All posts by 伊藤智子

罠の仕掛け体験の様子

「命をいただく」を見つめ直す日。外房の猟師と歩くジビエの現場から

人と野生動物の生息域の境界が揺らぐ中、千葉・外房でジビエと向き合う猟師・吉野さんを訪ね、「命をいただく」ことと私たちの食の距離を見つめ直したツアーの記録です。イノシシやキョンの捕獲現場の葛藤や、「おいしい」から始まるジビエとの関わりを通じて、食と生命への向き合い方を考えていきます。

住岡健太さんと田中稔子さん

絶望の中にも、希望はある。 被爆者・田中稔子さんがアートで問いかける「私たちの平和」

広島オープンした「Peace Culture Museum」。七宝作品が展示された民家で、被爆者・田中稔子さんに会いました。70歳にして平和証言を始めた彼女が伝える「平和のつくり方」とは?

ART FARM IKEJIRI

生ごみは、心の薬。東京・世田谷から考える「半径2キロの心理的循環」【イベントレポ】

「生ごみ」がさまざまな社会解決を一度に解決するとしたら?バッグ型のコンポストを開発し、都市でのコンポスト普及を目指す「LFC」と共にイベントを開催しました。都市における生ごみの大きな可能性とは…?

即答なんてできなくて良い。五感で探る、未来への責任と真実の物差し

解剖学者・養老孟司氏の言葉をきっかけに、「なぜ戦争は起こるのか?」といった答えの出ない問いと、即座に正解を求める現代の「即答文化」の危うさを探ります。AIが高度化する今、私たちは諦めずに対話を重ねること、誰かの答えに依存せず、「自分の物差し」を育むリアルな体験を得ることこそが大切なのかもしれません。

BIKAS COFFEEイベント

ネパールに森を育むBIKAS COFFEEと問い直す、未来のためのコーヒーの値段【イベントレポ】

コーヒーの値段が、一杯2000円になったら?あなたはこの問いに、どう答えるでしょうか?江戸川橋のコーヒースタンド「BIKAS COFFEE」にて、コーヒーの未来を考えるイベントを開催しました。

Kamada Mikiko

私たちは「地球のために生きる人」になれるか。30億年前から生きる微生物と現代をつなぐアート

植物学者、アーティストのKamada Mikikoさんは、植物と人の距離を近づけるべく、アートと科学の両輪で地球の未来について問いかけています。人間中心はもうおわり─Kamadaさんが伝えたいことは?

循環葬

死後、森の一部になる「循環葬®」が千葉に初上陸。故人を想う心が、自然を豊かに

千葉・南房総の真野寺に新たにオープンする「循環葬®」の拠点。遺族が自ら埋葬に関わり、故人を自然に還し、未来の森を育む葬送です。今こそ、環境にも心にも優しい弔いへと、アップデートするときかもしれません。

クルミドコーヒー 影山知明さん

贈るから、始まる。西国分寺・クルミドコーヒーが育む「友愛の経済」

東京都国分寺にあるカフェ「クルミドコーヒー」は、経営者・影山知明さんが「与えること(ギブ)」を起点にした新しい経済のあり方を実践する場だ。影山さんはもともと経営コンサルやベンチャーキャピタルの世界で働き、資本主義の可能性を感じながらも、その偏重による格差や孤立といった社会課題にも疑問を抱いてきた。

カフェ開業当初は一般的な経営手法に従い、計画と数値目標を追いかけていたが、売上は伸びてもスタッフの表情や店の空気が良くならず違和感を覚えた。そこで、スタッフの「必殺技(持ち味)」を生かす夜の営業企画を実施。個性や偶発性を大切にした運営を試みた結果、売上以外の価値も生まれると実感し、創業3年目で事業計画を手放した。

影山さんは、売上や利益だけでなく、スタッフや客との信頼・喜び・地域とのつながりなど、目に見えない価値を「生物量」と表現し、それを事業の成長の指標としている。事業は「基本事業」「戦略事業」「稼ぐ事業」に分け、計算のうえでバランスを取りながら、個性と挑戦を後押しする仕組みをつくっている。

さらに影山さんは、利他性を経済の原動力とする「友愛の経済」を提唱。その実践として、地域通貨「ぶんじ」を運営し、助け合いや与えることを媒介にした経済循環を地域内に生み出している。「ぶんじ」は金銭価値ではなく、労働と労働を媒介し、交換の本質を思い出させる存在と位置づけている。

影山さんは、人との関係性には「言葉の層」と「存在の層」があるとし、単なる利害関係ではなく、共に時間を過ごすことで育まれる深いつながりが大切だと語る。SNS社会で言葉だけが先行しがちな今、互いの存在を受け止め合う関係が孤立を防ぎ、利他性を育む土壌になると考えている。

天然砥石館

このまちの良さは、足元に。亀岡の“暮らしの歴史”に学ぶ循環経済のヒント【ツアーレポート後編】

環境先進都市を目指す京都・亀岡で循環経済のヒントを探るツアーレポート後編。今回のテーマは、「歴史と伝統」です。古くから受け継がれてきた日本文化に隠れた持続可能性から地域の未来づくり考えていきます。

京都・亀岡から始まる「ごみゼロ」革命。まちぐるみで挑む環境先進都市への歩み【ツアーレポート前編】

京都府亀岡市。このまちは今「環境先進都市」を目指し、まち全体でごみゼロに取り組んでいます。プラ製レジ袋の廃止から使用済みおむつのリサイクルまで。次々と新たなプロジェクトを進める背景にある想いとは──?

本当の学びは教室の外に。ボルネオへの旅が教える「いのちのつなぎ方」【現地ツアーレポ後編】

いのちをつなぐ学校 ボルネオツアーレポート最終回。テーマは、「旅と学び」。学校、企業、さまざまな立場で「ヒトづくり」にかかわる3人に、未来につながる教育について話を伺いました。

熱帯雨林でチョウを探す福岡伸一先生と中学生

美しいものを見つけ、自分の言葉にする。福岡伸一先生が、ボルネオ島で伝えたかったこと【現地ツアーレポ中編】

ボルネオ島での旅のはじまり、福岡伸一先生は、私たちに「美しいものを探してください」と言いました。それは、自然について考えるヒントになるからと。これから一緒に美しいもの探しの旅に出ましょう。

BESの小象と子どもたち

ボルネオの生き物たちに流れる「いのちのものがたり」に触れて【現地ツアーレポ前編】

「いのちをつないでいく」──ボルネオ島の熱帯雨林で大小さまざまな生命体に触れた中高生、そして大人たちのリアルな体験を記しました。人間はどうやって生きていくべきか?そんな問いのヒントになれば幸いです。

「暮らす」を大事に生きてゆく。未来につながる復興のカタチ【能登半島レポート・後編】

能登半島で復興のために立ち上がった人々。話を訊いた3人に共通していたのが「暮らし」という言葉でした。これからの能登の、そして日本の未来につながる「新たな復興のカタチ」がそこにはありました。

プレイカーで遊ぶ子供たち

失われた「能登の日常」を取り戻すために。 支援が遠のく現状と、人が繋ぐやさしさの循環【能登半島レポート・前編】

2024年元旦に発生した能登半島地震。現地は今、どのような状況なのでしょうか。7月末、実際に能登半島を訪れた筆者が、リアルな現状やそこで生まれている取り組みをお届けします。

“綺麗なごみ”より、”満たされるモノ”づくりを。エチオピアのレザーブランド『andu amet』が目指すラグジュアリー

心が満たされて、豊かな気持ちになるものづくりを行うレザーブランド・andu amet。エチオピアを拠点に活動を続けてきた鮫島さんが、ブランドを通してどうしても伝えたかった想いとは?