教育から生活まで包括的なサポートを。アメリカにあるホームレスの子どものための学校

Browse By

ホームレス家庭の子どもが学校に通うとき、どういった点でつまずきやすいだろうか。交通手段が無くて、通学するのが非常に困難かもしれない。学業面でかなり遅れをとっている可能性も高い。自分の身なりが清潔でないことに引け目を感じるかもしれないし、友人を招いて誕生日パーティーをする家が無ければ、周囲から取り残されたように感じるだろう。

アメリカのオクラホマ州で活動する非営利団体Positive Tomorrowsは、こうした子どもたちの困難を軽減するために、ホームレスの子どもに特化した小学校を運営している。同団体によれば、オクラホマ州だけでも43,643人ものホームレスの子どもがいるという。Positive Tomorrowsは、この中でも特に慢性的なホームレス状態にある子どもに焦点を当てて活動している。

Image via Positive Tomorrows

この小学校が提供するサービスは、学業面から生活面に至るまでとても包括的だ。各クラスの生徒数は最大でも16名と少人数なため、ひとりひとりへの対応が行き届き、その生徒が所属する学年のレベルにまで成績を引き上げるべく教育している。登校時はバスでの送迎もあり、無料の食事、服、靴の提供といった、子どもたちの基本的な生活を充足することにも努めている。授業料も無料というのだから驚きだ。

さらには子どもたちだけでなく、その家族に対するサポートも行う。まず子どもが安定した環境で学べるように、親の分までシェルターや食事、服を探すことを手伝う。その後に生活スキルを身につけるための教育や職探し支援なども行うという。学校でイベントがあるときには、家族が参加できるよう家族の送り迎えや食事、保育サービスも提供している。

同団体は2019年9月に、新たなキャンパスを開校する予定だ。このキャンパスには、ホームレスの子どもたちのニーズを満たすための創意工夫が随所に見られる。

Image via Positive Tomorrows

Image via Positive Tomorrows

普段台所に立つ機会が無い子どものために、親と共に料理を学べるキッチンスペースや、汚れた服を洗うための洗濯機と乾燥機の設置もある。夜十分な睡眠がとれなかった子どものための昼寝スペース、シャワー、読書スペース、友人を呼んで遊ぶための場所まで用意されるという。

新キャンパスは幼児から中学生まで、210名の子どもを収容することができる。オクラホマシティにいるホームレスの子どもをすべてをカバーする規模ではないが、現状の70名というキャパシティと比べたら大きな飛躍だ。

サポートを行き届かせるためには、生徒数を増やせば増やすほどいいというものでもない。「ホームレスの子」と一括りにせず、性格も事情も違うひとりひとりのことを親身に考えられる人が、その子のそばにいてくれることを願う。

【参照サイト】 Positive Tomorrows

FacebookTwitter