毎月数日間、生理を理由に学校を休まざるを得ない生徒たちがいる。例えば、ラテンアメリカでは、生理用品へのアクセス不足や経血漏れへの不安、社会的な偏見などを理由に、女子生徒の4人に1人が学校を定期的に欠席しているという(※1)。
はたから見れば、生理による欠席はたった数日間のものかもしれない。だが、実際には将来的な進学や就労の選択肢にも影響しかねない。そして、少しずつ格差が蓄積されていく。
こうした状況に対し、コロンビアのサステナブルブランドSomos Martinaが打ち出したのが、生理用品を「指定制服に組み込む」というプロジェクトである。
The Period Uniformと呼ばれるこの取り組みでは、学校が定める必須制服のリストに生理用の吸水ショーツを追加し、生徒たちに配布。あわせて、生理に関する教育リソースを提供している。「指定制服」という“生徒にとって当たり前の枠組み”のなかに生理用品を追加することで、その位置づけを「特別な支援物資」から「日常の一部」へと変えたのだ。
これまでの生理の貧困支援は、生理用品の単発的な配布や寄付に依存するケースもあり、サポートを継続する難しさが指摘されることもあった。一方、この取り組みでは既存の制服供給のシステムを活用しているため、学校側の追加負担を最小限に抑えながら生理用品へのアクセスを安定的に確保できるのが利点である。
プロジェクトで採用されているのは、洗って繰り返し使用できるオーガニックコットン製の吸水ショーツだ。指定制服に組み込むアイテムを選定するにあたり、ナプキンや月経カップなど、様々な生理用品が検討されたが、使いやすさや衛生面、長期的なコストや廃棄物削減など様々な観点から精査した結果、こちらが選ばれたという。WEBサイトには、吸水ショーツに最大12時間経血を吸収し、においを閉じ込める機能があること、この吸水ショーツを使うことで、4年間で最大576個のタンポン、または480枚の使い捨てナプキンの使用を防ぐことなどが記されている(※2)。
また、コロンビアでは、家庭内においても生理の話をするのはタブーだという風潮があるという。学校の制度を通して、公式的に「生理用品は欠かしてはならないものなのだ」と伝えることで、話すきっかけを生む狙いもあるようだ。
生理は、本来自然な身体のサイクルであるはず。しかし今、その現象は「学びたくても学べない」「働きたくても働けない」など、いつもとはかけ離れた「例外の期間」あるいはネガティブな意味での「特別なもの」となってしまっている。Somos Martinaの取り組みが、既存の仕組みを利用して、生理の課題を「身近なもの」へと位置づけなおしたように、私たちは、自分の手から離れてしまいつつあった生理ケアを「非日常」から「日常」へと取り戻す必要があるのではないだろうか。
※1 The Period Uniform
※2 Somos Martina
【参照サイト】The Period Uniform
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