自己成長を続けるAIが、盲人のパーソナルアシスタントとなる日

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ハンディキャップには先天的なものと後天的なものがあるが、いずれにせよ日常生活または社会生活に影響があり、制限のある日々を送る。その環境はまさに当事者にしかわかりえないものだ。

日々の生活の中でハンディキャップを持つ人に出会ったとき、はたして私たちはそれに気づき、助けることができるだろうか。または、ハンディキャップを持つ彼らから、すぐにサポートをお願いされるであろうか。この助け合いの「間合い」というのは非常にデリケートで曖昧だ。そんな人間である私たちからは、想像もできない方法で彼らをがっしりとサポートしてくれるウェアラブルデバイスがスイスで開発された。

それが、AI(人工知能)の開発を手がけるEyra社によって設計された「Horus」だ。このデバイス、「骨の伝導を利用し、着用者の近くにあるものを聴覚的に説明する」というスマートヘッドセットなのだが、搭載された機能がまさに未来の領域。驚きの連続だ。

ウェアラブルデバイスHorus

まずは、カメラ付きヘッドセットをスマートフォンサイズのコントロールユニットに接続、ポケットやバッグに入れて携帯する。ヘッドセットのカメラはその時々に映った画像をポケットコンピュータに送り、「機械学習アルゴリズム」がリアルタイムでその情報を可聴記述(人の耳に音として感じる振動数領域)に変換する。このナビゲーションを通じて文章の読み取り、顔の認識、歩行途中の障害物の感知・警告などが可能になる。

骨伝導により、通常の聴覚のプロセスを妨げることなく、音声の説明が着用者のみに届く仕組みとなっている。また、手触りだけで判別可能な、異なる形状で造られたボタンを使用し、各機能を操作することができる。

さらに驚くことに、「Horus」自ら、何がユーザーにとって適切なものであるかを理解し行動を起こしてくれる。長期間使用すればするほど機能学習によりデバイス自体がどんどん賢くなっていき、自ら判断し、盲人のためのパーソナルアシスタントとして活躍してくれるのだ。

「Horus」は5つの機能で成り立っている。印刷された文章を認識し読み始めてくれる「テキスト認識」、人々の顔を記憶し認識・告知する「人物認識」、 3D認識により類似した形の物体を詳細に見分ける「オブジェクト認識」、異なる強度とピッチの3Dサウンドを生成し、障害物の位置の伝達と警告を行う「モビリティアシスタンス」、最新の人工知能進歩によりカメラが見たものを自動的に記述してくれる「風景や写真の説明」だ。

現在「Horus」は、イタリア語・日本語・英語で利用が可能。2017年初頭からオンライン販売が開始予定だ。

一般社会でも指示がなければ動けない人はたくさんいる中で、このAIは、経験から学び先を見越して人をサポートしてくれるのだ。成長を続ける人工知能は人間である私たちの職業や領域を脅かす存在になるかもしれないという説も出てはいるが、仕様によっては、AIは人間にとって最高のパートナーとなり得る。

AIを画像認識と組み合わせ、視覚障害を持つ人を助けることは、エキサイティングな開発領域だ。今後、AIにより、ハンディキャップをもつ人々が健常者のように日常生活を送れる日が、そう遠くない未来実現するかもしれない。今後の発展に注目したい。

【参照サイト】Horus

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