ドリアンの生ゴミを充電器に活用。シドニー発、廃棄物削減のアイデア

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果物の王様と呼ばれるドリアン。皆さんは実際に食べたことがあるだろうか?

その特徴はなんと言っても「匂い」。強烈とも言える匂いを放つドリアンは、日本人からは敬遠されがちである。シンガポールなど特定の国では、周囲の人々への影響を考慮して、公共交通機関へのドリアンの持ち込みが法律で禁じられている。しかし、匂いにさえ慣れてしまえば、ドリアンの果実は濃厚でフルーティーなカスタードのような味わい。特に東南アジア諸国では、地元の高級果実として重宝されている。

シンガポールの公共交通機関で持ち込みが禁止されるドリアン Image via Shutterstock

果実を食したあとのドリアンの皮も、依然として匂いを放ち続ける。一度ゴミ箱に捨てると、ゴミ箱から匂いが取れないほどだ。皆が早急に排除しようとする、そうした「厄介な」生ゴミを有効利用できないかと考えたのが、オーストラリア・シドニー大学の研究チームだ。彼らは廃棄されるドリアンのゴミを持続的に供給できる資源として用い、スーパーキャパシタ(電気二重層を利用したエネルギー蓄積・供給のデバイス)に変換することに成功した。

エネルギー貯蔵器に変換する手順は次のようなものだ。まず、ドリアンを木から採取する。そして、ドリアンのゴミ(皮の部分)を熱湯のなかにいれ、のちにフリーズドライをしてエアロゲルへと変換する。これらはすべて非中毒性で安全な方法で行われている。フルーツから作られたエアロゲルはさらに電気に変換され、最終的にはスマートフォン・パソコン・タブレットなどのデバイスの充電に活用される。

Image via THE UNIVERSITY OF SYDNEY

エアロゲルが使われたスーパーキャパシタの最も有用なところは、従来の充電器よりも速いスピードでの充電を可能にする点である。スーパーキャパシタを用いると、ものの数分でスマートフォンの充電が可能になるという。これは、彼らが開発したドリアン由来のエアロゲルの表面に無数の穴が開いていることに起因している。

現在、多くの人にとっての生活必需品であるスマートフォン・パソコン・タブレット。それぞれのメーカーが充電持久力を伸ばすためにしのぎを削っているが、電気を供給するサイドの技術開発もますます進んでいるようだ。シドニー大学の研究員は、「地球温暖化に加担することのないサステナブルな材料でエネルギーを生み出し、貯蔵する方法に到達した」と自身の研究成果を評価している。

朝起きてスマートフォンの充電ジャックがきちんと挿さっていなかったことに気付き、予定と予定の合間にカフェでコンセントのあるカウンター席を探し、駅や飲食店でモバイルバッテリーのシェアリングシステムを利用する…… そんな私たちの生活シーンは、彼らのサステナブルな開発によって今後どのように変えられていくだろうか。

【参照サイト】World’s smelliest fruit could charge your mobile phone(THE UNIVERSITY OF SYDNEY)
【参照サイト】Aerogel from fruit biowaste produces ultracapacitors with high energy density and stability