かつて、女性が通うのは「美容室」で男性が行くのは「理髪店」、というように髪を切る場所は異なっていたが、近年は「ヘアサロン」と呼ぶのが一般的になり、男女両方の顧客を持つ店が増えてきた。
とはいえ、ヘアサロンでヘアカットをする場合、女性と男性の間で価格の差がいまだ存在する。女性はカラーリングやパーマ、ロングヘアなど男性と比べてサービスに手間がかかる場合も多いが、必要な作業量に関係なく男性よりかなり高い料金を支払っているのが現状だ。
しかし、長年の間「そういうもの」だと私たちが思ってきたヘアカットの概念が覆されつつある。海外では、少しずつジェンダーニュートラルな価格設定を導入している店が増えているようだ。
2024年2月、ベルギーのヘアサロンが性別による価格差の撤廃を提唱し始めた。ベルギーの理容連盟Febelhairのメンバーであるシャルル=アントワーヌ・ユイブレヒツ氏は、VRTの取材に対して「ジェンダーニュートラルな価格設定は、とても良いアイデアだと思います。美容師が顧客のカットに必要な時間に基づいて決められるのですから」
と話している。
ベルギーの一部のヘアサロンはすでにこの変更を適用し、同じようなヘアカットをした場合、ジェンダーに関係なく同額を請求するシステムを導入しているという。
多くの美容師は「男女間に不公平を生み出すよりも、性別に関係なく同じようなサービスを受ける顧客は同じ金額を支払うべきだ」という声をあげ、この提唱を支持している。ベルギー美容師連盟は、ジェンダーレスの価格設定を強制することはしないものの、代わりに収益性を確保した料金設定に関するガイダンスを提供しているという。
この提唱は、サービスの複雑さや時間にかかわらず、「女性のヘアカットの方が高くつく」という一般的な慣習に挑戦するものだ。今後の美容業界における公正で平等な待遇に対する意識の高まりとして、社会をポジティブな方向へ導いていくだろう。
【参照サイト】Belgian hairdressers call for gender-neutral pricing for services
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Edited by Megumi