コーヒーバッグごと「飲む」時代が来るか。プラ包装の代わりになる“海藻”包装、開発中

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ティーバッグの多くは紙製だが、一部のブランドではプラスチック製のティーバッグを使っていることがある。カナダのマギル大学は、2019年、プラスチック製のティーバッグを95度のお湯に入れると、1袋あたり約116億個のマイクロプラスチックと約31億個のナノプラスチックを放出するとの研究結果を明らかにした。(※1)

同大学は、こういったプラスチックの人体への影響は不明としているが、小さなごみでも自然環境に思わぬ負担を与えることがある。「本当にこの素材で包装する必要があるのか」など、普段の暮らしの中で疑問を持つことが大切だ。

ロンドンのサステナブルな包装資材メーカー「Notpla」は、使い捨てプラスチックからの脱却を目指し、海藻でできたお湯に溶けるコーヒーバッグを開発した。カップに入れたコーヒーと一緒にコーヒーバッグを飲めるため、包装のごみが発生しないのが特徴だ。

コーヒーバッグ

Image via Notpla

このコーヒーバッグには、「Notpla Films」という海藻や鉱物の抽出物などでできたフィルムが使われている。水に溶けるフィルムもあるため、液体ハンドソープを入れるなど様々な使い道が考えられる。フィルムには甘味や辛味などの味をつけることが可能なため、即席麺の包装にも使えるかもしれない。

コーヒーバッグ

Image via Notpla

使い捨てプラスチック包装と同じ役割を果たすだけでなく、ちょっとした驚きや感動、楽しさをもたらす包装を開発したいというのが、Notplaの想いだ。たとえば、海藻でできた包装材に洗剤を塗布し、服を入れて販売する。すると服を買った人は、最初に洗濯するとき、包装ごと洗濯機に入れられるという珍しい体験ができる。ワクワク感を演出したい、大切な人へのプレゼントにも良さそうだ。

Notplaは2014年に設立され、以降多くのサステナブルな包装材を開発してきた。2021年12月にはベンチャーキャピタルから1,000万ポンド(約15億円)を調達したと発表し、包装材の生産拡大に弾みをつけようとしている。同社の今後の動向が楽しみだ。

※1 Some plastic with your tea? | Newsroom – McGill University
【参照サイト】 We make packaging disappear – Notpla
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Edited by Erika Tomiyama

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