本屋に泊まって、オーナー体験。イギリスで予約2年待ちの書店型Airbnb

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本が好きな人にとって、本屋は癒しの空間だ。数多く並んださまざまな本にワクワクし、一日中いろんな本を手にして過ごしていたいと思う人もいれば、本好きが高じて、小さくてもいいから本屋をオープンさせたいという夢を持っている人もいるだろう。

しかし、ビジネスとなるといくら好きでもハードルが高い。それならば、本屋に滞在しながら本を売る体験をするのはどうだろう。そんなユニークな書店型Airbnb ・The Open Bookが、イギリス・スコットランド南西部ウィグタウンに存在するという。

海の近くの牧歌的風景が美しい小さな町・ウィグタウンは、1998年に正式にスコットランドのBook Town(本の町)に指定された。現在、古本屋を含む独立系書店が15軒ほどあるこの地域では、本に関連したさまざまなビジネスが行われている(※)

The Open Bookは、訪問者に「自分の本屋を持つ」という夢を実現してもらおうと、作家兼映画監督のジェシカ・フォックス氏によって発案された。ゲストは、The Open Bookを運営する非営利団体・ウィグタウン・フェスティバル・カンパニーのボランティア・チームのサポートを受けて、店内の展示を変えたり、本の値段を付けたりして、自分なりのアイデアや工夫で本屋を管理することができる。

2014年8月に書店型Airbnbとしてオープンして以来、The Open Bookにはこれまで450人近いゲストが訪れた。2026年の8月まで予約の空きがない状況だ。

The Open Bookは、ゲストに唯一無二の体験を提供するだけではなく、地元の人たちにとっても各地から来るゲストとのコミュニケーションを育む交流の場となっている。また、宿泊費からの収益の一部で年間約1万ポンドを(約190万円)をウィグタウン・フェスティバルの慈善活動に寄付しているという。

イギリスでは、独立系書店は常に地域社会にとって不可欠な存在であり、大規模なチェーン店では得難い特別な体験ができる場所として愛されてきた。しかし近年、大手通販サイトやパンデミックによる実店舗への影響により、大きな困難に直面することも少なくない。

The Open Bookの「本を愛し、独立系書店を奨励し、世界中から訪問者を本の町ウィグタウンに歓迎すること」という運営目的を持った活動は、ウィグタウンの地域経済を活性化させるための重要な軸の一つになっている。

地域の独立系書店を存続させ、繁栄させるために。ウィグタウンのユニークな取り組みは、今日も町の人々の笑顔と交流を生み出しているのだろう。

  Association Of Wigtown Booksellers

【参照サイト】The Open Book
【参照サイト】Airbnb The Open Book
【参照サイト】Live out your dream of owning a bookshop with a visit to this unique Airbnb
【参照サイト】I found the book lover’s dream holiday in Scotland
【参照サイト】World’s Only ‘Bookstore Airbnb’ Has 2-Year Wait List for Guests Wanting to Sell Used Books By Day
【関連記事】古本を買っても、著者に利益を還元できる。英国で本の再販を促す「Bookloop」
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Edited by Megumi

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