クルーズ旅行と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。海に浮かぶ豪華客船の中で、美味しい食事や音楽などを好きなだけ楽しみ、寄港地では異文化を体験する。そしてまた客船に乗って、次の目的地へ…… まるで夢のような、ラグジュアリーな旅行スタイル。そんな想像をめぐらせる人は多いだろう。
そんなクルーズ旅行のイメージはそのまま、環境にも優しいということで業界で注目を集めているのが、豪ペレグリン・アドベンチャー社だ。同社は最大50人程度の少人数グループを対象に、プレミアムな旅を提案するクルーズ専門の旅行会社である。
さまざまな事業に持続可能性を求める社会の声は、年々大きくなってきている。そこでペレグリン・アドベンチャー社が打ち出したのは、各寄港地における濃厚な文化体験と「エコで持続可能な」クルーズの旅だ。サステナブル・ツーリズムへの取り組みへの一環として、彼らは今年から使い捨てプラスチックの廃止を決めたのだ。乗客には、ストローやプラスチックカップ等の代わりに、繰り返し使える布のバックや水筒が配られることになる。
さらに、船内で提供される食事の90%に、寄港地で生産される作物を使用することも決定した。こうして乗客は、行く先々で本格的な地元の料理を楽しめるばかりか、訪れた先の小さなコミュニティの経済発展にも協力できる。
「私たちが先頭に立って、持続可能なクルーズ旅行のムーブメントを作っていきたいと思います。」そう語るのは、同社のブランド・セールスマネージャーであるフィリッポス・ベネトポウロス氏だ。もっとプライベートで、グリーンな旅を。これからは、旅行者にも、旅行者を迎え入れる現地の人たちにも、そして地球にもやさしいツアーが主流になってくるだろうと同氏は述べている。
ペレグリン・アドベンチャー社は2017年に誕生したばかりだが、初回のルートとなったクロアチア近郊クルーズでは、年間7回のツアーを通し、客船キャパシティの94%の乗船率を誇る人気ぶりを記録した。今年新たに追加されたアジアへの旅程を含めると、今やアジアとヨーロッパを巡る10種類のルートを揃え、年間40回のツアーを実施するほどに成長している。その間、たった1年だ。
今やインターネットや交通網、旅行者支援アプリやプラットフォームの発達などによって、世界中のあちこちに観光客があふれるようになった。世界中の多くの場所に手が届き、足を運べるようになった時代。これからは、旅も環境に優しいものを選ぼう。多くの可能性の中から「選べる」自由に恵まれた私たちだからこそ、その「選ぶ」責任は重いのかもしれない。
【参照サイト】Peregrine Adventures