All posts by 富山 恵梨香

テルモン、シャンパーニュを風で“スローに”運ぶ。仏企業で「帆船輸送」が拡大

「母なる自然の名のもとに」。シャンパーニュのメゾン・テルモンが、2025年から北米向けに風力貨物船で輸出を始めます。「風で運ぶ」という選択が、いまフランスで産業として動き出しています。

経済成長よりも人間らしさを。150年前フランスの“実験都市”ファミリステールに学ぶ

19世紀フランスに実在した“実験都市”ファミリステール。資本主義でも社会主義でもない第三の道を模索し、労働者の尊厳と人間らしい暮らしを追求したこの共同体の思想は、経済成長を超えた豊かさを問い直す今に響いています。

ドーナツ経済学がアップデート。科学的に進化したDoughnut 3.0が映す「ゆがんだ繁栄」とは

科学誌『Nature』に最新研究「Doughnut 3.0」が掲載。ドーナツ経済学が初めて科学的に検証され、経済成長の裏で進む地球の限界超過と社会的不平等を可視化。繁栄のあり方が、いま問われています。

「AIの偏りは、バグではなくデザイン」Justice AI GPT開発者が語る、脱植民地化テクノロジーの可能性

AIの知識は本当に「中立的」なのか。欧米中心の価値観に偏る学習データは、無意識のうちに多様な物語を消し去っているかもしれません。Justice AI GPTは、失われた声を取り戻すために生まれました。

フランス、衣料品に「環境コストラベル」義務化へ。“見えないコスト”は消費の選択を変えるか?

フランスは2025年10月から衣料品に環境コストラベルの表示を義務化します。見えない環境負荷を数値化し、消費者の選択や業界の透明性を変える挑戦です。

給料をもらいながら学ぶ「修理の学校」フランスに開校。VEJAが挑む、環境と社会の同時修復

「一足の靴を直すことは、社会を修復することにつながる」失業と貧困に苦しむ街ルーベで、VEJAが立ち上げた“修理の学校”。給料を得ながら学べる新しい教育モデルとは?

AIと人間の“あいだ”にある可能性。二項対立を超えて

排除か依存か。その二択を超えて、人間とAIはどう共生できるのか。「契約的共同創造(covenantal co-creation)」という新しい視点から、両者の“あいだ”に芽生える知性と創造性を探ります。

旅を富裕層の特権にしないために。大手旅行会社CEOが提案する「観光抽選制」とは

Booking HoldingsのCEOが提案した「観光抽選制度」。富裕層偏重を避け、公平性を確保する仕組みとして注目される一方、透明性や地域社会への配慮が課題となっています。

「守る」から「生かす」へ。熊本発、土地と都市を結ぶレストラン『antica locanda MIYAMOTO』【FOOD MADE GOOD #20】

「サステナビリティ」は都会の会議室や国際基準だけで語られるものではありません。熊本市のレストラン「antica locanda MIYAMOTO」は、阿蘇の草原と希少なあか牛、そして地元の文化や暮らしの知恵を生かし、生活の営みから生まれる持続可能性を形にしています。その一皿に込められた物語とは?

なぜ、彼らは絶望しなかったのか?経済危機を「堆肥」に変えた、英国シューマッハ・カレッジ再生の物語

英国のシューマッハ・カレッジは、経済危機で校舎を失いながらも「終わりを堆肥に」と学びを再生。市場原理に評価されにくい価値を問い直し、希望を編むレジリエンスの物語を、現地で取材しました。

Bakehouse

ここでは誰もがパンを焼く。ノルウェー・オスロの「大窯のある都市農園」が見せる、公共の開き方

再開発地区の高速道路上に生まれた都市農園Losæter。アートが市民を巻き込み、誰もがパンを焼ける公共空間へと変貌したその軌跡を追います。

メディアの「成長」をめぐる、理想と現実のあいだで。読者の皆様にいま伝えたいこと

今の社会も素敵だけれど、社会は“もっと”よくできる。IDEAS FOR GOODが独立したメディアとして歩み続けるために──創刊から9年目を迎えたいま、あらためて「育てていく」メディアのかたちを考えます。

時間

AIで浮いた時間、どこへ消えた?奪われる「私たちの時間」と、商品化される「誰かの時間」

効率化が進む現代、私たちは本当に「自分の時間」を得ているのでしょうか。AIやスマホの便利さの裏にある時間の搾取と、その設計思想を問い直します。

人間の“感覚知”を再起動せよ。便利さの代償を取り戻す、フランスの「ローテクラボ」

もし明日、スマホもAIも使えなくなったら、私たちは自分の力だけで生きていけるでしょうか。ローテクを通じて「便利さの裏にある喪失」に向き合い、自らの感覚やスキルを取り戻す旅に挑む、冒険家コランタン氏の実践と思索を追います。

「夏のサントリーニ島はおすすめしません」仏・旅行会社が人気観光地を“ディスる”広告を出したワケ

フランスの旅行会社Evaneosが、人気観光地サントリーニ島などを行き先から削除。「制限こそが価値を生む」と語る新しい旅の形とは?

Wildish

終わりなき成長が奪った「時間」を取り戻す旅へ。英国発“つくりすぎない”バッグブランドの哲学

「もっと作れるけど、あえて週25個だけ」。イギリス発のバッグブランドは、成長を追い求めないビジネスの形を選びました。失われた“時間”を取り戻す旅とは?創業者のオスカー氏に話を聞きました。