ドミノピザの赤青ロゴが、点字に変身。世界観を伝える「やさしい」マーケティング

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街中を歩いていると、コーヒーを片手に話していたり、買い物を終えて紙袋を持っていたりする人を多く見る。「あのコーヒー飲みたいな」「あのお店で買うものがあった!」とすれ違う人を見て気づく人もいるだろう。

ブランドの「ロゴ」は、一瞬で人々に世界観を伝えることができる。しかし、目が不自由な人にとっては、そうしたロゴを含めた日常の情報をすぐに得ることは難しい場合もある。

そんななか、米国発の宅配ピザチェーン・Domino’s(ドミノピザ)のロゴをジャックして、飲食チェーン初の点字メニューをつくるというプロジェクトが立ち上がった。エクアドルにある広告学校の学生たちが考案した同プロジェクトは、ブランドの「ビジュアルアイデンティティ」と「視覚障害者の触手法」の類似性に着眼点を得たことがきっかけで生まれた。

「Blind Code」と呼ばれるこのキャンペーンは、世界点字デーである1月4日に実施。ドミノピザのロゴの特徴であるサイコロの目を点字に見立てることで、メニューや食材の情報、割引情報などが視覚障害者にも伝わるようになっている。点字はピザボックスの上部にも付けられており、目が見えない人も注文に必要なほとんど全ての情報を得ることができるという。

また、点字を用いたこの革新的な取り組みは、ドミノピザだけにとどまらない。学生たちは、競合するファーストフード店であるマクドナルド、バーガーキング、ケンタッキーフライドチキンなどのメニューにも点字を付けた。また、それらを印刷して、視覚障害のコミュニティなどに届けることにも成功。このプロジェクトにより、世界2億8,400万人の視覚障害者の人たちがメニューにアクセスできるようになったという。

「どんなブランドでも、そのロゴが2つ目の言語になりうる」ということを伝えたかったエクアドルの学生たちの想い。ドミノピザのロゴが視覚障害の人の生活に「豊かさ」をもたらしたように、社会を大きく変えるヒントは身近なところに潜んでいるのかもしれない。

そんなふうに、少しアンテナを張って生活してみると、何かワクワクするアイデアが浮かんでくるような気がする。

【参照サイト】CREAPILLS Domino’s Pizza détourne son logo pour faciliter la lecture du braille
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Edited by Tomoko Ito

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