毎月の生理用品を十分に入手できないほど、経済的に困窮している状態を指す「生理の貧困」。厚生労働省が2022年2月に発表した調査結果によると、新型コロナ発生後に生理用品の購入に苦労したことがあるのは、回答者のうち8.1パーセントで、30代未満の女性であることがわかった。
時には食べ物の入手さえ難しい状態にある女性たちにとって、毎月の生理用品を手に入れることは容易ではない。そのため、一つのナプキンやタンポンを長時間使ったり、トイレットペーパーや新聞紙、靴の中敷などで代用したりと、衛生上問題のある対応を余儀なくされることがある。
困っている人たちに対し、私たちは何ができるだろうか。今回は、NYで行われたクリエイティブな取り組みをご紹介する。それが、「貼るだけで勝手に生理ナプキンが集まって来てしまう」ポスターだ。
このポスターの画期的な点は、生理ナプキンを入れることができるポケットがついていること。街や地下鉄などのトイレに貼られることで、それを見かけた女性たちが自分の持っているナプキンを寄付し、別の困っている女性を助ける仕組みである。
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自分自身に余裕があるときであれば、持ち歩いている生理用品を1つか2つ入れることは容易い。それゆえ、受け取る側の女性も気兼ねなく善意を受け取ることができる。また、活動に賛同した人がオープンデータのポスターを自主的に印刷し貼っていくことで、運営団体側はほとんどコストをかけずに支援の輪を広げていくことができる。まさに、気軽で画期的な仕組みだと言えるだろう。
生理用品は、食費や家賃などと比べると、収入が少ないなかではお金を割り当てる優先度が上がりにくい。一方で、生理の貧困に関する認知が広がったのはここ数年のことで、食料品などの支援と比べると、生理用品の支援を行う団体数には限りがある。
もちろん女性同士の共助だけでは解決しないので、不公平な貧困に対し、社会構造を変えるために声をあげることは大切だ。しかし今回の事例のように市民レベルで身近なできることを共有することは、誰にでもできる社会貢献と言えるだろう。生理の貧困に関する認知と対応策が、より大きく広がっていくことを願う。
【参照サイト】Peri Gives 公式インスタグラム
Edited by Kimika