どもにもおすすめの絵本だ。

中高生・大人に最適な入門書『動物を守りたい君へ』

• 著者　高槻 成紀
• 出版社　岩波書店
• 刊行日　2013月10月18日

中高生向けの岩波ジュニア新書シリーズの一冊。複雑な問題がとても分かりやすい文章で説明されているので、大人の入門書にもおすすめだ。ペット、家畜、野生動物の保護など、アニマルウェルフェアを考えるうえで大切なテーマが網羅されているだけでなく、「動物の立場から見てみると？」「地球全体では？」といった視点で考える重要性にも気づかされる。

牛を飼う人の気持ちが分かる短編映画『73 Cows』

15分ほどの短編映画。親の世代から肉牛を育てきたジェイ・ワイルド（Jay Wilde）さんが、牛の飼育で生計をたてることをやめ、有機栽培の農家をスタートするまでの過程を丁寧に追っている。

心を込めて育ててきた73頭たち。しかし、どんなにかわいがっても、時がきたらと屠殺場に連れて行かなければならない。自分の良心との葛藤、新たな道の模索が静かなトーンで描かれている。詳しくは、アニマルライツセンターが掲載しているこちらの解説記事に。

鶏肉業界の秘密を暴く『スーパーサイズ・ミー2：ホーリー・チキン！』

「30日間マクドナルドだけを食べ続けたらどうなるか」という監督自身の実験をレポートし、大ヒットしたドキュメンタリー映画「スーパーサイズミー」の続編。今回は「チキン」をテーマに、なんと監督自身がチキンサンドのファストフード店を開こうと決意し、実現する。

その過程で、米国内における家畜の鶏の扱いや、広告の力が明らかになる。この映画を観た後は、普段何気なく食べている「鶏肉」について大いに考えさせられるだろう。

大切なのは、考えることと、やってみること

「アニマルウェルフェア」と聞くと、なんだか遠いことのように感じてしまう人もいるかもしれない。しかし実は、あなたが家族のように接しているペットや、普段から口にしている食べ物にも関わる大切な考え方だ。

今回ご紹介した映画や本の中で気になるものがあれば、ぜひ読んだり、観たりしてみてほしい。まずは「アニマルウェルフェア」という考え方にふれ、自分ができることに思いを巡らせてみる。そこからスタートしていこう。

※本記事は、ハーチ株式会社が運営する「Life Hugger」からの転載記事となります。