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トゥルーフードとは・意味

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トゥルーフードとは?

トゥルーフードとは、遺伝子組み換え原料を使用していない食品のこと。2006年、国際環境保護団体グリーンピースより、総計約200万部以上の「トゥルーフードガイド」が日本を含む20か国以上の国々で発行され、この言葉が広く知られるようになった。

日本でも同年、グリーンピース・ジャパンにより「トゥルーフードガイド」が発行され、総計約10万部以上が無料配布された。(現在は配布を終了している。)これは、同団体が日本の大手食品会社約102社の販売する307の食品を、企業へのアンケートなどを通して独自に調査してその結果をまとめたものだ。日本の遺伝子組み換え食品表示法では表示対象となっていない、植物油やしょう油、添加物にいたるまでを調査対象とし、遺伝子組み換え作物由来の原料を一切使用していないものを「グリーン」、使用しているものを「レッド」に分けて調査結果を掲載した。

また、上記の「トゥルーフード・ガイド」の発表記者会見と同時に、遺伝子組み換え原料を使用していない食品メーカー2社(株式会社ブルボン、日清食品株式会社)に対して「トゥルーフード賞」が授与された。また、NON-GMO活動とGM食品を使わない消費材の開発が評価された「生活クラブ」には、「トゥルーフード特別賞」が授与された。

トゥルーフードの購入を促進したり、遺伝子組み換え食品を避けたりするための取り組みは欧米でも行われている。たとえば、米国のNPO団体であるCenter for Food Safety(CFS)は、消費者に遺伝子組み換え原料を用いた食品を避ける方法を指南する「True Food Shopper’s Guide」を発表している。

ここでは、遺伝子組み換え食品を避けるためには、食品ラベルをきちんと見ることやオーガニック食品を選択すること、遺伝子組み換えを行っている可能性が高い食品(とうもろこしや大豆、ビートシュガー、菜種油など)を避けることなどが有効だと記載されている。また、野菜果物、魚、肉、などの個別の食品カテゴリーごとにおいても遺伝子組み換えの可能性がある食品やブランドを列挙し、それぞれにおいて注意すべき点も記載されている。

遺伝子組み換え食品と表示義務の問題点

前述のような動きの背景には、遺伝子組み換え原料が地球環境や人間の健康に悪影響を与えることへの懸念がある。

まず、遺伝子組み換え(GM)とは、ある生物から取り出した遺伝子を他の生物に入れるなど、人為的に遺伝子を操作し、自然界には存在しなかった種を作り出すことを言う。そして、それにより生まれた新たな生物や植物は、遺伝子組み換え生物(GMO)と呼ばれる。

この遺伝子組み換え生物を作る理由は、たとえば、特定の害虫に強い性質や、除草剤の影響を受けにくい性質を持つ作物を作ることにある。これにより、安定的、効率的に大量の作物を栽培できるようになるが、一方で従来に比べて強力な除草剤や化学薬品を大量に使うこともできるようになるため、それによる環境汚染や生物多様性の破壊が懸念されている。また、その作物を口にした人間の健康への影響も懸念されているのだ。

2022年時点の日本の遺伝子組み換え食品表示法における遺伝子組み換え原料の表示義務は非常にゆるく、油や醤油には、遺伝子組み換え原料を使っていても、そのように表示する義務がなかったり、遺伝子組み換え原料の割合が5%以上でなければ表示をしなくてよい食品が存在したりする。こういった食品は、遺伝子組み換え原料の割合が5%未満であれば「遺伝子組み換えではありません」と表示することができるため、日本では消費者が表示を見ながら買い物をしても、遺伝子組み換え食品を避けることができないという問題がある。

これに対し、2023年4月1日から施行される新しい遺伝子組み換え表示制度では、遺伝子組み換え不使用表示(Non-GMO)が厳格化され、遺伝子組み換えの混入がない場合のみ、遺伝子組み換え不使用表示が認められることとなる。

まとめ

上記のように、遺伝子組み換え技術を用いた食品に関してはさまざまな問題が指摘されきた。

一方で、遺伝子組み換え原料が生み出されてきた背景には、時代と共に増加する食需要を安定的に満たすためという側面がある。遺伝子組み換えがされているのは、大豆、とうもろこし、てんさい(砂糖大根)など、いずれも大量に生産する必要がある作物がほとんどであり、それらが世界的に必要とされているのも事実だ。

また、市場に出回っている遺伝子組み換え原料は、たとえば日本であれば「食品衛生法」や「食品安全基本法」の基準を満たす、科学的な評価を行った結果問題のないもののみであるということも覚えておく必要があり、偏った情報のみを信じて遺伝子組み換え食品を一方的に批判するべきではない。

今後も、包括的な視点で自分たちが食べる食品の安全性や持続可能性について考えていきたい。

【参照サイト】TRUE FOOD SHOPPER’S GUIDE
【参照サイト】『トゥルーフード・ガイド』の配布10万部突破 –江崎グリコは、日本でも遺伝子組み換えゼロのお菓子を!
【参照サイト】ブルボンと日清食品に「トゥルーフード賞」カルビーと東洋水産に「トゥルーフードに変わりま賞」-遺伝子組み換え原料を使っていない・いるで、グリーンピースが食品会社を表彰
【参照サイト】知っていますか?遺伝子組換え表示制度

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