鉄道会社が目指す「ウェルビーイングなまちづくり」とは?

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Sponsored by 東日本旅客鉄道株式会社&株式会社ロフトワーク

世界的なコロナの感染拡大も3年目に突入。感染防止のための行動制限によって、働き方や暮らし方を見直す人が増えるなど、私たちの価値観は大きく変わった。

そのような転換点にある今、注目されているキーワードの1つが「ウェルビーイング(Well-being)」である。もともとは社会福祉や医療などの分野で使われていた言葉で、最近では「ウェルビーイング経営」など、ビジネスの世界でも語られるようになってきている。ウェルビーイングを掲げた取り組みは、世界中で増えている。

そんな中、日本においてオープンイノベーションで「ウェルビーイング」を目指そうとしているのが、鉄道会社であるJR東日本だ。同社は、2017年に「モビリティ変革コンソーシアム」を立ち上げ、多くの組織を巻き込みながら、さまざまな技術を用いてウェルビーイングなまちづくりに取り組んでいる。立ち上げから5年が経つ今、同コンソーシアムは「ウェルビーイング」​​の概念を中心に据えたものへと生まれ変わるという。

私たちの移動にとって欠かせない「モビリティ」と人々の「ウェルビーイング」。それらは、一体どのように交わるのか。その関係性、そしてウェルビーイングを実現するヒントを探るべく、アカデミックと企業の異なる2つの立場から、ウェルビーイングについて考える機会を得た。

今回IDEAS FOR GOOD編集部は、人間の幸福感と文化の関係について研究してきた京都大学 人と社会の未来研究院教授・内田由紀子先生、東日本旅客鉄道株式会社 技術イノベーション戦略本部デジタルビジネスユニットマネージャー・入江洋さんに対談取材を実施。アカデミックな視点から捉えたウェルビーイングから、モビリティ変革コンソーシアムが立ち上がった経緯や目指す未来まで、お話を伺った。

話者プロフィール:内田由紀子(うちだ・ゆきこ)

内田先生の写真京都大学 人と社会の未来研究院教授。博士(人間・環境学)。ミシガン大学、スタンフォード大学客員研究員等を経て、2008年より京都大学こころの未来研究センター助教、11年より准教授、19年より教授。現在、中央教育審議会の委員等を務める。近著に「これからの幸福について:文化的幸福観のすすめ」(新曜社)

話者プロフィール:入江洋(いりえ・ひろし)

JR東日本入江さん東日本旅客鉄道株式会社 技術イノベーション戦略本部 デジタルビジネスユニット/モビリティ変革コンソーシアム事務局長。博士(経営学)。著書「民営化企業の経営戦略と組織変革」(交通新聞社)、「WaaS(Well-being as a Service)モビリティ変革コンソーシアムによるスマートシティへの挑戦」(LIGARE)、『新世代オープンイノベーション JR東日本の挑戦 生活者起点で「駅・まち・社会」を創る』(日経BP)

コロナで加速 ウェルビーイングなまちづくり

──「モビリティ変革コンソーシアム」は、ウェルビーイングが実現された「ひと、社会、地球を“やさしさ”で包み込むまち」、Inclusive CITY(インクルーシブ シティ)の実現をめざしています。なぜ、鉄道会社であるJR東日本がウェルビーイングを中心に据えた取り組みを始めたのでしょうか。

入江さんの写真

入江さんの写真

入江さん:もともとウェルビーイングという言葉が先にあったわけではなく、会員さんと議論する中で、オープンイノベーションでウェルビーイングなまちをつくろうというところからスタートしました。そうして取り組んでいるなかで「どのような“まち”をめざすのか」という議論が出てきたのですが、その頃ちょうど新型コロナの蔓延が始まったのです。

コロナ禍で多くの人が移動することを控え、移動することが「悪」とされる風潮さえありました。リモート会議が増え、仕事も家でするようになるなど、社会環境が大きく変わるなかで、コンソーシアムでは「人々はどんな幸せを求めているんだろう?」という議論になりました。そこで出てきた言葉が「ウェルビーイング」でした。2020年当時、日本にウェルビーイングという言葉は今ほど普及しておらず、適切な日本語訳もなかったので、「どう定義しようか?」というところから議論したのを覚えています。

JR東日本は鉄道会社なので、お客様に乗っていただかないと事業が成り立ちません。しかし、長期的にみると、将来的に人口減少がやってくるのはほぼ確実。であれば、30年後に備えて今から人々に鉄道を利用し続けてもらえる方法を考えていこう、そう考えていた矢先に新型コロナが流行し始めました。つまり、新型コロナによって突然、30年後に予想していた状況が訪れたのです。お客様が減り、企業としても赤字になり、大変な状況が続き、いつ元に戻るかわかりませんでした。

そのように、いずれ取り組むべき未来の課題を先取りする形で、私たちはウェルビーイングなまちづくりに挑戦することになったのです。

日本のウェルビーイングの特徴

──内田先生は、「ウェルビーイング」の国際比較を専門に研究されていますが、日本と欧米におけるウェルビーイングの捉え方の違いについて教えていただけますか。

内田先生の写真

内田先生の写真

内田さん:欧米でウェルビーイングというと、「個別最適化」を意味します。良く生きるためにはどうすればいいか、自分の人生の目標を見つけましょう、みたいなのがとても多い印象を受けます。一方で、日本のウェルビーイングの特徴の1つは協調性です。社会の中で何が求められているのか、良い人生とは何なのか……日本では、自分の中だけでなく、社会の中でウェルビーイングについて考える機会が多く、そうした状況下で価値観がつくられていっているように思います。

ですので、ウェルビーイングの考え方は、国や地域の文化などによって異なります。例えば、車社会の米国では、車の利用を前提にまちがつくられている印象がありますが、国土が狭い日本では、車と鉄道が併存しています。このような移動方法の違いや、家族とのつながりの形態、引越しの回数など、社会や環境の背景によって、人の心理や行動、さらにはウェルビーイングに大きく影響するのです。

つまり、自分を起点に幸せを考えることが多い欧米とは違い、社会の中で自分の幸せを考えるのが、日本のウェルビーイングの特徴の1つと言えると思います。

場づくりとウェルビーイングの可能性

──昨今は、国も含め、さまざまな組織がウェルビーイングに取り組み始めています。内田先生は、JR東日本のような鉄道会社がウェルビーイングに取り組む意義はどのようなところにあると思いますか。

内田さん:ウェルビーイング実現のポイントの1つが、場をどうつくるかです。今ウェルビーイングの視点から、コミュニティや会社をどうつくっていくかを研究しています。なかでも、まちにおけるウェルビーイングは面白く、協調性を重視する日本人が取り組む意義は大きいと感じています。

共同研究をしている東京大学でデジタルテクノロジーをもちいた建築・都市計画・まちづくりを専門にされている吉村有司​​先生によると、「空間を人々がどう楽しむか」や「まちの美しさ」は、これまではつくり手としての建築家が判断してきたそうです。つまり、一般の人にとって美しいまち、楽しいまちがどのようなまちなのかについては、データを用いてエビデンスベースで調査がされてきた訳ではないというのです。でも、これからは心理学や建築学など、異分野同士がコラボレーションすることで、より良いまちづくりへのヒントを解明できるのではないかと考えています。

バルセロナの写真

バルセロナのスーパーブロック(大規模な歩行者空間化)の様子/ 写真提供:吉村有司

バルセロナの写真

歩行者空間化によって甦ったグラシア地区(バルセロナ)。スーパーブロックの実証実験的な位置付け/ 写真提供:吉村有司

なかでも、駅はとても面白いと感じています。目的地までの通過点でありながら、人が集まり、とどまって色々なことができる空間でもあります。最近は駅の機能も充実していて、スーパーや託児所、病院がある駅もあります。ウェルビーイングという視点を通して、人とのコミュニケーションや交流を促進していけるかもしれないという展開にわくわくしますね。

ウェルビーイング実現の鍵となるKPI

──コンソーシアムでは具体的にどのようなビジョンを描いているのでしょうか。

入江さん:鉄道会社としては、都市部、郊外、地方とすべてつながっています。なので、そこに集まってくる関係人口、定住人口、かかわる人それぞれのウェルビーイングを実現していきたいと考えています。

ただ、そうしたビジョンを実現するうえで難しいのが、KPIです。企業活動の場合、基準があって、それが測れないと評価ができないというジレンマがあります。過去と現在を比べた時に、何が上がって何が下がったのか。それを測ることができるKPIをつくれるかどうかが、重要なポイントになると思っています。

内田さん:そうですね。測り方は難しいですが、方法はあります。シンプルですが、まずは人の主観を聞くこと。駅の体験がどういうものであったかを聞くことが、1番の起点ではないかと思います。例えば、ある部屋のなかで、廊下の方には人が集まるけれど、窓辺には人が集まらないという状況がある時、そこにいる人たちに、空間に対する満足度などを聞くことで、空間におけるウェルビーイングを測定することができます。

駅中や街中で人の流れをどのようにつくれば、快適で楽しい空間をつくれるか。人の動きと主観と紐付けて、企業や自治体などに使っていただけるような指標やデータセットを提供できるように、私たちアカデミックの立場からも研究を進め、早くパッケージにしていきたいと考えています。

──欧米でKPIを用いてまちのウェルビーイングに取り組んでいる例はありますか。

内田さん:先程例に挙げた東京大学の吉村先生が、スペインの全ての都市を対象に歩行者空間化による経済効果を測定した研究を発表されています。オープンストリートマップから歩行者空間になった街路を時系列データとして抽出して、小売店・飲食店の位置情報や売上データと共に解析した結果、歩行者空間をつくったことによって売上があがることがわかったのです。こうした消費行動に加えて、今後は「楽しかったかどうか」など、主観的な感覚を人々に尋ねることで、より正確に幸福度を測ることができるのではないかと思っています。

──データ化することによって色々と見えてくるものがありそうですね。

内田さん:本当にそうなんです。まちは、利便性と機能に基づいてつくられてきたところが多いのですが、人口減少が進んで、まちが有する機能が低下すれば、ますます人は来なくなってしまいます。ですので、これからは従来とは異なる新しい価値をつくっていくことが大事だと思いますね。

入江さん:人口減少は避けて通れないとしても、私たち企業にとっては、1週間に1回か2回でも、普段以上に動いていただいて自分たちのサービスを使ってもらえれば嬉しい。だからこそ、皆さんが動き出したくなるような仕掛けをつくっていきたいと思っているところです。

データと技術でつくるウェルビーイング

──コンソーシアムでは、すでにデータや技術を活用したさまざまな取り組みをされているかと思いますが、その事例をご紹介いただけますか。

入江さん:東京大学で渋滞学を研究している西成活裕教授と一緒に、日本一乗降客数の多い駅である新宿駅で、人の流れを測定しています。何をすれば何がどのように変わるのか、リスクシミュレーションを行っています。また、いくつかの駅では、AIによる非接触案内の導入が始まっています。

実際に導入してみてわかったことは、お客様がロボットに対して聞きやすいことと、人に対して聞きやすいことが違うということです。例えば、利用者の方々は、AIロボットに対して「駅中でおすすめのレストラン」を聞くことはあっても、トイレの場所はあまり聞きません。トイレの場所をきいたときに、「トイレですね」とロボットに復唱されるのは嫌だと感じるというご意見もありました。ロボットに対しては、人に話しかけるよりも配慮がいらないものの、それだけではなく、AIの声が出るか出ないかも大きなポイントになっていたようです。

駅でのAI案内の写真

駅でのAI案内の様子

そういうことから、人の場合、内容によって自然と声を小さくするなど、無意識にやっていたことが重要だったとわかりました。人間の感情、心理面での影響をみながらうまくつなげていくことで、駅はより動きやすく、より居心地の良い空間になるのではないかと思っています。

また、別の試みとして、2022年12月から、東日本大震災の際に津波で線路が流されたところに専用道をつくり、自動運転のバスを走らせています。地方では人口減少が顕著で、将来ドライバーが不足すること予想されるので、自動運転によって地域の方々の足を守りながら、利便性を高めようと取り組んでいます。これも、ウェルビーイングを目指した取り組みのひとつです。

自動運転バス

2019年より気仙沼線柳津駅から陸前横山駅間にて走行

──地元の方の反応はいかがですか。

入江さん:人の運転より丁寧だね、と言われるほど高い精度で動いています。また、小回りが利くことから、バス停を増やすことができるのも利点ですね。地方に行くと高齢者が多いところがあるため、病院へ行くニーズは高く、大きな病院の前にバス停をつくれば地元の方にとっては便利になります。

また、明治時代以降、まちの中心部から離れたところに線路が敷かれたことで、もともとのまちの中心部と駅が数キロ離れているようなところが結構あります。この間の二次交通を何とかできないか、今実証実験しているところです。こうした取り組みは、全国共通の課題だと感じていますし、1企業だけでは出来ないことも多いので、さまざまな人たちと協力して進めていけたら良いですね。

ウェルビーイングが内包する2つの要素

──技術を活用しながら地域のウェルビーイングが向上していく好事例になりそうですね。内田さんと入江さんは、ウェルビーイングという言葉自体についてはどのような可能性を感じているでしょうか。

内田さん:ウェルビーイングは、単に「便利」や「健康」「わくわく」「幸せ」を意味する言葉ではありません。これらすべてをひっくるめて、さらに「共生」や「持続性」の意味を持つ言葉で、多様な人たちが身近に感じることができることから、人と人がつながりやすい言葉だと思っています。

明確な定義がなく、さまざまな意味を包括した上位概念だからこそ、つながりや協働を生み出しているのがウェルビーイングの良いところだと感じています。

入江さん:コンソーシアムの議論のなかでは、ウェルビーイングには2つの要素があるのではないか、という話になりました。個人にとっての幸せが1つ。もう1つは社会、集団としての幸せです。このまちは安全で良いとか、ここに行くとコミュニティがあるとか、交通が便利とか。こうした言葉は日本語にはあまりないので扱いが難しいですが、個人と社会、この2つの要素を切り分けて考える必要があると、私たちは思っています。

内田さん:そうですよね。これまでウェルビーイングは、個人の「ハピネス(Happiness)」で語られることが多かったのですが、その場合、個別最適化の話になってしまうんです。しかし、より広い「場の状態」が保たれていないと、個人も幸せになれないし、持続しません。その両方を同時に考えることが、すごく重要だと感じています。

入江さん:先生のおっしゃった「場の状態」にとても共感します。ここが抜けてしまうと、結局これまでと同じ、個人の幸せを追求するという意味のウェルビーイングに終始してしまいますよね。

内田さん:「場の状態」を良くする技術は、現状まだまだ少ないですし、情報や技術革新の話は、どうしても個別最適化の話に向かいやすいです。例えば、これまでは1つのテレビを家族みんなで観ていたと思いますが、スマートフォンの普及によって、それぞれのデバイスで自分の好きな番組を観られるようになりました。それによって、個人の満足度は満たされ、ものは売れるようになりましたが、「良い場の状態とは何か」という議論はされてこなかったように感じています。

だからこそ、個人を超えた「まち」という「場の状態」のウェルビーイングを考える取り組みが出てきたこと、それに企業が取り組むことはとても重要だと思いますし、個人だけでなく、場のウェルビーイングを考える機運が広まっていけば良いなと思います。私自身は現在こうした場のウェルビーイングを測定するプロジェクトに取り組んでいます。

──今後、技術を活用しながらも「場の状態」を常に意識することが大切ということですね。

内田さん:最終的には広がって交差すると思います。「場の状態」をよくすることは、日本が得意とするところ。この強みを活かせれば、国際的にも展開できるものになっていくと感じています。

内田先生、入江さんの対談写真

インタビューの様子

「みんなで選び、創り、育むWell-beingな社会」へ

────コンソーシアムのキャッチコピーには、「みんなで選び、創り、育むWell-beingな社会」とあります。活動に地元の方が参画する例もあるのでしょうか。

入江さん:今までは、例えば一度実証実験を行ったらそれで終わり、というケースもあったのですが、最近では地元の人も一緒に動きながら、継続できる仕組みをつくろうという動きに変わってきています。これまでは、公共セクターにすべて任せていたことも、行政だけではすべてを解決できないことに気付き始め、地元の人々や企業も動き始めたのかもしれません。新しいものが出てきたというよりは、既存のプレーヤーがつながるようになってきていて、企業、パブリックセクター、アカデミアなど、これまでとは異なるアクター同士の協働も見られるようになっています。

例えば、栃木県さくら市の喜連川(きつれがわ)では、道の駅の管理者、行政、地元を盛り上げようという人たち、そして弊社の4者で、まちの中心部と駅をつなぐ二次交通の活用促進に関する実証実験を実施しました。こうした協働が増えてくると、今までになかった新たなウェルビーイングの形がつくりだせると思います。

さくら市での取り組みの写真

さくら市での取り組みの写真

入江さん:ただ、継続的に行うためにはエネルギーと原資が必要になってくるので、パブリックセクターと企業、集まってきた地元の人たちが、最低限採算が採れるモデルをつくっていかないといけないですね。そうしないと、1回きりで終わってしまいます。採算が採れるモデルができれば、同じような状況を抱えた地域に水平展開できるので、そのためにもKPIのようなみんなが納得する指標と話せる土台が必要だと思います。これをつくっていきたいですね。

KPIがあると、新しいプレーヤーが入りやすくなり、さまざまな人が入ってくることで新しいことも生まれていきます。私たちだけでウェルビーイングな社会の実現はできないので、やはり多様な人たちを巻き込みながら進めていくことが大事だと感じますね。

内田先生、入江さんの対談写真

内田先生、入江さんの対談写真

ウェルビーイング実現を目指して協働へ

──まさにオープンイノベーションな取り組みですね。最後に、それぞれの今後の展望をお聞かせください。

入江さん:これまでは技術に重点をおいていましたが、今後はもう少し広げて、社会課題を解決するための解決策を実装し、できれば水平展開できるところまで持っていきたいです。

そこで、2023年4月からモビリティ変革コンソーシアムで得られた知見を活かし、国内外の企業や大学・研究機関、自治体など​​と連携しながら、ウェルビーイングの実装を行う「WaaS共創コンソーシアム」を設立します。​​「WaaS」は、「Well-being as a Service」、つまり、ウェルビーイングを実現するためのサービスの総称です。

上位概念としてウェルビーイングを掲げながら、鉄道会社として移動空間の価値を向上させ、そこに参加するお客様、住んでいる方のウェルビーイング実現するスピードを加速させていきたいと考えています。そのためにさまざまな技術を活用し、さまざまな領域から入ってくる方々と一緒に考えながら進めていきたいですね。

内田さん:今、個と場の両方のウェルビーイングについて、日本全体の機運が高まってきていると感じています。ですので、私は研究者という立場から、ウェルビーイングを実装する際のKPIを作成し、測定の精度を上げたり、概念を整理したりしていきたいと思っています。

今回のように、「こうしてほしい」という企業側の声を直接聞くことはとても重要です。こうしたコミュニケーションも大事にしながら、アカデミアも色々な人たちと一緒に取り組んでいけると、日本全体にとってメリットになるのではないかと思います。

──今日は、これからの日本にとって必要なウェルビーイングの進展に役立つお話をありがとうございました。

「WaaS 共創コンソーシアム」について

2023年4月1日に新たに始動予定の、JR東日本が中心となり、ウェルビーイングな社会の実現に向けて、移動×空間価値の向上を目指す場。モビリティ変革コンソーシアム(2017年9月設立、2023年3月末にて終了)で得られた知見や場、関係性をもとに、デジタル技術をはじめとした様々な技術を活用し、国内外の企業、大学・研究機関、自治体などが連携しながら、1社単独では難しい社会課題の解決、ウェルビーイングな社会の実現に取り組む。

▶詳細はこちらから:JR東日本ニュース WaaS 共創コンソーシアム設立について

3月1日(水)「みんなで選び、みんなで創り、みんなで育むウェルビーイングな社会を実現するためには?」イベント開催

JREイベント情報
WaaS共創コンソーシアムがウェルビーイングを重視した社会像として掲げている「みんなで選び、みんなで創り、みんなで育む つながりや協働を中心とした社会」をもとに、ウェルビーイングな社会を実現するために必要な取り組みを議論するオンラインイベントを開催します。

当日の登壇者として、共催のJR東日本とロフトワークに加えて、ゲストには、まちのつながりと助け合いをデジタルとリアルの両輪で実現する、地域コミュニティアプリPIAZZAやカフェを運営する「PIAZZA株式会社 矢野 晃平氏」、場所に縛られずに地域の人とつながる多拠点での暮らしを実現する、Living Anywhere Commonsの事業責任者「株式会社LIFULL 小池 克典氏」、ダイバーシティコミュニケーションによって誰もがいきいきと活躍できる社会を目指す、たすけあいアプリMay iiの事業オーナー「大日本印刷株式会社 松尾 佳菜子氏」をお招きします。

ウェルビーイングに関連する活動を検討している・行っている方には参考になるイベントとなっていると思いますので、ぜひご参加ください。

▶詳細はこちらから:Loftwork みんなで選び、みんなで創り、みんなで育む ウェルビーイングな社会

Edited by Tomoko Ito

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