スキンケアに、公平さを。ストリートアートの「肌」を修復する啓発キャンペーン

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常に外の世界と接触している私たちの肌は、実は日々ダメージを受けている。特に紫外線は皮膚にとって大敵であり、それによって組織内のメラニンが増えると、シミやくすみ、そして最悪の場合、皮膚がんを引き起こす。肌の健康を維持するためのスキンケアは誰にとっても必須なのだ。

しかし、現在の社会で誰もが皮膚の健康を守れているかというと、そうではない。アメリカでは、人種や所得による医療へのアクセスの不均衡が指摘されている。さらに、スキンケアの業界が常に白人の身体をモデルにしていることで、有色人種の人々の肌の特性や問題に特化した情報が不足し、特に黒人系やラテン系の人々に対しては、皮膚がんなどの疾患の誤診が生まれやすいという問題もあるという(※)

そこで、世界中で親しまれているスキンケアブランド「Vaseline(ヴァセリン)」は、このように有色人種コミュニティが疎外され続けてきた皮膚医療のあり方を改善するプロジェクトを行っている。その一つとして行われているのが、ストリートアートを復元するイニシアチブ「Mended Murals(修復された壁画)」だ。

このプロジェクトでは、ボルチモア、ブルックリン、ハーフォードといった街で芸術家たちが風化して傷んだ壁画を再生させ、ストリートアートの人物の皮膚を「修復」していく。ヴァセリンが2022年に立ち上げたプラットフォーム「SeeMySkin.com」のプロジェクトの一環だ。

SeeMySkin.comは、有色人種の人々が肌の状態を検索し、適切なケアを受けられるよう情報を集めたオンライン・データベースで、修復された壁画にはサイトへのQRコードが描かれている。さらに同社はプロジェクトを実施する都市の保健クリニックに、25万ドル(約3,700万円)の寄付を約束している。

ヴァセリンは、あらゆる場所であらゆる人が健康な皮膚を手に入れることができるようになるまで、皮膚の健康促進をおこなっていく。肌の健康への公平なアクセスから人種差別をなくすための第一歩となるこのプロジェクトは、今後さらに大きな成果に繋がるかもしれない。

Image via Vaseline

See My Skin – Vaseline
【参照サイト】Mended Murals – Vaseline
【参照サイト】Vaseline paints a picture of skin healthcare equality
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Edited by Megumi

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