ブルーウォッシュ(Bluewash)とは・意味
ブルーウォッシュとは?
企業や政府などの組織が、“社会的責任” と称して広報・経済的な利益のために人道的な面(人権保護や障がい者への支援など)をアピールすることをブルーウォッシュと呼ぶ。実態が伴わないにも関わらず、環境面で良いことをしているように見せるグリーンウォッシュや、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいるように見せるSDGsウォッシュなどと同じく、「見せかけだけ」の面だ。
ブルーウォッシュの「ブルー」は貧困地域や障がい者などへさまざまな人道支援を行う国連の旗の色であり、国連環境計画(UNEP)のロゴの色。「ウォッシュ」はごまかしや上辺だけという意味のホワイトウォッシュから来ている。では、なぜ国連なのか?
始まりは国連のグローバル・コンパクト
1999年、当時の国連事務総長であったコフィー・アナン氏は、世界のグローバル企業に「グローバル・コンパクト」と呼ばれる世界団体とのパートナーシップ契約を提供するプログラムを開始した。
このパートナーシップは、公正な労働慣行や人権保護、あらゆる腐敗との闘いなどを記した10の原則を持つもので、実に7,000社を超える企業が参画した。彼らには「国連の責任あるパートナー企業」として、出版物や広告資料などに国連環境計画の青いロゴの使用が許されたのである。
しかし実際には、原則には拘束力がなく、それぞれの企業が自社の取り組みを細かく監視されることもなかった。グローバル・コンパクト自体の目的や結果も明確でないため、NGOなどから「結果的に企業はこのパートナーシップを企業イメージ改善のために利用したにすぎない。見せかけだけのブルーウォッシュではないか」という批判が上がることになったのだ。
世界でさまざまな取り組みが行われる中で出てくる、こうした「●●ウォッシュ」。実態の伴っていないアピールは、かえって組織のブランドを下げるリスクになりえる、ということを理解しなければならない。