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【まとめ】草やさとうきびの有効活用。サステナブルな代替素材のストロー10選


使い捨てプラスチック製品による環境汚染は世界的な問題となっている。主に飲食店やカフェなどで使用されている使い捨てストローもそのひとつだ。これに対し、徐々に使い捨てプラスチックストローの使用を禁止、または廃止する国や大手企業が増えてきている。

・アイルランド:2020年9月、政府が2021年7月から使い捨てプラスチック製ストローの使用を禁止すると発表。
・スターバックスジャパン:2020年3月から、国内の全店でプラスチック製ストローの使用を廃止し、紙ストローを導入
・米ディズニー社:2019年半ばまでに自社が所有、経営するすべてのテーマパークやリゾートなどから使い捨てのプラスチック製ストロー、マドラーを撤廃すると発表
・マクドナルド:2025年までにプラスチック製ストローを世界中の店舗で全廃すると発表。さらに、自社で使用していたプラスチックストローと海洋プラスチックごみをアップサイクルした水着を作る

これと同時に、プラスチックストローの代替品となる、環境に優しいサステナブルなストローの開発も国内外で進んでいる。飲食店などの事業者向けに普及活動を進めているものや、マイストローとして持ち運ぶために販売されているものなど、さまざまなソリューションがある。

今回は、IDEAS FOR GOODでこれまで取り上げてきた事例を中心に、新しい素材から作られたサステナブルなストローをご紹介する。

01. 食べられるストロー

インド発、プラスチックに代わる「食べられるストロー」の可能性


インドのスタートアップnomが開発したのは、小麦粉と米粉、油、砂糖、香料によってできた「食べられるストロー」だ。賞味期限は1年、水につけても45分間はふやけることがない。フレーバーは、バニラ、レモンシトラス、ストロベリー、ミント、チョコレートの5つ。牛乳や、ジュース、アルコールなどの飲み物に合わせてストローを使い分けたり、タピオカやホイップクリームのように、ストローをカスタムして楽しんだりすることも可能だ。

  • 国名:インド
  • 団体(企業)名:nom
02. 木のストロー

世界初。健やかな森と海を守る、間伐材を使った「木のストロー」


注文住宅会社アキュラホームとザ・キャピトルホテル東急がタッグを組み開発したのは、利用されていなかった間伐材を有効活用した、世界初「カンナ削りの木のストロー」だ。このストローは、「カンナ掛け」をヒントに木をうすく削り丸めることで、太さや長さを自在に調節でき、1時間みずにひたしてもふやけることはない。ザ・キャピトルホテル東急で導入が始まっているほか、2019年6月末に行われたG20大阪サミットでも採用された。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:注文住宅会社アキュラホーム、ザ・キャピトルホテル東急
03. 草のストロー

草ストローを通じて地域循環へ。HAYAMI草ストローの挑戦


このストローは、ベトナムで栽培される生分解性の草(カヤツリグサ科レピロニア)の茎を利用して作られている。「逆に水がしみこむと耐久性が増し」、プラスチックと同じくらいの強度があるこのストローは、数ヶ月以内に自然な環境のもとで分解され、その後は家畜飼料や農場の肥料としても使用できる。2020年4月からオーガニック・ヴィーガンカフェなど環境問題にも取り組んでいる店舗を中心に導入が進められ、6月時点ですでに約50店舗に導入されている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:HAYAMI
04. さとうきびストロー

さとうきびストローでまちづくり。循環型社会の実現を目指す「4Nature」


日本のスタートアップ、株式会社4Natureは、台湾発のさとうきびストローの普及活動を行っている。100%天然植物由来のさとうきびから作ることができ、使用後はコンポストにより水と二酸化炭素に分解することができるため、土壌への悪影響もない。また、紙ストローより耐久性も高く、1日中使えるのも魅力だ。また同社は、毎週末に表参道で開催されている「青山ファーマーズマーケット」で使用済みのストローを引き取り、それを栃木の家畜農家に持っていきコンポストに利用するという循環型の仕組みを構築している。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:4Nature
05. パスタのストロー

美味しく地球にやさしく。パスタをストローにして脱プラスチックへ


プラスチック製ストローの提供が禁止された米カリフォルニア州・マリブ市にあるPasta Strawsという会社は、パスタでできたストローを開発し、販売している。このパスタストローは、捨てたあと一晩で分解されるうえ食べても大丈夫だ。また、耐久性も高く3時間以上水にひたしても使用することができる。強度もあるためミルクシェイクを吸い込んでもかたちが潰れにくい。イギリスのブリストル市にあるレストランも、プラスチック製ストローの代わりにこのパスタストローを導入している。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Pasta Straws
06. 折りたためるストロー

使い捨てのストローはもうやめよう。新時代のマイストロー「FinalStraw」


FinalStrawは、小さなキーホルダーケースに収納された携帯ストローだ。普段はケース内に折り畳まれていて、それを引き出すと即座に1本のストローとして用を成すという製品である。使い捨てではないため、ストロー内部を洗えるようクリーニングヘッドも付いている。持ち運びの手軽さに加え、カラーバリエーションも豊富だ。こちらは公式サイトから購入可能だ。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Final
07. 甘い飴からできたストロー

日本発・飴でできた食べられるストロー「DLINK STRAW」


ストローをくわえて、吸い上げ、味を感じ、飲み込むまでを丁寧にデザインする日本発の「食べられる」ストローブランド”DLINK STRAW”が制作したのは、血糖値を抑え、肥満予防にも効果があると言われているパラチニットという砂糖からできたキャンディーストローだ。デザイン性にもこだわり、パラチニット特有のガラスを超える透明度を活かし、ドリンクが吸い上げられるのを目で見て楽しめるデザインとなっている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:DLINK STRAW
08. 世界初の陶磁器ストロー

美濃焼ストロー
美濃焼は、岐阜県土岐市とその周辺の都市で作られてきた日本の伝統工芸品である美しい陶器のひとつだ。1300年以上の歴史があり、お皿やお椀に加工されている。陶磁器試験場は美濃焼ストローを開発し、市内の飲食店5店舗で試作品ストローを試すことができる。公式サイトからも購入できる。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:陶磁器試験場・セラテクノ土岐
09. コンポスト可能な大麦ストロー

大麦ストロー
福井県や石川県、徳島県、滋賀県などで栽培されている大麦を使ったストローが販売されている。もともと「ストロー」は、英語で「麦わら」を意味するので、原点に戻った材料を使用したストローだ。大麦100%で作られているので、そのまま自然に還すことができる。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:福井大麦倶楽部(福井県)、ロータスコンセプト(石川県)、株式会社フードハブ・プロジェクト(徳島県)など
10. 国産の米ストロー

米ストロー
規格外や破砕米、屑米、米粉などの非食用の米から生まれたプラスチック「ライスレジン」でできたストロー。サトウキビやトウモロコシといった海外由来のバイオマスプラスチックとは異なり、米の製造とストローの生産は国内で行われ、輸送による環境負荷が少ない。また、耕作放棄地等を活用したり、米の廃棄を減らしたりと、プラスチックの使用を削減する以外の効果も期待される。米の匂いがほのかに香る優しいストローだ。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:株式会社 バイオマスレジンマーケティング

まとめ

いかがだっただろうか。国内外で実にさまざまな素材からストローを作ることが試みられており、そのどれもが環境に優しく魅力的だ。

海外では、そもそもストローが本当に必要かどうかを問いかける広告や、飲食店でストローの受け取りを断る運動なども起こっており、世界から使い捨てプラスチック製ストローがなくなる日はそう遠くないとも感じられる。消費者としてもこの世界の動きに注目し、責任のある選択をしていきたい。

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