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こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる「むすびえ」【高校生が出会ったサステナ企業・団体】

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むすびえ

この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。

未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2022年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業や団体に足を運び、自ら取材を行った。

高校生たちはその出会いから何を学び、何を感じたのだろうか。

※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります

「貧困」テーマで訪れたのは……

長期化する新型コロナ、戦争、経済不安などによって日本だけでなく、世界でも貧困が増え続けている。また、貧困が与える影響もだんだん深刻化​して​いる。しかしそのような中でも立ち上がっている人たちがいる。それが認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)だ。

むすびえは、こども食堂を支援する全国各地の地域ネットワーク団体とともに、約7300箇所(2023年2月発表現在)にのぼるこども食堂の活動を後押ししている。こども食堂の運営者は、おなかをすかせた子どもへの食事提供から、孤食の解消、滋味豊かな食材による食育、地域交流の場など、さまざまな活動を行っている。こども食堂は、多くのボランティアに支えられ、地元企業や農家などから食材の提供を受けて、料理を作っている。利用者のために、コロナ禍でも活動を続けているところも多く、お弁当や食材も配布している。

私たちは貧困解決の糸口を探すため、むすびえの三島理恵さんに団体の活動についてインタビューした。

むすびえ・三島さん

むすびえ・三島さん

むすびえの3つの活動とは

むすびえは全国のこども食堂をサポートするために、「地域ネットワーク支援事業」「企業・団体との協働事業」「調査・研究事業」の三つの活動を行っている。

同団体では、各地域のこども食堂を支援する地域ネットワーク団体を支援するとともに、こども食堂を応援してくれる企業・団体とこども食堂をつなぎ、こども食堂の意義や実態を伝え、理解を広げる調査・研究を行っている。各地のこども食堂と各地域のネットワークを大切にし、より良い活動作りに取り組んでいるのだ。これらの活動は、個人や法人からの寄付に支えられているのだという。

食事を提供する「以上」の価値を

皆さんはこども食堂と聞いて、どんな場所を想像するだろう?おそらく多くの人が、経済的貧困によりご飯を食べられない子が来る場所だと想像したのではないだろうか?

実は、こども食堂には、貧困家庭に食事を提供するだけではなく、さまざまな世代が交流する場としての役割があるのだという。実際、子どもから高齢者まで幅広い世代がこども食堂でボランティアを行っており、彼らは、コロナ禍によりなくなったイベントを代わりに開催したり、子どもたちに勉強を教えたりしている。高齢者の方がボランティアに参加することにより、自身の健康を保つことに繋がっているのも面白い点だ。

むすびえは、「こども食堂=貧困家庭の人が来るところ」という偏見を取り払い、誰も取りこぼさない社会をつくるための活動を行っている。こども食堂は、例えば「働く大人と会う」「昔遊び、読み聞かせ、食育、防災など各種プログラムで文化的な経験、体験と交流をする」等を通じて、すべての子どもに「人としての豊かさ」を提供することができる。さらには、「子どもが夢を持てる社会」「子育てがしやすい社会」「貧困のない社会」「老後も元気に活躍できる社会」「老後も安心して暮らせる社会」「困ったときに助け合える社会」など、包括的に社会課題にアプローチし、健全な地域づくりを行うことができる場所。そんなこども食堂を、むすびえは支援しているのだ。

多世代が交流できるようにするこれらの活動は一見、貧困問題とは関係がないと感じられるかもしれない。しかし、人との繋がりを通して、「一人ではない」「誰かが守ってくれる」という気持ちを育み、精神面での貧困問題を解決しているのである。お話を伺った三島さんは、多世代が集まるこども食堂を「公園のような場所だ」とおっしゃっていた。

むすびえ

この活動をみんなの当たり前に

これまで貧困解決の方法はお金による支援が全てだと思っていたが、むすびえへのインタビューを通して、人と人との繋がり、地域の協力など人との縁も貧困解決の糸口になるのだと気づいた。

貧困をなくすためには私たち一人ひとりが現在の貧困問題を理解し、解決に向けたアプローチができるはずだ。例えば、食べ物を無駄にしないようにしたり、貧困について考える日を設けたりすること、地域のイベントに参加したり募金活動を行ったりすることは、私たちにできることとして挙げられるだろう。

貧困問題は身近なところからでも解決に向けたアプローチができるはずだ。しかし、私たちが行動しなければ何も変わらない。人ごととせず、支え合いながら、行動していきたい。そう思ったのだった。

記事執筆者:沼田高校2年生(大前紗依子、上村千鳥、財津成花、新本美咲希、黒瀬真奈美、西本蒼生、米村聖菜、生駒瑠菜、朝村萌、古閑桃香、大山素花、住友いろは、福本蓮斗、林愛里咲、髙畑璃空、永田麗凪)

※写真提供:認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ

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