【2022年最新版】夏の暑さを防ぎ、サステナブルに過ごす世界のアイデア10選
今年の暑さもいよいよ本格的になってきた。猛暑のなかでのマスク着用による熱中症のおそれや、家にいる時間が長い分、暑さに体が対応しきれていないことなどが懸念されるため、油断は禁物だ。
日々の生活は涼しく保ちつつ、環境に配慮して過ごす方法はないだろうか。この記事では、世界で行われているサステナブルな暑さ対策の好事例を紹介したい。
持ち運びやすいマイボトルで、水分補給
01. 折り畳んで持ち運べる水筒
ブルガリアに本拠を置くDiFOLD社が開発した「Origami Bottle」は、日本の折り紙の技術を取り入れた「折り畳める水筒」だ。容量は750mlとたっぷり水を入れられるが、折り畳むと体積は5分の1になり、小さなバッグのときも持ち運ぶことができる。頑丈ながらも重量は120gと軽量で、蓋に付いているフックでズボンやカバンに装着できるのもうれしい。本体には地球に優しく何度もリサイクルできる素材を使用している。現在クラウドファンディングを行うサイトKickstarterでキャンペーン中だ。
- 国名:ブルガリア
- 団体(企業)名:DiFOLD
02. 自転車やカバンに装着可能なボトル
グリーンライフを実践する人々向けのスペインの自転車アクセサリーブランド「CLOSCA」が作ったのは、自転車やカバンに装着して持ち運べるウォーターボトルだ。本体には軽く丈夫でリサイクル可能な素材を使用しており、口触りが良いように飲み口にはガラスを使用している。また、売り上げの10%は森林保護や海洋生物保護などのNGO団体に寄付される。日本でもCLOSCAのオフィシャルサイトから購入することができる。
- 国名:スペイン
- 団体(企業)名:CLOSCA
03. 自ら洗浄する、洗わなくて良いボトル
マイボトルは洗うのが面倒だと思っている方は、自己浄化システムを搭載した「LARQボトル」を使ってみてはいかがだろうか?このボトルは、独自の自己浄化機能により、キャップを押して60秒待つだけで有害な細菌やウイルスの99.9999%を除去できる画期的な仕組みになっている。本体はステンレススチールでできており、身体への悪影響が懸念されるBPAが使われていない「BPAフリー表示」のボトルでもある。容量は500mLで、二重断熱構造により24時間水を冷たく/温かく保つことができる。こちらもオフィシャルサイトなどで購入可能だ。
- 国名:アメリカ
- 団体(企業)名:LARQ
スマホアプリでできる、熱中症対策
04. 日本全国の無料給水スポットを探せるアプリ
MyMizuは、日本全国にある「ボトルを持参すれば無料で給水できるスポット」をマップで検索できるアプリだ。使い捨てのペットボトル等を購入するのではなく、持参したボトルに無料で給水できれば、お財布にも環境にもやさしい。現在はカフェやレストラン、コワーキングスペース、ショップなど8,000箇所以上の給水スポットと提携。アプリは無料でダウンロード可能で、給水した記録や、削減できたペットボトルの本数とCO2の排出量、節約できた金額をトラッキングすることもできる。
- 国名:日本
- 団体(企業)名:MyMizu
05. 日傘も借りられる、傘のシェアリングサービス
日傘を持ち歩きたいけれど荷物が多くなるのが困るという方には、傘のシェアリングサービス「アイカサ」がおすすめだ。
2018年12月にサービスを開始したアイカサは日本初の傘のシェアリングサービスで、ビニール傘の使い捨て削減に貢献している。東京都内を中心に展開を始め、現在のユーザーは10万人近くにのぼる。昨年にはユーザーの声を受けて環境省の連携で、99%UVカットの晴雨兼用傘を開発し渋谷区と台東区に設置。アプリを無料でダウンロードし会員登録後、マップでレンタルポイントを探し、傘スタンドにアプリをかざすと傘を借りることができる。料金は1日70円、1カ月の最大料金は420円と手ごろな値段だ。
- 国名:日本
- 団体(企業)名:アイカサ
06. 日陰を通るルートを案内してくれる地図アプリ「Cool Walks」
スペイン・バルセロナにある都市開発公共機関が、夏場に思わず日陰を求めて彷徨ってしまう人々の行動に目を付けた。彼らがリリースしたアプリ「Cool Walks」では、地図ルート内のどこに日陰ができるかを可視化し、快適で安全な道順を導き出してくれる。
ルートは3種類から選択ができ、最短経路モードは通常の地図アプリと同じく「日陰を気にしないから一刻も早く到着したい」人向け、日陰モードは「早く着きたいけど涼しい方がいい」人向け、ヴァンパイアモードは「直射日光は絶対に避けたい」人向けと、それぞれのニーズにも対応している。
- 国名:スペイン
- 団体(企業)名:Barcelona Regional
お洒落で紫外線を防ぐ、エシカルなアイテム
07. コーヒー粕から作られたサングラス
紫外線対策に欠かせないサングラスも、環境に優しいものを選択してみてはいかがだろうか。
Ochis(オーチス)は、コーヒー粕のアップサイクルでサングラスのフレームを制作しているウクライナのブランドだ。ハンドメイドで丁寧に作られたサングラスは、重さは26グラムと軽量で耐久性があり、フレームは顔の形にフィットするよう調節が可能。また、レンズ部分はリサイクルコットンから作られ、UV加工、ブルーライト加工なども施されており、環境に優しいだけではなく機能性も優れている。昨年日本にも上陸が決定した。
- 国名:ウクライナ
- 団体(企業)名:Ochis
08. リサイクル素材で作られたサングラス
PARAFINAは、全てのアイテムをペットボトルや廃タイヤ、コルクなどの100%リサイクル素材で製作するアイウェアブランドだ。エコフレンドリー且つ洗練されたデザインが魅力で、日本の通販サイトで購入可能。価格も5000円ほどからと比較的手に入りやすいのも嬉しい。2015年にスペインのマドリッドで設立以来、現在は日本を含め世界各国にて取り扱われている。また、収入の5%をパラグアイの子どもたちへの教育支援プログラムに使用している。
- 国名:スペイン
- 団体(企業)名:PARAFINA
09. 人の肌にも環境にも優しい日焼け止め
近年、紫外線対策に不可欠な日焼け止めの化学成分が海に流出することによる海洋エコシステムへの影響が懸念されている。
スペインのオーガニックコスメブランドMunnah(ムナー社)は、「Sun of Munnah」は、人の肌だけでなく、海洋生物の安全も考えて成分を配合したオーガニック認証の日焼け止めを開発した。製品にはナノ粒子化されていない酸化亜鉛、ラズベリーシードオイル、キャロットシードオイルなど、天然の日焼け止めと呼ばれるさまざまな種類の植物成分が含まれ、強い日光を浴びる肌への栄養や保湿も考えられている。2019年11月スペインの著名なオーガニック化粧品メディア「オーガニックス・マガジン」主催のアワードで、オーガニッククリーンアワードを受賞した。オフィシャルサイトから購入可能だ。
- 国名:スペイン
- 団体(企業)名:Munnah
暑い時に食べたくなるフードが実はエコに
10. アイスクリームを食べながらカーボンオフセット
アメリカ発祥のアイスクリームメーカー「ベン&ジェリーズ(Ben & Jerry’s)」が、現地のブロックチェーンのグローバルコミュニティと連携し、ブロックチェーンを使って二酸化炭素の排出削減に貢献するカーボンオフセットを導入した。暑いときにアイスを食べれば、それだけで地球のCO2を減らすことができるという、なんとも「おいしい」取り組みだ。
まとめ
いかがだっただろうか?無料アプリを使ってみることをはじめ、手軽に取り入れられるサステナブルな暑さ対策は探せばたくさんある。また、夏に必要なアイテムを新調する際にはエシカルなブランドやサービスに一票を投票するつもりで、購入を検討してみて欲しい。
年々厳しくなる暑さや激しい豪雨の一因が人間の環境破壊によるものであることは間違いない。例年以上に健康に気をつけると同時に、環境への影響も頭の片隅に置きながら、この夏を乗り切りたい。