地域と発電所を繋ぎ、持続可能な未来を創り出す「まち未来製作所」【高校生が出会ったサステナ企業・団体】
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この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。
未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2023年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業に足を運び、自ら取材を行った。
高校生たちは企業と出会って何を学び、何を感じたのだろうか。
※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります
エネルギーのテーマで訪れたのは……
今回私たちが訪問したのは、まち未来製作所。今回は、広報マーケティング担当である福島けいこさんにお話を伺いました。
再エネと地域をつなぎ、再エネの地産地消と都市化を実現
Q.まち未来製作所は、どのような会社ですか?
まち未来製作所は、再エネと地域をつなぎ、再エネの地産地消と都市間流通による地域活性化を実現する「e.CYCLE(eサイクル)」という取り組みを行っています。
e.CYCLEには大きく三つの機能があります。一つ目は、再エネの地産地消と都市間流通を実現すること。二つ目は、運用収益の50%を発電所がある地域の活性化事業に還元すること。そして三つ目は、電気代の削減と、再エネ利用者の拡大のためのマッチング(e.BID)。まち未来製作所は、これら三つの機能を活かして、地域のための自然エネルギーのいい循環をつくります。
再生可能エネルギー事業に関わる複数の法人がパートナーシップを組み、互いの技術や資本を活かし、地域社会を巻き込みながら、業界や地域の枠を超えて広く共存共栄していく仕組みであるエコシステムを作ることで、今までに存在しないものを構築し、今までにない未来を拓きたいと考えています。
Q.e.CYCLEを普及させていくために必要なことと、今障害になっていることはなんですか?
「そもそも人々は、e.CYCLE自体について、よく分かっていない」というのが今の状況です。そのため、まずはe.CYCLEとはなんなのか、知ってもらうことが大切です。
e.CYCLEを普及させていくにあたり、地域間での格差にも注目しなければなりません。たとえば、e.CYCLEの普及は中国・四国方面ではあまり進んでおらず、地方によって普及具合が違うのです。
まち未来製作所は、電気を作った人と電気を売る人たち、もしくは使う人たちの間を取りもっています。全ての人が気持ちよく使えるようなビジネスモデルをつくるためには、地域も共に発展させること。そして、地道にコツコツ広げて行くことも大切です。
決断は大胆に、日常は淡々と
Q.福島さんの、大切にされていることは何ですか?
一つ目は、柔軟且つブレないことです。柔軟性は他人とのコミュニケーションを円滑にします。相手の意見や立場に理解を示し、同時にブレない姿勢で自分の意見を伝えるために大切です。
二つ目は、決断は大胆に、日常は淡々とすることです。大胆な決断は、目標に向かって進むための重要な一歩です。リスクを取ることで、新しい機会や挑戦に出会い、成長の機会を得ることができます。また、そうした「大胆な決断」と「淡々とした日常」の組み合わせは、個人や組織が成長し、成功を収めるために不可欠な要素と言えます。
三つ目は、分かるまで相手にしっかり説明する心です。相手に対して誠実かつ明確な説明を行うことは、信頼の構築につながります。さらに、相手に説明することで、相手は意図や考えを理解しやすくなります。
システムを広げるために大事なこと
システムを広げて行くためには、そのシステムをよく理解してもらうことが重要であるということが今回の研修で学んだことです。なぜなら、企業の事業には地域の方々との協力が必要不可欠であるからです。また、発電所を建設するには、その地域の人と良い関係を築きながら、納得のいく形で進めなければいけません。
また、地域も共に発展させることも重要だということも、新たな発見でした。実際に訪問し、お話を聞いたことで、互いに良い関係を築いていくためにも、これから持続的な社会にするためにも、「地域」と「企業」、双方の発展が大事なのだと考えました。
そして、システムからしっかり理解を深めてもらおうとするその考え方が、地域の方たちと良い関係を築くために必要不可欠なのだと感じました。また、訪問前は、地道にコツコツ広げて行くよりも、一気に広げて行くほうがいいのではないかと思っていましたが、それは現実では難しく、コツコツ確実に広げていくことの大切さを知ることができました。
取材を終えて……
手を伸ばしたいけれど、遠慮してしまっている事は少なからず、どんな年齢でもあります。福島さんのお話を聞いて、「遠慮しない癖をつける」というのはすごく重要だと感じました。遠慮しすぎると、自分の欲望や目標に対して適切な機会を逃してしまう可能性があるからです。自分を理解し、進んで行動することが成功につながることがあると学びました。
また、今回の訪問では、これからを生きる高校生としてありたい姿を想像したときに、大事だと思うことが三つありました。
一つ目は、自分の身体を犠牲にして何かをしないことです。それでいくら困難な問題に立ち向かえたとしても、そのときにできた傷は一生残ってしまいかねません。そして、それで成功したとしても、そのときに感じる達成感や喜びはあまり得られないと思います。
二つ目は、遠慮しすぎないことです。遠慮しすぎることが、新しい挑戦や成長の機会や自分の欲望や目標に対して適切な機会を逃してしまう可能性があります。自分から意欲的に挑戦してみることが成功につながることがあると学びました。
こうしたありたい姿に向かうために、まず「長く続けた先に変化がある」という視点を持つことを心がけていきたいです。やはり長期間続けたことでうまれる成果は、どんなことにも劣らないと思ったからです。そして「長く続けるためにはどうすればいいか?」ということも、考えていきたいです。
執筆者:天野日瑞、片島未智、宮﨑はるか、世良蓮翔、山本愛梨奈、菅井理桜、静間康太、一色祐作、神庭健太、三宅峻平、北川隼也、和田晃明、岡本翔馬、谷ロ優愛、佐藤亮太、松本蒼大
※内容は2023年10月の取材当時のものです。