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【まとめ】#BlackLivesMatter 人種差別に立ち向かうアイデア5選

Black lives matter

人種差別とは?

人種差別について考えたことがあるだろうか?人種の違いを理由にされる、政治・経済・社会的差別のことをいう。その歴史は古いが、近年の典型的な人種差別の例としては、ナチスのユダヤ人迫害やアメリカ合衆国の黒人問題、南アフリカ共和国のアパルトヘイトなどがあげられる。

最近では、黒人コミュニティが存在する各国で「Black Lives Matter(ブラック・ライヴス・マター)=黒人の命は尊い」が叫ばれている。

Black Lives Matterとは?

Black Lives Matterは、2013年に黒人少年が白人警察官に殺されたことからSNSで広まっていた運動だ。最近では2020年5月、アメリカ・ミネソタ州のミネアポリスで、白人警察官がアフリカ系住民ジョージ・フロイドさんの首を膝で押さえつけ、死亡させてしまう事件が発生した。現場の様子を記録した約9分間の映像がインターネット上で拡散され、「#Blacklivesmatter」のハッシュタグとともに抗議活動がまたたくまに世界中で始まった。

IDEAS FOR GOODではこれまで、多様な角度から人種差別に立ち向かう世界中のアイデアを紹介してきた。今回は、その中から5つの事例をご紹介する。

多様性を視野にいれた商品

01.どんな肌色にも馴染むエシカルな日焼け止め

どんな肌色にも馴染むエシカルな日焼け止め。世界的テニスプレイヤーがプロデュース


化粧品は全体的にみると、多様性の視点が取り入れられたブランドはいまだに少ない。中でも白い跡が残りやすい日焼け止めは、肌の色の濃い人たちにとって長年の課題だった。また、肌に色が残らないだけでなく環境への負担も最小限でエシカルなもの、となると選択肢はほとんどない。

そんな中、米国の世界的テニスプレーヤーのビーナス・ウィリアムズ氏が、肌の色を問わず使えるエシカルな日焼け止め「EleVen」を2020年5月21日に発売した。この製品はヴィーガン(動物性成分不使用)であり、グルテンフリー(小麦成分不使用)。アルコールや、サンゴに影響を与える物質も使用していない。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:EleVen
02.どんな肌色にも合う固形ファンデーション

どんな肌色にも合う化粧品を。LUSHが開発する固形ファンデーション

コスメブランドLUSHが始めた新プロジェクト「Lush Labs」で生まれた、固形ファンデーション「スラップスティック」。スラップスティックは 保湿力に優れ、肌に美しい艶と輝きを与えるファンデーション。多様な人種・民族のルーツを持つLUSHスタッフの肌で実験を行い開発されたこのファンデーション。どんな肌タイプの人も自分に合う色を見つけられるよう、40色もの色味が展開されている。

日本では美白であることがもてはやされる傾向があるが、LUSHではその人自身の肌色を尊重し、誰もが自信を持って商品を選べるようになっている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:LUSH
03.英国テスコの3色展開の絆創膏

「肌色」は一色じゃない。英国スーパー大手のテスコ、絆創膏を3色展開へ


イギリスのテスコが、大手スーパーとして初めて3種類の肌色の絆創膏を発売した。これまでベージュのみを取り扱ってきたが、多様な肌の色に合わせるためにライト、ミディアム、ダークの3種類の取り扱いを開始した。

発売のきっかけとなったのは2019年4月に世界中で多くの人の共感を集めた米カリフォルニア在住の男性のツイートだ。男性が生まれてはじめて自分の肌の色に合った絆創膏を使った感動を伝えたところ、世界中から50万件を超えるいいねと10万件を超えるコメントが集まった。人々の多様性を反映した商品やサービスを展開していくことは、誰もが自分らしく生きられる社会を実現するために必要不可欠だ。

  • 国名:イギリス
  • 団体(企業)名:TESCO

誰もが平等に働くための就活サイト

04.マイノリティのための転職口コミサイト

その職場、本当にオープン?マイノリティのための転職口コミサイト「Dyversifi」

黒人系やその他の少数派(マイノリティ)の仕事探しを支援する転職口コミサービス「Dyversifi(ダイバーシファイ)」。サイトに登録すると、黒人やアジア人、ムスリム、女性、LGBTQの他、障がい者や退役軍人など、過小評価されやすいマイノリティの人たちの、実際の経験に基づいた率直な企業レビューが見られるようになる。

ユーザーは、人種や年齢、性別といった基本的な情報の入力の後、匿名のプロフィールを作成することで、似た人による企業口コミとマッチする仕組みだ。たとえば、「この職場は車椅子で働ける環境が整っているか」「沈みやすいメンタルを適切にケアしてくれるか」「自分と似たような属性を持つ人がリーダーシップを持つポジションにいるか」など、転職のときに気になる情報を簡単に見つけられるようになる。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Dyversifi

偏見と差別をなくすキャンペーン

05.異なる人種や国・宗教同士、多様な愛の形を紹介する動画

偏見と差別を無くす。力強く愛のあるキャンペーン「Love Has No Labels」


米国で、差別や偏見の撲滅を訴えた「Love Has No Labels」キャンペーンで公開された動画「Fans of Love」。Ad CouncilとR/GAが共同制作したこの動画は、北米で有名なキスカム文化を活用して制作された。キスカムとは、スポーツ大会の休憩中などに、カメラが無作為にカップルの観客二人を選出し、その二人にキスを促すという趣旨の余興である。しかし、その二人が常に恋人同士とは限らないため、ハグをするなど友好的なリアクションをして観客から喝采を浴びるというゲーム感覚の催し物だ。

「愛にレッテルはない」という力強いメッセージが込められた人々の映像には、たくさんの愛が収められている。そして、その愛は男女間だけではなく、友人・同性・障がい者同士、また異なる人種や国・宗教同士など、さまざまな愛の形を紹介してくれている。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Love Has No Labels

まとめ

いま、人種や性別などでカテゴライズするのではなく、個々人を“一人の人間”として尊重できる社会が求められている。これまで差別された経験がない人は差別をされる人たちの気持ちを想像するのは難しいかもしれない。しかし、みんなが「わからない」で終わらせてしまえば、この問題は解決しないままだ。まずは自分で学び、知識や興味を持とうとする姿勢が大切ではないだろうか。SNSでは、こんな言葉も広がっている。

I understand that I will never understand.However, I stand.
(私には理解できないとはわかっている。けれど、一緒に立ち上がる)

今回紹介したのは一部だが、商品開発や就職活動、キャンペーンなどで多様な視点を持って声を上げるアイデアが今後増えていくことが、人々に気づきを与えることにつながるのではないだろうか。

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