ニューヨークの街中に現れた休憩スポット。建築とアートで持続可能性を訴える

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現在、私たちの暮らす地球上には、約30兆トン以上にのぼる人工物が存在していると言われている。これは、地球表面の1平方メートルあたりに、50kg以上の何かしらの人工物があるという計算になる。

もしも、地球上から人類が姿を消したとしても、この30兆トンの人工物の多くが消えることなく化石となり地球上に残される。そして、それらはただ形を残すだけではなく、地球環境に大きな影響を与えるのだ。

そうしたなかで、さまざまな企業や団体が持続可能なものを作り出そうと動き始めている。ニューヨークのパーソンズ美術大学も、建築物やアート教育をとおして持続可能な環境と社会を促進している教育機関のひとつだ。

そこで学ぶ学生がユニークなものを創り出した。それが、ニューヨークという大都市の喧騒の中に突如現れた、休憩スポット。パーソンズ美術大学の建築、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、そして食品学科の学生によって発明された、地球にやさしく、持続可能な椅子に机、そして照明が使用されている。

ニューヨークにできた緑と憩いの場

多くのリサイクル品からできているこの休憩スペース。椅子やテーブルは、アカスギが使用されているので、腐りにくく長い時間使用できる。また、それらには、使われなくなった漁網が再利用されてかぶせられている。照明には、太陽光発電を使用しているため、日が落ちた後も、一切の電気を利用せずに明かりを灯す。

ニューヨークにできた緑と憩いの場

また、休憩スポットを囲むように置かれている植物の植木箱は、生物分解が可能なココナッツの繊維と黄麻の布地から作られている。これらの植物のおかげで、大都会の騒音が軽減される。さらには、大都会のど真ん中に少しながらも緑を生み出し、住み心地よい雰囲気も作り出している。

ニューヨークにできた緑と憩いの場

ニューヨークの休憩所をつくった学生

都会に暮らしていると、その忙しさから疲れを感じることもあるだろう。そんな時に一息つける休憩スポットは必要なもの。それが、単なる休憩スポットではなく、地球にやさしい、持続可能なものからできているなら、より心も体も休まるのではないだろうか。

新しいものを生み出すのに、何も新しいものを使う必要はない。人類はすでに多くを生み出してきた。そのなかから再利用していく技術もある。それを教育をとおして教えるパーソンズ美術大学。これからの彼らの持続可能な作品や発明に期待すると同時に、持続可能性を教える教育が増えていくことにも期待したい。

【参照サイト】PARSONS SCHOOL OF DESIGN PRESENTS STREET SEATS, A SUSTAINABLY DESIGNED POP-UP SEATING SPACE FOR NEW YORKERS TO SIT, SOCIALIZE, AND PEOPLE-WATCH
【参照サイト】Parsons School of Design unveils sustainable public seating in New York City
【参照サイト】PARSONS
【参照サイト】人類がこの世に生み出したモノの総量は「30兆トン」
(※画像提供:SCOTT GARGAN氏)

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