クローゼットが預金口座に早変わり。30秒で服を売れる英国発アプリ「Twig」

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今、フリマアプリでファッションを楽しんでいる人は多いだろう。それは日本も海外も同じで、ミレニアルやZ世代では、今欲しいものが使用後にいくらで売れるか調べてから買い物をすることもめずらしくない。ECサイトeBayの調査によると、Z世代の80%が中古品を購入しており、3人に1人が昨年古着販売を開始したという。同社は、今後も中古市場は拡大していくとしている(※1)

そんな人気のフリマアプリだが、自宅のクローゼットをまるごと銀行口座に変えてしまうサービスがある。ロンドンに拠点を置く「Twig」だ。

Twigの強みは、なんといっても取引に要する時間の短さである。ユーザーが売りたいアイテムをTwigに登録すると、わずか30秒程度で買い取りオファーが提示される。その価格に納得すれば即座に取引完了だ。一般的なフリマアプリでは買い手が決まるまで数日から1週間以上かかるが、Twigは、40以上の中古品販売業者とのネットワークと機械学習を用いたアルゴリズムにより、待ち時間ほぼゼロを実現した。

Twig

Image via Twig

これだけでも十分これまでにはないフリマアプリであるといえるが、驚くのはまだ早い。なんと他のショッピングサイトの決済手段としてTwigを利用できるのだ。Twigを支払い手段に選んだユーザーは、登録しておいた洋服やバックをその場で売って、その代金をショッピングの支払い代金に充てることができる。つまり、Twigを使えば私たちのクローゼットが銀行の預金口座に早変わりという訳だ。

英国の高級紙Timesによると、英国人が1年間に廃棄して埋め立て処分となった衣類は約30万トン、金額にすると約125億ポンドに上るという(2018年)(※2)。Twigの創業者Geri Cupi氏は、フリマアプリやリサイクルショップに持ち込んで売る「面倒臭さ」をなくせば、こうして捨てられる衣類を減らせると考えた。Twigを使うことで、もう着なくなった服で新しい服を買うことができる。これこそが究極のサーキュラーエコノミーだ。

3Rとは、環境負荷軽減の手段であるReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称である。小売店のレジ袋有料化や、ペットボトルなどの水平リサイクルが注目を集めるリデュースやリサイクルと同様に、リユースは環境負荷軽減の有効な手段だ。Twigのように待ち時間わずか30秒で簡単に洋服を売却できて、さらには決済手段として使えるとなれば、リユースが拡大する可能性は大いにある。

現時点でTwigのサービス提供エリアは英国内にとどまっているが、これが欧州さらには全世界に広がっていけば、サステナブルな社会の実現のための大きな一歩となるに違いない。今後の動向に注目だ。

※1 eBay-Recommerce Report
※2 Clothes worth £12.5bn are thrown in bin
【関連記事】サーキュラーエコノミー(循環経済/循環型経済)とは
【参照サイト】Twigホームページ
【参照サイト】London Start-up Twig Marries Fintech With Secondhand Fashion 

Edited by Erika Tomiyama

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