夢と魔法の国、ディズニーランドで環境保全のための夢がまた一つ実現する。
米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、同社が所有する4つのテーマパークのうち、2つのテーマパークで使用する電力をまかなえる太陽光発電設備を導入すると発表した。
太陽光発電プロジェクトを行うOrigis Energy USA社と共同で、50万枚のパネルからなる太陽光発電施設の開発を数か月のうちに始める。50メガワットもの電力を供給する同施設の広さは270エーカー、なんと東京ドーム約23個分だ(※1)。
この取り組みにより、毎年5万7千トン以上の温室効果ガスを削減。これは毎年9300台分の乗用車から排出される温室効果ガスを削減するに等しいという。また、4つのディズニーパークの内の1つであるエプコット近くにすでに設置されている、ミッキーマウスの形をした5メガワットの太陽光パネルと合計すると、最大で、同社が必要な電力の25%をまかなうことができる。
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは2020年までに2012年比で温室効果ガスを半減す目標を掲げており、今回の太陽光発電の導入は目標達成に大きな貢献をすることになりそうだ。
注目すべき点は、その規模や発電量だけではない。同社のキャスト(スタッフの意。ディズニー特有の呼称)とディズニーの「動物・科学チーム」そして「環境と園芸チーム」が協力し、この太陽光発電設備を「花粉媒介者フレンドリー」にする方法を調査中。
つまり、自生の花々や植物を植えることによって、絶滅危惧種を含め、蝶や蜂、その他受粉に役立つ昆虫が生息しやすい環境をつくろうという取り組みをすすめているのである。この取り組みは蝶を含む10の絶滅危惧種の減少を食い止めることを目的とした、ディズニー保全基金の「絶滅危惧種の保全・回復」戦略にも沿ったものだという。
今回の取り組みは、気候変動対策と生物多様性保全の両方に貢献する「夢」をまた一つ実現することになりそうだ。
※1 東京ドームは約11.55エーカー
【参照サイト】Major New Solar Facility to Service Walt Disney World Resort, Powering Two Theme Parks