Google Earthの「気候変動の影響を追う」タイムラプス

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バーチャル地球儀システムのGoogle Earthに、新たな機能が登場した。1984年から現在までの衛星画像データを、選択した地域について1年ずつ連続再生し、そこで起きた地勢や土地利用の変化を見ることができるタイムラプス機能だ。2005年のサービス提供からさまざまな改良や機能追加を繰り返してきた同サービスだが、今回の新機能は過去5年間で最大のアップデートとなった。

この機能により、過去37年間におけるアマゾンの森林減少や、アラスカ氷河の融解といった自然環境にもたらされた変化から、ドバイ湾岸の建設拡大や、中国・大連市の都市成長といった直接人々が加えてきた変化まで、ユーザーは地図に時間軸も入れた形でダイナミックに現象を捉えることができる。

google earthタイムラプス

1984年に47億人だった世界人口は今日、79億人にまで増加し、私たち人間は着実にこの惑星の様相に変化を加えてきた。過去半世紀に起きた自然環境の変化は、人類の歴史の中で最も急速だと言われ、それは今もなお進行し続けている。

近年は異常気象を実際に体験し、気候変動を肌で感じる人が増える一方、いまだ多くの人々にとって地球の変化というものは抽象的で、どこか遠くで起きている現象のように感じられるかもしれない。しかしこのタイムラプス機能を使えば、気候変動に影響を及ぼす森林減少も、氷河の後退も一目瞭然である。

Google Earthのディレクターを務めるレベッカ・ムーア氏は「科学者の間でも気候変動に対する現状認識にズレがあることはあります。本機能は、視覚的に事実を示すことができる力強いツールです。私たちがこれから取るべき具体的なアクションについての議論を加速させるのに役立てば良いと思います」とブログの中で述べている。

気候変動の当事者は紛れもなく、私たち一人ひとりだ。人が行動を起こす時はいつも、まず問題を正確に捉え、何かを感じ、考えることから始まる。今後、この新機能がますます多くの人に知られ、人々が地球の未来について考えるきっかけになることを期待したい。

【参照サイト】Google Earth Timelapse
【参照サイト】Time flies in Google Earth’s biggest update in years
Edited by Kimika

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