誇張でも沈黙でもない第三の発信へ。B Corpの実践から紐解く、誠実な情報の届け方
誠実に、正直に、情報を開示すること。完璧な正解を待つのではなく、不完全なプロセスまでも開示していくこと──これらが、気候変動をめぐる情報の届け方において大切な態度であることを、前回のClimate Creative Cafeにて再確認しました。
▶︎前回のイベントレポはこちら:語ればウォッシング、黙ればハッシング?気候変動時代の「正解のないプロセス」を伝える企業発信のあり方
しかし「そうは言っても、結局のところ、何をどう語るべきか?それをどう社内で議論すれば良いのか?」という現場の悩みはつきないでしょう。海外の好事例も、実態以上の表現をしてしまう「グリーンウォッシング」や批判を恐れて口を閉ざす「グリーンハッシング」を乗り越える原則も、あくまでも「考える糸口」を示してくれるもの。今必要なのは、そこからもう一歩踏み込み、日本社会でどのように誠実な情報コミュニケーションを育てていくかという議論かもしれません。
そこで今回のClimate Creative Cafeでは、気候変動を含む情報発信に取り組んでいる組織の「実践」の現場に光を当てます。
ゲストの一人目は、国際認証制度「B Corporation™︎」(以下、B Corp™︎)を運営する米国の非営利団体B Labの日本支部である、B Market Builder Japan(BMBJ)の溝渕由樹さん(※)。情報の透明性を高め、ポジティブなインパクトを加速させるためのガイドブック・Greenshouting Guideや、2026年3月に開始したB Corp認証の新基準を踏まえ、特に日本社会でいま必要とされる発信の態度について伺います。
二人目は、2025年8月にB Corp認証を取得した、300年以上の歴史を持つ奈良の老舗・中川政七商店の羽端大さん。同社は2026年2月、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、”工芸のしまいかた”を考える循環プログラム・C KOGEIを開始。事業の主軸にある「工芸」と、「環境」を繋ぐ取り組みは、どのような議論を経て立ち上がったのか。また、それは組織ビジョンといかに接続されるのかなど、さまざまな活動の意思決定の議論と、こうした活動を伝える姿勢を深掘りします。
誇張でも沈黙でもない第三の道を、日本社会の文脈から探ると、どんな可能性が開けるでしょうか。不完全さを抱えながらも、社会に対して「正しい自信」を持って声を上げ続けるためのヒントを、共に探ってみませんか。
※ B Corp™︎とは、社会的・環境的パフォーマンス、透明性、説明責任に関する基準を満たしていることが検証された企業に与えられる認証制度です。
イベント概要
開催日時:2026年9月1日(火)17:00〜18:30
参加費用:無料
開催場所:Zoom
主催:Climate Creative(アーティクル株式会社・株式会社メンバーズ)
お申し込み:Peatixイベントページよりお申し込みください
※ Zoomは16:55オープン
※ イベント中レコーディングを行います。参加者の皆さんのお顔や声はレコーディングされませんのでご安心ください
当日の流れ
17:00~|オープニング
17:15~|第1部:情報の届け方の一つとしてのB Corp認証と、日本における現在地(B Market Builder Japan・溝渕氏)
17:35〜|第2部:なぜ工芸の「しまいかた」だったのか。事業と社会環境をつなぐ企画の立て方と伝え方(中川政七商店・羽端氏)
18:05~|クロストーク・Q&A
18:25〜|クロージング
※ 内容は変更になる場合があります
こんな方におすすめ
- 企業の広報、マーケティング、サステナビリティ部門で情報発信に携わっている方
- 自社の環境アクションを伝えたいが、ウォッシングのリスクを懸念して慎重になっている方
- 情報発信の必要性は感じているが、具体的にどう発信し、行動を起こすべきか悩んでいる方
- 日本企業から環境問題をめぐる行動の起こし方、その情報の伝え方について、参考事例を探している方
- B Corp認証の取得や、その基準を活用した誠実なコミュニケーションの実装に興味がある方
- 「誠実さ」を軸とした新しいコミュニケーションのあり方を探究したいクリエイターの方
- そのほか、気候変動と情報、言葉の届け方に関心のある方はどなたでも!
登壇者紹介
溝渕 由樹氏(一般社団法人B Market Builder Japan 共同代表)
東京都出身、現在東京と長野(軽井沢)在住。学生時代、ロンドン在住中にNGOの活動に参加する中で世界の格差を目の当たりにし、色んな人が自分らしく生きられる公平に機会がある社会づくりに関心を持つ。Save the Children Japan PRインターン、三井物産 法務部米州法務室での勤務を経て、2019年、自分の大好物であるクッキーを環境にも社会にもやさしい100%プラントベースで提供するovgo Bakerを創業。2022年12月、株式会社ovgoとしてB Corp認証を取得前後から、国内におけるB Corpのコミュニティ活性化に携わる。2024年3月、一般社団法人B Market Builder Japan 共同代表に就任。
羽端 大氏(株式会社中川政七商店 経営推進グループ長 デザインストラテジスト / サービスデザイナー)
京都大学法学部卒業後、2011年経済産業省に入省。政府成長戦略、環境政策、スタートアップ政策、大阪・関西万博等を担当。2018年より米パーソンズ美術大学大学院において領域横断的な社会デザインに関する研究を行う(MFA/美術学修士)。2023年、株式会社中川政七商店入社。経営・組織デザイン、サステナビリティ戦略、パブリックアフェアーズ、公共領域を担当。
仲原 菜月(アーティクル株式会社・IDEAS FOR GOOD副編集長)
大学在学中は政治経済を学びながら難民支援や環境課題の解決に従事し、スウェーデンに留学。ウクライナ避難民の写真展を都内で開催。脱成長、紛争予防、自然観などを中心に執筆。
過去のイベントレポート
- 気候危機に立ち向かうためのデジタル・デザイン。Sustainable UXとは?
- あらゆるデザインに人類学の眼差しを。気候危機時代に人文科学とビジネスはどう共創するか
- 気候変動を「自分ごと」にするには、残業をなくせ?デンマークでの自然な行動変容の仕掛け
Climate Creativeとは
IDEAS FOR GOODでは、創造的なアイデアやコミュニケーション、ビジネスモデルの創出を通じて気候危機に立ち向かうプロジェクト「Climate Creative」を株式会社メンバーズとともに実施しています。Climate Creative Cafeでは、気候危機に関する課題解決に向けて、さまざまな業界や組織・立場における1人1人のクリエイティブなアプローチに着目し、参加者の皆さんと共に実際のアクションへとつなげていきます。
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