【全6回体験シリーズ】あなたの「おいしい」が続く値段って?~作り手との対話から、食の“価値”を問い直す旅~

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私たちが生きるために欠かせない、食。それは、毎日の営みを支えるインフラでもあり、日々を豊かに彩る存在でもあります。

そんな食品の価格が、近年大幅に上がり続けています。2025年6月の消費者物価指数によれば、お米やパンを含む穀類は前年同月比で+29.0%(※)。このほか、肉類、卵、野菜など、生活に身近な食材の価格の高騰は止まらず、この先も続くと予想されています。こうした状況に、「なぜ?」と誰かを攻めたくなったり、ついついため息をついてしまいたくなったりする人も、少なくないのではないでしょうか。

しかし、そんな今だからこそ、私たちは一度立ち止まり、自分自身に問いかけてみたいのです。

スーパーやコンビニエンスストア、飲食店で目にするその「値段」は、本当に“高い”のでしょうか?

スーパーマーケットのレジ

モノの値段は、人件費や肥料代といった生産コストや需要と供給のバランスなど、さまざまな要因で決まっています。近年の食糧価格高騰の背景にも、天候不順による不作や円安による輸入コストの増大といった様々な要因が絡み合っており、一概に「適正価格」を決めることは容易ではありません。

そんな今こそ、私たちは、食の「本当の価値」を改めて問い直してみる必要があるのではないか──そうした想いから、今回IDEAS FOR GOODは、食の現場を訪ね、食の価値と主体的に向き合うためのイベントシリーズを企画しました。

本シリーズでは、私たちが日々口にする身近な食材の生産者や流通の現場を訪ねます。見に行くのは、アグロフォレストリーを実践する希少なコーヒー豆を使う都内のカフェや、米農家、魚や肉などの一次産業の現場、日本の発酵文化を牽引する醤油蔵まで様々。そこで出会う実践者たちは、果たして何を日々感じていて、どんなことを語ってくれるのか。その声に耳を傾けながら、参加者の皆さんとともに「食の価値」について考える時間にしたいと思っています。

宮崎県の酪農農場

今回は、普段IDEAS FOR GOODの記事で発信しているような「ソーシャルグッド」な取り組みを情報として聞くだけではありません。世間的に“良い”とされるモノを生み出すための葛藤や、それを選ぶ難しさ、より良いを追求したいけれどできない背景にあるもの……生産の現場で人々が日々抱える戸惑いや本音、ジレンマといった「リアルな声」にも耳を傾けていきます。

各回では、訪問先での体験やインプットを受けてそれぞれがどう感じたか、目の前の食の価値をどう定義するかといった問いについて、対話やワークショップを行う時間も設けます。IDEAS FOR GOOD編集部メンバーが世界中のアイデアをリサーチするなかで得た食にまつわるさまざまな情報、生産者の声、そして参加者の皆さんの声……。唯一無二の答えはありませんが、参加する人それぞれが言葉を交わし合うことで、新たな気づき、さらなる問いが生まれるのではないかと私たちは考えています。

目の前の一皿が、どんな土で育ち、誰の手に支えられ、どんな旅をしてここにやって来たのか。その物語を紐解きながら、私たちの「いただきます」を見つめ直す時間を、一緒に過ごしませんか。

2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分

今後のプログラム

Vol.1 「ネパールに森を育むBIKAS COFFEEと考える、未来のためのコーヒーの値段」(申込みはこちら
訪問先:BIKAS COFFEE(東京都江戸川区)|9月22日(月)16時~|参加費:3,500円

Vol.2「都市農業と生産の可能性」
訪問先:コミュニティガーデン(都内)|10月中旬|参加費 未定

Vol.3 「卵とアニマルウェルフェア」
訪問先:Unshelled(東京農工大学)|10月下旬|参加費 未定

Vol.4「お肉と生命の価値」
訪問先:米農家・牧場・ジビエ猟師(2泊3日のフィールドツアー・千葉県御宿町)|11月中旬|参加費 未定

Vol.5 「発酵と醤油」
訪問先:有田屋(群馬県安中市)|12月上旬|参加費 未定

Vol.6「誰と、何を、どう食べる?食べながら思い描く、未来の食卓」
訪問先:タノバ食堂(都内)|12月中旬|参加費:自由価格制

※各回10〜12名の少人数制。単発参加・連続参加のどちらとも大歓迎です。
※各回の日程・お申し込みは、順次公開していきます。現在は、Vol.1のお申込み受付中です。
※キャンセルポリシー:イベント開催日の3日前(2025年9月19日23:59)までにご連絡がない場合は、返金は致しかねます。前日、当日のご連絡も同様です。ご了承いただきますよう、お願いいたします。

こんな方におすすめ

  • 多様な価値観に触れ、「食との向き合い方」を深めていきたい方
  • 食を通じて、自分自身や社会、地球との関係性をより豊かにしていきたい方
  • より豊かな食事時間を過ごしたい方
  • 実践の裏側にあるリアルな葛藤や課題を通して学ぶことに興味がある方
  • すぐに答えの出る「ソリューション」よりも、自分の中に残り続ける「問い」を求めている方
  • 食にかかわる実践者になるためのヒントが欲しい方

シリーズのトピック・キーワード

共に旅する案内人のご紹介

相馬素美(そうま もとみ):IDEAS FOR GOOD編集部

相馬素美

    1996年、神奈川県横浜出身。東京音楽大学器楽専攻鍵盤楽器(ピアノ科)、同大学院伴奏研究領域にて研鑽を積む。2020年にハーチ株式会社に入社、IDEAS FOR GOOD、Circular Yokohama等にてサステナビリティに関する幅広いトピックの取材・執筆のほか、企業向けのサステナビリティ研修、展示、地域イベント、ワークショップ等の企画運営を担当。2023年、半年間アイルランドに滞在し、語学研鑽や取材活動を行う。

伊藤智子(いとう ともこ):IDEAS FOR GOOD編集部

伊藤智子

    地元である大阪の都市部を離れ、数年前に千葉の里山に移住。生態系の一部としての人間のあり方を模索すべく、山の中の古民家でシェアハウス生活を行う。自分が口にするものの生産現場を知るため、魚、肉、米、野菜、牛乳といった生産の最前線で農家の手伝いをしながら、カフェの運営やまちのにぎわいを取り戻すべく地域の活動にも取り組んでいる。最近のテーマは、目の前のものをじっくり感じ、味わい尽くすこと。曖昧なもの、わかりにくいものこそ大事にしたい。
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