ボーイングのリサイクル計画。飛行機の廃棄素材をノートパソコンや車パーツに再生へ

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航空機開発の最大手ボーイング社が、イギリスに本拠を置くELG Carbon Fibre社(以下、ELG社)と共同で、ボーイング飛行機製造工場から出る廃棄素材をノートパソコンのケースや車パーツなどにリサイクルする方針を発表した。これにより、年間で450トンもの固形廃棄物を削減できるという。

飛行機の製造に使われる炭素繊維は非常に強く軽量なため、ボーイング787ドリームライナーや新シリーズ777Xをはじめとして、さまざまな用途に使われている。しかしリサイクルされにくく、今の時点でほとんどが埋立処分されているという短所がある。

これに対しボーイング社は、経済的に実行可能な炭素繊維の再利用産業を立ち上げるべく、数年にわたり研究を行ってきた。そして、廃棄物を最小限に抑えるよう生産方法を改善し、素材が収集できるモデルを開発。また、これまでは飛行機の製造プロセスで使われる“硬化”された金属の素材を再利用するのは難しいとされていたが、ELG社の技術によりそれも可能にしている。

ボーイング

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新たなリサイクルモデルが大きなスケールでも適用できることを証明するために、両社は実験を行った。18ヶ月間にわたって、米ワシントン州のボーイング・エバレット工場から出た172トンもの炭素繊維をリサイクルし、電力会社と自動車会社に販売したのだ。

この実験の成功を受けて、ボーイング社は同社の11の工場から出る廃棄素材の大部分を節約できると発表している。これは同社が掲げる2025年までにゴミを20%減らすという目標に貢献する。今後もELG社と協働し、この活動をカナダや中国、そしてマレーシアにある工場にも拡大していく予定だ。

777オペレーションリーダーのケビン・バーテルソン氏は、「今回の共同開発によって、ボーイング社の環境保護活動は新たなレベルに到達する。炭素繊維を使用した複合材料のリサイクルが、アルミニウムやチタンのリサイクルと同じくらい普通のことになるのだ。」と述べる。

飛行機製造の際の廃棄素材を、ノートパソコンや車パーツに変身させるボーイング社のリサイクル。世界最大の航空宇宙機器開発製造会社が行う大規模プロジェクトの今後が期待される。

【参照サイト】Boeing, ELG Carbon Fibre find new life for airplane structure material in groundbreaking partnership