地球にも自分にもやさしい、植物生まれのヴィーガン・エビ

2022.08.18

天ぷら、エビフライ、エビチリ……和洋中、様々な料理に使われるエビ。

現在、世界で消費されているエビの大部分は東南アジアのマングローブ域で生産されている。そして、マングローブ林のエビ養殖池への転換は、東南アジアのマングローブ林が激減した最大の要因だと言われているのだ(※)

マングローブ林は、多大なCO2を蓄える機能を持ち、絶滅危機に瀕した動物の生息地にもなっている。私たちがエビを楽しむことができる裏には、こうした豊かな環境の破壊があるのだ。

そんななか、植物性の素材だけを使い、環境に負荷をかけないエビ作りをしているのが、ドイツのスタートアップ企業・Numi Foodsである。

Numi Foodsのミッションは、おいしく健康的なシーフードの代替品を提供し、環境とのバランスを保ったフードシステムを作り出すことだ。伝統的なシーフードを分子レベルに落とし込むバイオテクノロジーのアプローチをとっており、味、質感、栄養にこだわりながらヴィーガン・エビづくりを行っているのが特徴である。

numi foods

Numi Foodsによると、養殖エビは、食品カテゴリーのなかで4番目に大きなCO2フットプリントを持つ。そのため、消費者が気軽に植物性エビを選べるような環境を作ることができれば、大きなインパクトを与えられると考え、ヴィーガン・エビの開発に踏み切ったのだという。現在、Numi Foodsの代替エビは、従来の養殖エビに比べて、CO2排出量を最大70%削減することに成功している。

Numi Foodsが目指すのは、10年以内にシーフード市場の30%を代替していくことだ。近年、コンビニで大豆ミートのお弁当を見かけたり、カフェで植物性のミルクを見かけたりするのが当たり前になってきたように、街中でヴィーガン・エビを見ることができるようになる日も、そう遠くはないかもしれない。

マングローブと環境問題(国立研究開発法人 国立環境研究所)

【参照サイト】Numi Foods
【参照サイト】Numi foods brings plant-based shrimp and salmon to your plate(Y Combinator)

この記事を書いたライター

大学ではメディア文化を専攻し、政治、広告からおもちゃ、ファッションまで幅広い題材を通して意味の形成過程やモノの見方について学ぶ。入社後は、IDEAS FOR GOODでの編集・ライティングに従事し、発達障害やうつの方のためのビジネススクール「キズキビジネスカレッジ」との共同ライティングプログラムの立ち上げにも携わる。そのほか、企業のオウンドメディア運営支援や展示企画などを担当。関心テーマは多様性、とくにニューロダイバーシティ。ハッとする言葉や考え方との出逢いは、人をしなやかに変えてくれると信じており、新しいアイデアや発想の仕方、それを届ける多様な表現に触れるのが好き。目標は、言葉の力で、誰かの心を「紙1枚分」軽くすること。