SNSのタイムラインが、アマゾンの森林火災の写真と「#PrayforAmazonia (アマゾン川流域に祈りを)」の言葉とともに埋め尽くされた。
ブラジルでは今年初めから8月20日までのあいだに、7万4,155件もの森林火災が発生している。2018年の同時期と比較すると83%も増加しており、2013年以降で最多の観測数だという。(ブラジルの国立宇宙研究所INPEより)
世界資源研究所(WRI)が運営する世界中の森林伐採状況が地図上で把握できるサイト「Global Forest Watch(世界森林ウォッチ)」では、今回のアマゾンの火災をほぼリアルタイムで見ることができる。このWebサイトは、米Googleや国連環境計画国際環境技術センター(UNEP)など、40以上の団体の協力で作られた。NASAの衛星データを含む様々な組織が提供する情報をもとに、12時間ごとに更新される。
この森林火災には、急速に増加する森林伐採が影響しているという。ブラジルでは1月にボルソナ大統領が就任して以来、環境保全よりも開発を優先する政策がとられていることが問題になっており、大統領が森林伐採や焼き畑を奨励していると環境保護活動家からも非難されている。
森林伐採で森が失われると、その地域全体が乾燥してさらなる森林減少を引き起こす。INPEのアルベルト氏は「乾季が火災の広がりを起こすのは確かですが、どちらにせよ火をつけているのは人間です。」と、今年のブラジルの森林火災件数は通常の乾季に報告される水準を超えていると指摘している。
アマゾン地域には300万種もの動植物が生息し、100万人の先住民族が暮らしている。いま、2030年までに地球が2つあっても足りなくなると言われており、私たちは“未来のために”環境保護に取り組んでいると思いがちだ。しかし、今日も地球は壊れかけていて、世界にはその打撃をすでに受けている地域が存在するということを、人間は知る必要があるのではないだろうか。
【参照サイト】Amazon fires: Record number burning in Brazil rainforest – space agency
【参照サイト】Global Forest Watch