差別問題から日常生活のヒントまで。黒人系のための「エスニック・メディア」

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昨今のビジネスのキーワードと言える「ダイバーシティ&インクルージョン」。あなたも、世界の人種差別や、在日外国人の状況などについてのニュースを見る機会が増えているのではないか。

そのなかで、外国人や民族的マイノリティの人向けに発信されている情報は、どれだけあるだろうか。たとえば、地震、台風、断水、停電など生命や生活に大きな影響を与える出来事や、行政手続きに関する情報を、彼らは必要としている。

そういったニーズに応える、外国人や民族的マイノリティの人を主たる受け手とするメディアのことを、「エスニック・メディア」と呼ぶ。

2022年1月にアメリカで誕生した「Capital B」というオンラインメディアは、黒人系の人向けのエスニック・メディアだ。手頃な価格の住宅、給付金、選挙に関することなど、アメリカで暮らす黒人系の人が必要とする情報を発信し、あらゆる世代の黒人系アメリカ人に読まれるメディアになることを目指している。

アメリカでは、2020年に黒人のジョージ・フロイド氏が警官に暴行されて死亡し、人種差別への抗議活動が広がったこともあり、自らの組織体制や発信内容に社会の多様性を反映させようとするメディアが増えている。それらは大切な取り組みだが、Capital Bは「誰に向けて発信するか」を、より意識しているのが特徴だ。

Capital Bはニュース記事の発信以外に、黒人系の人をテーマにしたイベントを開催している。たとえば、Black Lives Matter運動の創始者の一人であるアリシア・ガルザ氏が、この運動の影響について良い点も悪い点も含めて語ったり、複数のゲストが黒人系の人の母子保健について語ったりしている。


広く世間の耳目を集めた出来事から、生活に根差した話題に至るまで、一歩踏み込んだ情報を届けようとする姿勢が垣間見える。

Capital Bは黒人系アメリカ人の声を反映したメディアをつくるため、お問い合わせページで、「あなたや、あなたの家族、コミュニティにとって重要なことを教えてほしい」と呼びかけている。メールもしくはお問い合わせフォームにて意見などを受け付けており、できる限り返信もするという。

外国人や民族的マイノリティのコミュニティでは、キーパーソンを通じて情報が広がるなど、情報の伝わり方に独自の特徴があることが知られている。オンラインのエスニック・メディアが、彼らの情報伝達にどのような影響を与えるのか注目したい。

【参照サイト】Capital B
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