完璧じゃないのが逆に良い?“欠陥品”のキャンディだけを詰めたバレンタインギフト

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私たちは大切な誰かへの贈り物を購入するときに、汚れや欠陥がない「完璧なもの」を選んで購入することがある。それは「相手に喜んでもらいたい」という気持ちの表れだ。ただ、ちょっとした欠陥がある商品も「魅力」や「個性」のある商品として購入すれば、もっと売れ残りや廃棄を防ぐことができるのではないか。完璧を求めすぎているこの時代に、ちょっとしたアイデアで廃棄からお菓子を救ったアメリカの事例を紹介する。

アメリカの会社であるSpangler(スパングラー)の商品「Sweethearts Candies」はハート型のカラフルなキャンディ(砂糖菓子)で、「Be Mine」、「Call Me」など愛を伝えるメッセージが印字されている。発売開始から120年以上経った今でも絶大な人気を誇るバレンタインギフトとして、アメリカでは定番のお菓子だ。それぞれのキャンディに印字されるメッセージは、時代の変化に応じて都度更新されており、それはこのキャンディーが長年人気である理由の一つだろう。

このお菓子を製造する過程でどうしても出てしまうのが文字のにじみやかすれ、印字位置のずれといった「ミスプリント品」だ。品質には問題がないものの、通常は販売できず廃棄されてしまう。そこで、このミスプリント品だけを詰めた限定商品が登場した。

「Sweethearts Situationships(スウィートハーツ・シチュエーションシップス)」と名付けられたこの商品は、印字の文字がクリアではないことを「自分たちの関係に名前を付けることが難しい“あいまいな関係”=シチュエーションシップ」に重ね、そんな相手に贈ることを提案している。他人との関係性が必ずしも定義できない多様な価値観が溢れる現代だからこそ生まれたアイデアだろう。この商品は、たびたび完売するほどの人気だという。

私たちは、完璧なものを求めるあまり、本来捨てなくてもいいものまで廃棄する「大量廃棄」のサイクルに加担していることがある。今年のバレンタインデーは、未来の環境をチョコっと良くすることを意識して贈りものを選んでみてはいかがだろうか。

【参照サイト】Sweethearts candies HP
【参照サイト】CBS NEWS 「Sweethearts updates Valentine’s conversation heart candy to reflect modern day “situationships”」
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Edited by Megumi

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