世界初のサーキュラー・デパートがオランダに誕生

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さまざまなファッションブランドが揃うデパート。便利さはあるものの、地域や環境へのサステナビリティに配慮されたブランドを選ぼうと思うと、なかなか揃っていないことがほとんど。結局、個々のブランドの取り組みを調べて店に行っている方も多いのではないだろうか。

そんな悩みを一挙に解決する、世界初サーキュラー・デパート「TOMO」 が2022年9月にオランダ・ユトレヒトにオープンする。「人と地球を愛する、すべての人のサステナブルショッピングを当たり前にすること」をミッションとするTOMO。一体、どんなデパートなのだろうか。

取り扱う商品はファッションから家具、化粧品などのライフスタイル商品まで幅広い。ハイエンドなヴィンテージ商品や、洋服のレンタル、サブスクリプションサービスも取り揃える。また修理ワークショップが開催されたり、サーキュラーレストランも併設されたりするという。

 

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商品は環境やアニマルウェルフェアなどに配慮するだけではなく、できる限り、サーキュラリティー(循環性)を確保したものを取り扱う。たとえば、家具や建物には、何度でも交換可能で長く使える素材を使用したり、リサイクル素材からつくられた商品を優先して取り扱ったりするという。

さらには、購入者に対し、できるかぎり商品を長持ちさせるための方法を紹介し、使用後の商品のリサイクルまで受け付ける。サステナブルでサーキュラーなライフスタイルを購入から使用時、そして手放す時まですべてサポートする、というわけだ。

創設者のマージャン・ハーセホフさん自身、美しいファッションやライフスタイルが好きなものの、サステナブルな商品を見つけるのに苦労したことから今回のデパート創設を思いついたという。TOMOのウェブサイトやSNSをみても、サステナビリティを追いつつも、高いファッション性もあきらめない、ワクワクするような商品があふれている。これは、ひとえにハーセホフさんの美しいものへの情熱にあるようだ。

デパートの名前であるTOMOは、ブランドメッセージである、“Forever taking care of TOMOrrow(永遠に明日を大切にし続ける)”からきている。また、日本語の「友」も意識されており、地球、そして商品の製造にかかわる人も「友」として配慮していきたい、としている。

TOMOは、ユトレヒト循環イノベーショントップ20​​のオーディエンス賞を受賞するなどオープン前からすでに高い期待を集めている(※1)。循環やサステナビリティをコンセプトにしたデパートの誕生が、今後どうマーケットや消費者に変革を起こしていくのか。世界が注目する取り組みになりそうだ。

TOMO | Tomorrow’s first circular department store from TOMO on Vimeo.

※1 Greencycl en TOMO winnen eerste editie van de Utrechtse Circulaire Innovatie Top 20

【参照サイト】TOMO
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