All posts by 伊藤智子
「暮らす」を大事に生きてゆく。未来につながる復興のカタチ【能登半島レポート・後編】
能登半島で復興のために立ち上がった人々。話を訊いた3人に共通していたのが「暮らし」という言葉でした。これからの能登の、そして日本の未来につながる「新たな復興のカタチ」がそこにはありました。
失われた「能登の日常」を取り戻すために。 支援が遠のく現状と、人が繋ぐやさしさの循環【能登半島レポート・前編】
2024年元旦に発生した能登半島地震。現地は今、どのような状況なのでしょうか。7月末、実際に能登半島を訪れた筆者が、リアルな現状やそこで生まれている取り組みをお届けします。
“綺麗なごみ”より、”満たされるモノ”づくりを。エチオピアのレザーブランド『andu amet』が目指すラグジュアリー
心が満たされて、豊かな気持ちになるものづくりを行うレザーブランド・andu amet。エチオピアを拠点に活動を続けてきた鮫島さんが、ブランドを通してどうしても伝えたかった想いとは?
今こそ私たちが、利他的に生きるとき。生物学者・福岡伸一先生が「いのちとは何か」を問い続ける理由
「いのちをつなぐ学校」で、生物学者である福岡伸一先生は、「生命とは何か?」という問いに対して、「生命は流れであり、動的平衡なもの」と話しました。そこに垣間見える生命の「利他性」。それこそが、環境破壊や紛争など、さまざまな危機に直面する私たちにとって、立ち返るべき生き方なのではないか──福岡先生はそう話しました。
耕作放棄地が、みんなの“ちょうどいい場所”に。千葉・鴨川で「心を育てる」公園づくりに挑む
目の前に広がる広大な土地。かつては黄金色の稲穂が踊り、野菜が所狭しと実っていたであろうそこ
発酵が教えてくれた、「目に見えないもの」を大事にする力
2023年2月、イタリア、フィンランド、スペイン、タイから、食文化の研究者、ジャーナリスト、世界トップクラスの料理人など、計12人の食や農の専門家たちが日本にやってきました。ほとんどが初めて日本を訪れるという彼らの訪問の目的は、日本各地の「発酵の現場」を回ることでした。
発酵食品は、健康に良いのはもちろん、その持続可能な生産工程はサステナビリティの側面からも魅力的なものです。ただ、今回のツアーを通して発酵食品が教えてくれたのは、「目に見えないもの」の大切さでした。たとえば、発酵食品は、作り手の技術だけでなく、微生物、土地の風土、環境、素材……そのすべてが重なり合って完成するもの。イタリアで地域の素材を使って味噌や醤油をつくる発酵食品のプロフェッショナルのカルロさんは、発酵は「魔法だ」と言いました。
そんな発酵に欠かせない微生物の存在は、私たちが生きる土地の健康を守るために大切な存在であり、土地の健康こそが、私たちが生きる世界をよくするために必要なもの。カルロさんはそんな言葉を伝えてくれました。そして、その土地の健康を守るために、化学薬品を使った大規模な農業ではなく、小さな農業や家庭での食事などが大事だと言いました。
最後に、こんな言葉を残してくれました。
「日本は島国です。世界中の島には、それぞれ生態系がありますが、その境界はどこでしょう?微生物の境界はどこでしょうか?たとえば、日本の生態系は、中国や韓国、他の国の生態系ともつながっています。私たちは、海や土地が誰かのものだと思っていますが、世界はすべてつながっています。宇宙はすべて一つの生態系。私たちが勝手に境界線を引いているだけで、本当は、ばらばらではなくかかわりあっています。料理も同じ。イタリア料理、フランス料理……全て同じ宇宙のなかにある材料を使っています」
効率や論理、目に見えるものが重視される社会では、つながりや微生物などの「目に見えないもの」はしばしば見逃されてしまいます。だけど、そんな目に映らない存在を大事にしながら生きることができたら、そこにはきっと、もっとやさしくて明るい世界が広がっているはず。そう思うのです。
“旅するごみ箱”で海洋プラ問題をたのしく解決。「NOTO海ごみPARK」開催レポート
石川県能登町で開催されたイベント「NOTO海ごみPARK」。若者や地域の人たちによって“たのしく”海ごみ問題を解決するアイデアがたくさん生み出されたイベント当日の様子をレポートします!
“感性”を研ぎ澄まし、循環をつくろう。ごみの現場で考える、サーキュラーな世界へのヒント
埼玉県にある体験型のサステナブルフィールド・三富今昔村で「サーキュラー・サミット」が開催されました。美しい自然と廃棄物を“体感”できるこの地で、循環のしくをつくっていくためのヒントを探りました。
「外部化」された場所に刻まれた、循環する未来へのメッセージー瀬戸内ツアーレポート
ゆらりゆらりと揺れ動く穏やかな海。いつまでもぼーっと眺めていられるようなゆったりとしたその
広葉樹をまちづくりと建築に。多様性を愛する「ヒダクマ」の循環デザイン
秋には真っ赤に染まった見事な紅葉が見られる岐阜県飛騨市。ここ飛騨の森は、天然の木々が生息す
今日より「ちょっと良い」明日へ。デザインの力で循環型社会を目指す、ロフトワーク
デザインとクリエイティビティを軸に活動するロフトワーク。循環型社会を目指すために彼らが立ち上げたのは「サーキュラー・アワード」でした。「ワクワクした明日をつくっていきたい」そんな皆さんの想いを詳しく伺ってきました。
ウクライナの伝統衣装とテーブルウェアが問いかける「HOME」の意味
ウクライナとオランダの技術を掛け合わせてつくられた作品。これらを通して伝えたかったのは、“HOME”について。故郷を追われた人にとって大きな意味を持つこの言葉について、あなたは何を想いますか……?
政治から社会運動、宗教まで。タブーのない空間で「もやもや」話せる広島のカフェ
広島にあるカフェ「ハチドリ舎」。ここは、来た人が話したいことを何でも話せる「タブーのないカフェ」です。この場所をつくった安彦さんは、どのような人生を歩み、どのような想いでお店を立ち上げたのでしょうか……?
次世代のリーダーが声を持てるように。COP27、史上初の「若者のための議席」を用意
11月上旬に始まるCOP27。今回初めて、子どものための議席が用意されました。気候変動の影響をもろに受ける「未来の世代」が参加する会議に注目です。
「ごみ」からできたメニューを提供する、サンフランシスコのレストラン
美味しいピザとナチュラルワインが楽しめるレストラン。実は全メニューに廃棄予定の食材が使われています。捨てられそうな食べ物を美味しく、楽しく食べられて明るい気分になれるレストランです。
広島から「平和の循環」を。子供たちが“平和”を定義する体験学習
「どうしたら、平和な世界をつくれると思いますか?」この大きな問いの答えを探るべく、広島であるツアーに参加しました。77年前、復讐ではなく「愛と許し」を選んだ広島の地で感じた、平和への「希望のかけら」をお伝えします。