英ワイト島で、海岸のゴミをかばんにアップサイクルする「Wyatt and Jack」

2019.10.24

秋が深まり、海水浴客のいなくなった静かな海で、捨てられたごみが目につくことがある。オーストラリアでは、海岸のごみの75%がプラスチックからできているという。またイギリスのデボンでは、1994年以来海岸のプラスチックごみが140%増加したという。様々な地域で、海岸のごみが問題になっている。

イギリスのワイト島にある「Wyatt and Jack」という会社は、海辺に捨てられたビニールのおもちゃデッキチェアなどを、かばん、ポーチ、アクセサリーにアップサイクルする取り組みを行っている。夫婦が営んでいるというこの会社は、今まで100トンものプラスチックごみをアップサイクルしてきたという。

https://www.instagram.com/p/B3438v0loiB/

同社が作る商品は長持ちし、色合いがカラフルである点が特徴的だ。また、集められたごみのかたちやダメージ箇所をも活かして作っているため、どの商品も一点物。もともと海で使うものを再利用しているため、ウォータープルーフである点も嬉しい。

ウェブサイトでは商品のカテゴリーごとに「I Was A Bouncy Castle (私はバウンシーキャッスルでした)」、「Vintage Salvaged Deckchair Canvas (回収されたヴィンテージのキャンバスデッキチェア)」といったキャッチコピーがついており、その商品がどういう経過をたどって今存在しているのか、わかるようになっている。工夫をすれば、ごみが新たな生命を持つことに心を動かされる。

https://www.instagram.com/p/B2ZlbLylzgz/

同社のクライアントは、国際人権NGOであるアムネスティ・インターナショナルやファッションブランドのジャック・ウィルスなど多岐にわたり、イギリスのボランティア団体であるナショナル・トラストとも手を組んで活動したという。ナショナル・トラストは同社が作ったアクセサリーやかばんを、プラスチックごみが見つかった場所で販売したそうだ。

また同社は2019年9月に破産を申請した、イギリスの旅行代理店であるトーマス・クックともパートナーを組んだことがある。トーマス・クックはギリシャにごみの収集所を設置し、観光客が置いていったプラスチックを回収していたという。

アップサイクルされたポーチやかばんから、もとの商品を使った人たちが海辺に置いていった言い知れない懐かしさや温かさを感じることで商品により愛着を持ち、人々はモノを大切に使おうという気持ちになるのではないだろうか。

【関連ページ】アップサイクルとは・意味
【参照サイト】Wyatt and Jack

この記事を書いたライター

木村 つぐみ(きむら つぐみ)。大学卒業後しばらく経ってから日英の翻訳を始める。そして翻訳にとどまらず自分で文章を作り上げてみたいと思いライターも始める。学生時代に海外生活の経験あり。好きな文筆家はよしもとばなな、ナンシー関など。好きな言葉は「花鳥風月」。