「飢餓を0に」を目指して。TABLE FOR TWOの「おにぎりアクション」とは?【高校生が出会ったサステナ企業・団体】
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この記事を執筆したのは、広島の「高校生たち」である。
未来を見据えた高校2年生たちが、さまざまな生き方を知り価値観を広げ、自分らしさを問う探求学習「わたしプロジェクト」。その一環で生徒たちは2023年に広島から東京を訪ね、ワクワクするようなサステナブル事業に取り組む企業・団体に足を運び、自ら取材を行った。
高校生たちはそこで何を学び、何を感じたのだろうか。
※以下、広島の沼田高校2年の生徒による記事となります
「食」をテーマに訪れたのは……
私たちが訪問したのは、飢餓をなくすために活動するNPO法人「TABLE FOR TWO(TFT)」です。今回は、同団体の具体的な取り組みと想いについて学ぶため、同団体の山本真穂さんと、TFTプログラム参加企業であるオイシックス・ラ・大地株式会社にて、社内で活動を推進している丸尾幸子さんにお話を伺いました。
飢餓をなくすカギとなるのは「おにぎり」
Q. NPO法人「TABLE FOR TWO」は、どんなことをしている団体ですか?また、主な活動である「おにぎりアクション」とはどのような取り組みですか?
TABLE FOR TWOは、「おにぎりアクション」という取り組みをはじめ、オイシックス・ラ・大地などの企業と連携し、世界の飢餓や肥満といった、食に起因する問題を解決するため活動しています。
「おにぎりアクション」は、おにぎりにまつわる写真をSNSまたは特設サイトに投稿すると、協賛している企業が寄付をし、TABLE FOR TWOを通じてアフリカ、アジアの子供達に写真1枚につき給食5食分が届くという取り組みです。日産自動車株式会社など多くの企業が同団体に協賛しています。
今回取材会場を提供してくれたオイシックス・ラ・大地も協賛企業の一つです。「食に関する社会課題を、ビジネスの手法で解決する」という同社の理念に合致することから、おにぎりアクションを長年にわたり応援しています。
2023年は、保育園での食育イベントを日産自動車と共催するなど、「おにぎりアクション」を盛り上げ、子どもたちが輝く未来へつながっていくことを目指しています。
Q. 開発途上国側においても支援制度が知られる必要がありますが、SNSなどが普及していない開発途上国でどのようにTABLE FOR TWOの存在を広めていますか?
開発途上国において有名になることは重視しておらず、支援が必要なところにアプローチし、現地の食材を使った学校給食プログラムを中心とした活動を優先しています。
また、発展途上国の支援だけでなく肥満の問題を解決するための活動を組み合わせた「TABLE FOR TWOプログラム」を実施しています。先進国において、社員食堂や店舗でTABLE FOR TWO ヘルシーメニューを購入すると代金の一部が寄付となり、飢えに苦しむ世界の子どもに給食1食分をプレゼントできる仕組みです。この取り組みを通じて、肥満と飢餓の両方の問題を同時に解決するための取り組みを行なっているのです。例えばOisixは2008年から野菜ジュースなどの宅配商品を寄付つきで販売したり、現地に給食室を作るなどの活動を通じてこのプログラムを支援したりしており、日頃から企業との協力関係を築くことでよりインパクトのある活動を行うことができています。
一人ひとりの行動で世界は変わる
NPO法人「TABLE FOR TWO」の山本さんは、かつて自分の行動が社会を変える事なんてありえないと思っていらっしゃいました。しかし、コロナ禍を経て一人ひとりの行動で世界は変わるのかもしれないと感じるようになり「自分にできることがあればやってみよう」「自分の信念に適うことをしよう」と考え、現在は「健康」「幸せ」「誠実」を大切にしながら仕事をされているそうです。
これを聞いて、私たちも一人の人間として身近な問題に向き合い、課題解決に少しでも貢献できるような行動をしていきたいと思いました。
おにぎりアクションを実践してみる
私たちにもできることについて尋ねたところ、実際に「おにぎりアクションを体験してみてはどうですか」というご提案がありました。そこで、私たちは実際におにぎりアクションに取り組んでみることにしました。
私たちは「おにぎりアクション」のウェブサイトから、おにぎりに関する写真を撮影しハッシュタグ「#Onigiriaction」を付け、SNSへの投稿をしました。こんなにも簡単な取り組みによって、「TABLE FOR TWO」を通じて協賛企業がお金を寄付してくれ、貧しい国に給食が送られるそうです。おにぎりに関する写真は、おにぎりの絵でも、おにぎりのぬいぐるみでもいいそうです。
実際に投稿してみて、私たちも写真を投稿するのが楽しく、開発途上国の人々の命を救うこともできるため、とても良い活動だと感じました。おにぎりアクションは、とにかく簡単で取り組みやすく、世界の人たちと繋がることができると実感しました。また、顔出しをしなくてもよかったり、新しくアカウントを作らなくても投稿できたりすることを知ったので、気軽に取り組めることをもっといろんな人に知ってほしいと思いました。「おにぎりアクション」を通じて、飢餓の問題にすぐに取り組むことができるので、いろいろな人に広めていきたいと思います。
取材を終えて
TABLE FOR TWOでは、思うように食糧を得ることのできない国を支援していくための方策、また、支援先の雇用の創出や地産地消などの改善策として、食糧調達のためにお金を寄付することや実際に現地に行って様子を確認することなどの積極的な取り組みがなされていることが分かりました。また、支援している国や、これから支援が必要な国に積極的に寄り添い、私たちも参加しやすい「おにぎりアクション」として取り組みが行われていました。
「おにぎりアクション」の柱となっているSNSによる発信は、世界中の人たちが利用することができ、私たちの年代でも利用することができるので、誰でも気軽に取り組める点が良いと感じました。
また、有名になることを重視していないという回答から、NPO法人としての利益ではなく開発途上国の人々を支援したいという真っ直ぐな思いを感じました。このように人のために行動できるのはすごいなと思いました。支援の対象となっている開発途上国がTABLE FOR TWOに依頼して支援を受けているのだと思っていましたが、TABLE FOR TWOが支援対象国を3つの条件(深刻な貧困状況が生じていること、政情が安定していること 、給食事業の管理・報告体制が整備されていること)をもとに選定していることを知り、本当に支援を必要としている国を見落とす恐れはないのかなという疑問を持ちました。こういった問題については、今後調べていこうと思っています。
これから私たちにできること
おにぎりアクションなどの簡単に取り組めるものには、積極的に参加していきたいと思っています。さらに、飢餓以外の「食」に関する様々な社会問題に注目し、私たちが参加できる取り組みなど、自分たちから率先して学んでいきたいと考えています。
また、たくさんの人に食に関する問題や解決方法を知ってもらうことが必要です。また、さまざまな国の食に関する情報を知り、募金やおにぎりアクションなどの取り組みに参加して、食の問題を自分ごととして捉えることが大切だと思いました。おにぎりアクションといった具体的な取り組みの名前を出しながら伝えていくことで、この問題に関心のない人にも分かりやすく、取り組みやすくなると感じています。
執筆者:沼田高校2年(行実凌河 、大島成之心、松田祥多、志田陸斗、香川紗紀、岩室星那、竹本愛結、上田莉愛、林盟、大久保有心、石丸愛奈、田村愛梨、関谷乃愛、浜田香耶、上田優作、塚本桜太郎、谷本煌太、神田桃冴)