【2022年最新版】生理や更年期に。お悩み別、フェムテック商品・サービスまとめ
フェムテック──これは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた言葉で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービスを指す。テクノロジーを使わずに女性の健康問題をケアする製品・サービス「フェムケア」と並んで、近年注目を集めている言葉だ。
フェムテック市場では、生理痛の改善や月経周期の予測、妊娠中のQOL向上、不妊対策、更年期障害の改善、セクシャルヘルス(セックストイなど)、女性特有の病気のケアといった多様なテーマのもとに数多くの製品・サービスが開発されている。
日本国内における2020年のフェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場規模は、前年比103.9%の597億800万円(※1)。世界では、2025年までに5兆円規模の市場になる(※2)と言われており、今非常に注目が集まる分野であることがわかる。
フェムテックに取り組む企業と商品まとめ
それでは、フェムテックに取り組む企業や商品について見ていこう。今回は、月経(生理)/不妊・妊よう性/妊娠・産後ケア/更年期・閉経/セクシャルウェルネス/女性の健康全般の6つのカテゴリに分けてご紹介する。
月経(生理)
すでの多くのフェムテック企業が参入しているのが、「月経(生理)」のカテゴリである。このカテゴリで提供されているのは、吸水ショーツや月経カップなどの繰り返し利用できる生理用品、月経日の予測サービスなど、女性が生理中でも快適な生活を送れることを目指した製品やサービスだ。以下がその一例である。
捨てずに使える、吸水ショーツ「Nagi」(日本)
SNSを中心に女性のエンパワメントをしてきたBLAST Inc.が開発したNagiは、ナプキンが要らない生理用ショーツ。ショーツ本体で経血を吸収できる作りになっており、洗って繰り返し使うことができる。また、日本の生地メーカーの生地を使用し、1枚1枚丁寧に人の手で縫製されているのもNagiの魅力のひとつである。
薬を使わずに月経痛を緩和「Livia」(イスラエル)
薬を使わずに月経痛を緩和できるウェアラブルデバイス「Livia」。マイクロパルスを発し中枢神経を占領することで月経痛の信号を受信させないようにする技術を使用している。2016年以降様々な臨床試験が行われ、世界中の15万人の女性の痛みを和らげてきた。
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難民女性の「生理の貧困」を解決する「Looop Can」(イギリス)
およそ60%の難民女性たちが、食料や乳幼児のオムツなどの生活用品を買うため、自らの生理用品の購入をあきらめている──そんな難民女性たちの生理の問題を解決しようと開発されたのが、簡単に生理用品を洗濯できるキット「Looop Can」だ。オレンジ色の缶の中には、竹素材のナプキン、重曹、洗剤が入っており、これらと500ミリリットルの水があれば、簡単にナプキンを洗うことができる。およそ5年間、洗濯を繰り返しながら使い続けることが可能。また洗浄後の水は生分解されるため、環境を汚染することなく、どのような場所にも流すことができる。
不妊・妊よう制
次に紹介するカテゴリは、「不妊・妊よう性」だ。このカテゴリでは、体外受精や卵子凍結などの妊娠の可能性を高めるサービスや、女性が自分の妊よう性における健康状況を把握するのに役立つ製品やサービスなどが提供されている。以下がその一例だ。
オンラインの不妊治療コーチングを提供するLumirous(マレーシア)
マレーシア・クアラルンプールに本社を置くLUMIROUSは、自然妊娠が難しいカップルへ妊活コーチングを提供するサービスを中心に、妊活支援事業を推進。妊活準備から不妊治療までの様々な妊活フェーズを、カップル自身に適した情報提供や、精神的なサポートを通して”妊活の旅”をサポートする。
卵巣予備能検査のセルフキット「F check」(日本)
「F check」は、卵巣に残っている卵子の数の目安である卵巣予備能が何歳相当であるかを表す「卵巣年齢」を、自宅で簡単に測定できる日本初の検査キット。検査に必要な血液はわずか0.1ml以下で、専用の医療機器を用いて、指先から簡単に採血が可能。血液を検査センターに郵送後、約2週間程で自身のスマートフォンやPCから閲覧できるマイページ上で、検査結果を確認することができる。
妊娠・産後ケア
続いて紹介するカテゴリは「妊娠・産後ケア」だ。このカテゴリでは、赤ちゃんの心拍数をモニターできるウェアラブル製品や、妊娠中の母親に寄り添うサポートサービスなど、妊娠中および産後のケア製品が提供されている。以下がその一例である。
離れていても胎児の様子をモニタリングできる分娩監視装置iCTG
赤ちゃんの心拍とお母さんの陣痛を計測するセンサー。スマートデバイスと連動して、インターネット経由でデータを遠く離れた医師に送ることができる。「世界中のお母さんに安心・安全な出産を届ける」をコンセプトに周産期遠隔医療を推進する、メロディ・インターナショナルが提供している。
じょさんしONLINE
世界のどこにいても助産師に相談できるオンラインサービス「じょさんしONLINE」。ZOOMを使用したオンラインによる助産師への24時間相談や、オンラインセミナー、育児講座などのサービスを提供する。時差のある海外在住の方や夜間の相談にも対応できるよう、海外在住日本人助産師も所属しており、相談内容に応じ、行政サービスや病院への連携も図っている。
更年期・閉経
次に紹介するのが「更年期・閉経」のカテゴリだ。このカテゴリでは、女性の更年期に起きる気分の落ち込み、不眠、イライラといった症状を和らげたり、自身の身体の症状をモニタリングし、治療や管理に役立たりするための製品が提供されている。以下がその一例だ。
BECOME clothing(イギリス)
更年期用のタンクトップやキャミソール、ナイトウェアを手掛ける「BECOME clothing」。軽量化されたシルクのような素材は通気性に優れ、寝汗やホットフラッシュが起こった時にも涼しさと乾燥を保てることが臨床的に証明されている。
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Embr Wave2(アメリカ)
更年期のホットフラッシュなどの症状を緩和するため、手首につけて温度調節を行うウェアラブルデバイス。ニーズに合わせて冷感・温感の温度レベルを5~60分の時間軸でコントロールでき、身に着ける人が心地よく過ごせる温度調節を行うことができる。
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セクシャルウェルネス
次に紹介するのが、「セクシャルウェルネス」のカテゴリだ。このカテゴリでは、性行為において女性の安全性を保ったり、セクシャルウェルネス(性の健康)を得たりするための製品やサービスが提供されている。以下がその一例である。
性的暴行の証拠に「アーリーエビデンスキット」(アメリカ)
性的暴行の証拠を得るため、被害者がDNA採取を行うキット。性的暴行を受けた際にすぐに警察に行けない被害者が多いことから開発された。
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セクシャルマイノリティのためのアダルトグッズ
FTMとそのパートナーのためのセクシャルウェルネスブランドによるアダルトグッズ「nopole」。男性器を持たないカップルであれば誰でも使用可能で、挿入しなくても、服を着たままでも使える。「自分の体がコンプレックス」「挿入ができないのでどうしたらいいかわからない」などの悩みを抱えるFTM、レズビアン、FTXなど様々なセクシャリティーを持つプロジェクトメンバー50名によって開発された。
性に悩む当事者50人が考えた💡
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女性の健康全般
最後に、女性の心身の健康問題全般をサポートする製品やサービスをご紹介する。
オンライン診療サービス「mederi」
PC、スマートフォン、タブレット端末を通じ、ビデオチャットもしくは電話にて医師の診察が受けられるサービス。オンライン診療ののち、自宅にピルが届く。
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ピルの飲み忘れをなくすスマートピルケース「Aavia」(アメリカ)
低用量ピル用のスマートケース。ケース内のセンサーと携帯アプリが連動し何時にピルを飲んだかを正確に記録。飲み忘れもリマインド通知してくれる。
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健康状態をチェックできる、スマートナプキン「Truelli」(アメリカ)
吸収した経血やおりものの状態から、ビタミン欠乏症、不妊、性感染症等、様々な健康状態をチェックすることができる世界初の生理用ナプキン。量が一番多い日に装着し、使用後にナプキン裏側のバーコードを読み取ると、アプリを通じて自身の健康状態についての情報を得ることができる。
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痛くない乳がん検診 ドゥイブス・サーチ
乳房を圧迫せず着衣のまま検査可能な乳がん検診。被ばくがなく、注射も不要。短時間(15分)で終わり、病院に1時間寄るだけでOK。
まだまだ伸びていくフェムテック市場
日本では、2021年にジーユーやユニクロ、ピーチ・ジョン、スリーコインズなど大手企業が相次いで吸水ショーツをリリースし、話題を集めた。また、コロナ禍において「生理の貧困」問題が浮き彫りになったことも、フェムテック・フェムケア分野へのさらなる注目を後押しする一因となった。様々なライフステージにおける女性の悩みを解決するのはもちろん、社会課題を解決へ導くうえでもフェムテックの力に期待が集まっている。引き続き、今後の動向に注目だ。
※1 フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2021年)
※2 Femtech Digital Revolution in Women’s Health (Frost and Sullivan)
【参照サイト】東南アジアFemtech(フェムテック)マーケットマップ
【参照サイト】Femtech Fes!2021
【関連ページ】フェムテックとは・意味