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グリーンフライデーとは・意味

GreenFriday

グリーンフライデーとは?

グリーンフライデーとは、毎年アメリカなどで感謝祭の翌日(11月第4金曜日)に行われる大規模なセール「ブラックフライデー」を否定し、同日にサステナブルな消費を啓発するムーブメントである。大規模な安売りが過剰消費の原因となるブラックフライデーに対し、グリーンフライデー運動では持続可能な消費モデルを様々なかたちで提案する。

例えば、ブランドがあえて店舗を閉めてセールを行わない、売り上げの一部を環境保護団体に寄付する、リサイクルを促すワークショップ・イベントを開催するなどだ。

フランスの電化製品リサイクル企業envieの呼びかけをきっかけに2017年頃から本格化し、近年ヨーロッパを中心に広がってきている。

ブラックフライデーの問題点

ブラックフライデーは1960年代にアメリカで始まり、今では毎年世界各地でセールが行われ、小売業が1年で最も売り上げを上げる日だともいわれる。envieによると、フランスでは2019年のブラックフライデー1日だけで、5660万件のクレジットカード決済が行われたという。最近はブラックフライデーに続き、翌月曜日にオンラインショップを中心に行われるセール商戦「サイバーマンデー」なども相まって消費は加速している。

上記のような売り上げのみを追求した大量消費は、資源の過剰消費や廃棄問題、環境汚染などの要因になりうる。また商品の過剰包装や、輸送に伴うCO2の排出なども問題だ。

こうした過剰消費を促すプロモーションを否定して、消費のあり方を見直そうとはじまったのが、グリーンフライデー運動である。

世界のグリーンフライデーアクション

前述のフランス企業envieは、2018年にパリ市の支援を受けてNGO「グリーンフライデー」を立ち上げ毎年活動している。同NGOが主導した2019年のグリーンフライデー運動では、ヨーロッパ内で400以上の店舗が参加した。

参加店舗は、ブラックフライデーにあえて割引・セールを行わず、1日の売上の10%を非営利団体に寄付した。また、ものを長く使うためのリペア方法を教えるワークショップなども開催している。

そのほかにも、さまざまな企業がグリーンフライデー運動を行っている。

パタゴニア
アパレルブランドのパタゴニアはグリーンフライデー運動に先駆け、2016年のブラックフライデーに全世界の売り上げ合計1000万ドル(約11億円)を環境保護団体へ寄付した。

REI
アメリカのアウトドアブランドREIは2015年以降、ブラックフライデーを全店休業としている。従業員には給料を支給した上で、ブラックフライデーの1日を外で過ごすよう促している。

IKEA
IKEAは2020年からブラックフライデーに代わり、グリーンフライデーアクションとして自社家具買取サービスのキャンペーンを行っている。2020年には15万5000点以上の自社家具を買い取り、修復後にアウトレット販売を行ったという。

ジ・オーディナリー
カナダのコスメブランド、ジ・オーディナリーは2019年からブラックフライデー当日を、Webサイト含め全店舗閉店としている。

メルカリ
フリマアプリを運営するメルカリは、グリーンフライデー運動として2020年にユーズドの服だけで「サステナブルファッションショー」を行った。また2021年には、ユーズドアイテムの購入を通じて持続可能な消費の体験ができる「サステなストア」を期間限定でオープンした。この「サステなストア」の売上は、全額「メルカリ寄付」に登録されている慈善団体などに寄付されている。

グリーンフライデーに生活者としてできること

グリーンフライデー運動は、企業が行う上記のようなイベントへの参加以外にも、自身で行動できることがある。例えば、ブラックフライデーに以下のようなアクションをとることだ。

  • セールに行かない
  • 中古品を選んで購入する
  • ものを積極的に修理する
  • 再利用やリサイクルをする
  • エシカル、サステナブルなブランドを選ぶ
  • 環境に配慮した原材料の商品を選ぶ
  • フェアトレード製品を選ぶ

まとめ

日本ではまだまだ認知度の低いグリーンフライデーだが、政府や企業のSDGs推進が後押しとなり、欧米諸国では様々な活動が広がっている。今後国内でも、グリーンフライデー運動を実施する企業・団体は増えていくだろう。

ブラックフライデーやサイバーマンデーにおけるすべての消費を否定するのではなく、より多くの人が消費のあり方を考え直すきっかけとして、グリーンフライデー運動を認識することが大切だ。

【参照サイト】envie「Le mouvement GREEN FRIDAY ®」
【参照サイト】NGOグリーンフライデー
【参照サイト】「POUR SA 3ème ÉDITION, LE GREEN FRIDAY© RASSEMBLE PLUS DE 400 STRUCTURES」
【参照サイト】メルカリ「古い洋服から新しいスタイルは生まれるのか?グリーンフライデー 新作ゼロのサステナブルファッションショー」
【参照サイト】TRANS「グリーンフライデーとは?|消費者にも嬉しい企業のSDGs事例」
【参照サイト】HUFFPOST「ブラックフライデーを「放棄する」企業、何が起きているのか?その皮肉な現実」

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