スタートアップの製品だけが並ぶストア、ベルリンに登場

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ドイツの首都でありスタートアップの聖地ベルリンで、2018年3月17日(土)にユニークなストアがオープンした。ドイツ語で「テストのためのお店」を意味する「KaDeTe(Kaufhaus des Testens)」だ。ベルリンで100年以上の歴史を持つ老舗デパート”KaDeWe”を彷彿とさせるネーミングである。

KaDeTeでは、スタートアップ企業が製造・開発する商品だけを販売する。訪れる客は、市場にまだ出回っていない新製品をいち早く試し、フィードバックし、気に入れば購入することができるのだ。取り扱う商品は、食品や化粧品、雑貨など多岐にわたるが、エシカルや社会貢献をテーマとしたものが多くみられる。

たとえば、モロッコやパレスチナの農家を支援する「We Traid」のフェアトレードオイルやスパイスだ。経済的に、そして社会的に格差がある地域に雇用機会を生み出すと同時に、ベーシックインカム確保にも取り組んでいる。

ベルリンでスタートアップの商品のみを揃える

Image via KaDeTe

スタートアップ企業からすれば、自分たちの製品をより多くの顧客に向けて販売できるメリットがある。開店に向けて、200を超える企業が出品の申請をしたそうだ。しかし、ただ広い層に向けて販売することだけがKaDeTeの醍醐味なのではない。ここは、あくまで市場調査のための実店舗型マーケットプレイスなのだ。

KaDeTe創立者のオーラ・クノックナー(Ola Klöckner)氏とフランジスカ・シェッター(Franziska Schetter)氏はこう述べる。「新商品を扱うストアを設立するだけではなく、スタートアップ企業が市場調査をして商品の改善に向けた投資をしたり、交渉方法を学んで信頼度を高める機会の提供をしたい。そんなアイデアをすぐに思いつきました。」

2人は、日本の抹茶を使ったオーガニックのエナジードリンク「Matcha You」を販売している。小さなスタートアップとして苦労した自身の経験から、始めたばかりの事業を支援できるような存在の大切さを痛感し、KaDeTeを作り出すきっかけとなったのだ。

KaDeTeでは、ほかにも出品したスタートアップ同士の連携や、顧客、バイヤー、製造者の3者の流通チャネルの開拓などが期待できるだろう。

ベルリンで次々と芽吹くアイデアを選別し、エシカルな商品を多く取り扱うKaDeTeは、大型ショッピングモール「Wilmersdorfer Arcaden」内にオープン予定だ。ベルリンを訪れることがあれば、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろうか。

【参照サイト】KaDeTe
【参照サイト】We Traid
(画像:Berliner Zeitungより引用)

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