Monthly Archives: 7月 2025

GDPよりも、暮らしの質。「ドーナツ経済モデル」を政策に導入したスウェーデン・トメリラ市のまちづくり

スウェーデンの小さな町・トメリラ市は、国内で初めて「ドーナツ経済モデル」を本格的に導入。自然を破壊せず社会の基盤を守ることを指標に、公共交通から学校の設計まで、さまざまな分野の改善が進んでいます。

気候危機に立ち向かうためのデジタル・デザイン。Sustainable UXとは?【イベントレポ】

私たちが日々使うアプリやウェブサイトの快適なユーザー体験(UX)を支えるデザインが、意図せず未来の可能性を奪っていたら──。地球目線で持続可能なUXのあり方に問いを投げかけたイベントの様子をお届けします。

貝殻を耳に当てリラックスした表情の少年

【2025年7月】耳で旅する世界遺産?グッドニュース5選

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情を生む議論に疲れたあなたに。心が少し明るくなる世界のグッドニュースを3つピックアップしてお届けします!【耳で旅する世界遺産】

循環の次はネイチャーポジティブ。でも、それは「誰にとっての」ポジティブ?

生態系に良いことをしていたらネイチャーポジティブ、なのでしょうか?そのポジティブとは、何をもって「ポジティブ」と言えるのでしょうか?ここに人間のメリット=ポジティブとするリスクが潜んでいます。

循環が暮らしに“溶け込む”まち。海と森に囲まれたノルウェー・ネスオッデンで、サーキュラースポットをめぐる

ノルウェー・オスロの対岸に位置するネスオッデンは、自然と隣り合わせの暮らしのなかで、サーキュラーエコノミーを「実践」から「文化」へと育てている町です。海、川、森、そして人の手。修理し、貸し合い、つながり合う──その日常の積み重ねに、循環型社会のヒントがありました。

民主主義博物館の旗

「民主主義とは?」に答えられますか。若者目線で作られた、政治を“自分ごと”にする博物館

民主主義とは?リベラルとは?保守とは?そんな、「知っていると思っていたことを」改めて考えるきっかけをくれるのが、2025年5月に東京都・田園調布にオープンした「民主主義博物館」です。現地の様子をレポートします。

会場風景(ギャラリー2)

“とりあえず防災グッズ”の前にすべき対話とは。「そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–」訪問レポ

2025年11月3日(月・祝)まで、東京・六本木で行われている企画展「そのとき、どうする?展 –防災のこれからを見渡す–」を実際に訪れてみました。

クルミドコーヒー 影山知明さん

贈るから、始まる。西国分寺・クルミドコーヒーが育む「友愛の経済」

東京都国分寺にあるカフェ「クルミドコーヒー」は、経営者・影山知明さんが「与えること(ギブ)」を起点にした新しい経済のあり方を実践する場だ。影山さんはもともと経営コンサルやベンチャーキャピタルの世界で働き、資本主義の可能性を感じながらも、その偏重による格差や孤立といった社会課題にも疑問を抱いてきた。

カフェ開業当初は一般的な経営手法に従い、計画と数値目標を追いかけていたが、売上は伸びてもスタッフの表情や店の空気が良くならず違和感を覚えた。そこで、スタッフの「必殺技(持ち味)」を生かす夜の営業企画を実施。個性や偶発性を大切にした運営を試みた結果、売上以外の価値も生まれると実感し、創業3年目で事業計画を手放した。

影山さんは、売上や利益だけでなく、スタッフや客との信頼・喜び・地域とのつながりなど、目に見えない価値を「生物量」と表現し、それを事業の成長の指標としている。事業は「基本事業」「戦略事業」「稼ぐ事業」に分け、計算のうえでバランスを取りながら、個性と挑戦を後押しする仕組みをつくっている。

さらに影山さんは、利他性を経済の原動力とする「友愛の経済」を提唱。その実践として、地域通貨「ぶんじ」を運営し、助け合いや与えることを媒介にした経済循環を地域内に生み出している。「ぶんじ」は金銭価値ではなく、労働と労働を媒介し、交換の本質を思い出させる存在と位置づけている。

影山さんは、人との関係性には「言葉の層」と「存在の層」があるとし、単なる利害関係ではなく、共に時間を過ごすことで育まれる深いつながりが大切だと語る。SNS社会で言葉だけが先行しがちな今、互いの存在を受け止め合う関係が孤立を防ぎ、利他性を育む土壌になると考えている。

【7/31開催】「サーキュラーマーケティングで切り拓く生活者との新しい関係」オンラインイベントCircular X〜

サーキュラーエコノミー時代の新しい顧客関係を探る「サーキュラーマーケティング」をテーマに、生活者との関わり方を再考するイベントを開催します。

万博・ドイツパビリオンが描く「循環型の未来」。多世代の心を掴む“自由で深い”体験展示をめぐる

夏休みに万博へ行くなら、「循環型の未来」を体現したドイツパビリオンもお忘れなく。子どもから大人まで多様な学びを届け、注目を集める展示デザインの背景を、パビリオンディレクターに伺いました。

「移民」から「まちの一員」へ。在留資格のない人と地域をつなぐバルセロナのレストラン・Mescladís

料理の力で、“移民”から“住民”へ。スペイン・バルセロナのレストラン「メスクラディス」は、ビザのない移民や困難な背景を持つ人々に、料理を通じて社会とつながる場を提供しています。

【10月開催・募集開始】Dutch Design Week視察ツアー2025。“過去・現在・可能性”から未来のサステナブルデザインを探る旅へ

2025年10月、世界最大級のデザインイベント「Dutch Design Week」への視察ツアーが開催されます。テーマは「PAST. PRESENT. POSSIBLE.」。アイントホーフェンとアムステルダムを巡り、未来の社会や循環型デザインについて学ぶ濃密な6日間です。サステナビリティに関心のある方におすすめの旅となっています。

BBCが「脱成長」の短編ドキュメンタリー公開。動画公開から1週間で8万再生突破

「私たちの経済は、永遠に成長し続けられるのか?」英BBCが“脱成長”をテーマに短編ドキュメンタリーを公開。気候危機と経済成長をめぐる根本的な問いが、ついに世界のメインメディアに登場しました。

【8/5開催】「公共」は、もっと面白くできる。ベルリン発・行政×創造性の祭典「Creative Bureaucracy Festival 2025」報告会

公共のあり方が今、大きく問われています。気候危機や社会の分断、デジタル格差といった地球規模の課題にどう応えるか?この問いに対して、公共がどのように変革していくべきか、また、官民の連携が果たす役割を考えます。

カナダで始まった市民出資の形「コミュニティ・ボンド」。まちの重要拠点を、みんなで“買い支える”

カナダの社会イノベーションセンターは、銀行からのローンではなく、市民が少額から投資できる「コミュニティ・ボンド」という仕組みで資金を集めています。その資金によって、社会的企業やNPOのためのコワーキングスペースなどを運営し、市民と社会にとってより良い流れを生み出す場所がつくられました。

藍は生きている。剣道着の文化から「生きる力」をひもとく

藍染の剣道着。その色は生きて変化し、所作には人を整える力が宿ります。便利さの陰で失われがちな「生きる力」や「本当の強さ」を、藍染文化を通して見つめ直します。