クリエイティブエコノミー(創造経済)とは?
クリエイティブエコノミー(創造経済)とは、文化芸術、デザイン、広告、ファッション、ソフトウェアなど、知的財産権を有する創造的産業によって作られる経済圏のこと。
1997年にイギリスの文化・メディア・スポーツ省が「個人の創造性やスキル、才能に由来し、知的財産の生成によって富と雇用を創出する可能性がある産業」として下記の分野をあげ、「クリエイティブ産業」として定義付けた。
広告、建築、芸術と骨董品、工芸、デザイン、ファッション、映画、インタラクティブ エンターテイメント ソフトウェア、音楽、舞台芸術、出版、ソフトウェア、テレビ・ラジオ
このクリエイティブ産業をより広く捉えた概念がクリエイティブエコノミーで、クリエイティブ産業によって作り出される経済全体のことを指す。
イギリス政府が上記のような定義付けを行いクリエイティブ産業の振興政策を始めて以来、世界各国の政府もクリエイティブ産業の活性化に力を入れている。
どのような産業をクリエイティブ産業とするかは国によって位置付けが異なり、クリエイティブエコノミーはまだ概念が漠然としている部分もある。
クリエイティビティが経済を発展させる時代
クリエイティブエコノミーが近年注目されるようになったきっかけの一つは、テクノロジーの発展による自動化で、今後多くの仕事が機械に置き換わるといわれるようになったことだ。
2013年にオックスフォード大学の研究者マイケル・オズボーンとカール・ベネディクト・フレイが発表した推計によると、人工知能とロボット工学の発展により、今後20年間で米国の仕事の最大47%が機械に置き換えられるリスクがあるといい、その確率は70%以上だという。
この研究結果をもとに2015年に野村総合研究所が行った試算によると、日本では人口の約49%が就いている職業が機械に代替される可能性があるという。
これに対してクリエイティブ産業は、こうした自動化によるリスクが比較的少ないとされている。米国では高度にクリエイティブな仕事の86%、イギリスでは87%が自動化により置き換えられるリスクがないか、低いという。
このような見解から20世紀は石油によって経済が発展してきたのに対し、21世紀は「創造性」が経済発展の大きなエネルギーになるといわれており、多くの国でクリエイティブ分野が今後の成長産業として位置付けられている。
日本におけるクリエイティブエコノミー
少子高齢化が進む日本でも、人口が減少していく中での経済発展と、今後のグローバル需要取り込みの核となり得るとしてクリエイティブ産業が注目されている。
経済産業省は2010年頃から日本の文化伝統を産業化し、それを国際展開する「クールジャパン戦略」として、クリエイティブ産業を強化する取り組みを行っている。
諸外国と日本ではクリエイティブ産業の位置付けや、力を入れる分野が異なるため一概には比較できない。しかしクリエイティブ産業推進の先進国であるイギリス等と比べると、日本のクリエイティブ産業の規模はまだそれほど大きくない。
今後日本がクリエイティブ産業を発展させていくためには、まず日本ならではの産業構造をしっかり理解した上で、各国の政策を参考に対策を考えていくことが重要だ。
クリエイティブエコノミーの今後
またクリエイティブ産業は地域の伝統文化や芸術との結びつきも強く、国の経済発展だけではなく、地域政策や都市計画とも関わりが深い。
そこで今後、国や自治体の経済政策、法規制、地域政策とクリエイティブエコノミーの発展をどのように繋げていくかが課題となっている。またクリエイティブ産業全体の賃金や雇用の安定性も確保していかなければならない。
クリエイティブ分野の事業は中小規模で行われていることも多いため、国や自治体がスモールビジネスを支援したり、イノベーションを促す研究開発を補助金などで支援したりすることが重要となるだろう。
各国政府が活性化に力を入れていることから、今後クリエイティブエコノミーはより広がっていくことが予想される。しかしそのためには、こうした複雑な課題を多方面から観察し、官民両方がそれぞれの立場から対策していくことが欠かせない。
【参照サイト】What is the creative economy?
【参照サイト】【クリエイティブエコノミーが切り開く未来~持続可能な都市において不可欠な「文化芸術」~】その2:文化芸術が都市や地域に及ぼす影響とは|日本総研
【参照サイト】創造産業の潮流
【参照サイト】クリエイティブ産業の捉え方と発展可能性
【参照サイト】クリエイティブ産業の産業組織と政策課題 -クールジャパンに求められる視点
【参照サイト】総務省|平成30年版 情報通信白書|職業の変化
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