“ほんもの”と出会える場所。埼玉県越谷の「はかり屋」が追及するモダン×伝統なエシカルのあり方とは?

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埼玉県越谷市。江戸時代、日光街道と奥州街道の3番目の宿場町として栄えた越谷宿は、かつてモノとヒトが循環する賑やかな場所だった。明治38年より約120年間この街を見守り続けてきた旧大野邸が、越谷の歴史を物語る。

2018年4月、解体寸前だった日光街道の旧家の古民家は、食や癒し、インテリアなど、6つのこだわりのショップやレストランが楽しめる複合施設「はかり屋」へ生まれ変わった。

「この道は以前、ほとんど人通りがなかったんですよ。こうして若い人が集まるようになったのは、『はかり屋』ができてからなんです。」

旧日光街道ではかり屋が中心となって開催されたイベント「ひなマルシェ」に足を運び、立ち話をした来場者がそう話してくれた。

旧大野邸

旧大野邸 秤屋(はかりや)

はかり屋外観

はかり屋外観

2018年11月、「はかり屋」は越谷市内では2件目となる「登録有形文化財(建造物)」として文部科学省から認定された。同年にはこの新たなまちづくりのあり方が評価され、グッドデザイン賞も受賞している。

現在では、このはかり屋が中心となり定期的に四季折々のイベントが行われており、その度に多くの人が集まる。今回のマルシェの企画者のひとりであり、はかり屋に店舗を構える和のセレクトショップ「TSURUTO(つると)」のプロデューサーでもある大方さんにお話をお伺いした。

はかり屋には「本物」のヒト・モノ・コトが集まる

大人女性に向けたこのマルシェのキーワードは「レトロ&エシカル」。今回のマルシェで実施された具体的なエシカルアクションは「マイバック持参」と「チャリティ」の2つ。マイバックを持参することで商品購入の際にそれぞれの店舗ごとにちょっとしたお返しがあるというもの。チャリティというのは、マイバックを持参していない人に対してチャリティを呼びかけ、寄付を募るというものだ。

「ひなマルシェ」イベントの様子

はかり屋のコンセプトは「本物の場所で知り合える、本物の幸せ」。本物を追求した結果、自然とたどり着いたのが「エシカル」だった。

そしてこうしたエシカルなプロジェクトは、そもそも「つると」のプロジェクトだったという。つるとでは、エシカルがあたりまえになり、みんながハッピーになるライフスタイルを大切にしている。

Q. 大方さんがプロデュースされている和のセレクトショップ「つると」はどんな想いを持ってやられていますか

つるとでは、時を越えて価値を放つモノ・コトを通し、多くの方々に”感動”を届けていきたいという想いがあります。110年の時を越えても存在感を放つ、この”はかり屋”で和の美学をテーマに、私たちの暮らしを本質的に豊かにするモノを提案しています。“日本と世界を紡ぐ和のあたらしい姿”を創り、自由でクリエイティブな世界観を未来に受け継いでいきます。

つると

はかり屋の中に店を構える「つると」の店内

「つると」の店内にはエシカルな和の商品が並ぶ

Q. はかり屋で、どんな「本物」に出会って欲しいと思いますか。はかり屋で出会える「本物」とはなんですか

「本物」とは、想いや情熱、真剣さが込められた物語あるヒト・モノ・コトのことだと思っています。また時代を越えて通用するもので、人を感動させることのできるもの。はかり屋では、そのような本物を生み出す「ヒト」たちに出会って欲しいと思っています。

2019年4月1日で「はかり屋」は1周年を迎える

Q. 開催イベントやはかり屋がきっかけで越谷に若い世代が増えたという感覚はありますか

これまでの越谷宿は高齢化が進み、人通りが極めて少なかったんです。シャッターが下りたままの店舗がずらりと並んでいて、人が集まるようなエリアだと思われていませんでした。しかしこうしてイベントを開催するようになってからは、イベントやはかり屋を目指し、いらしていただく若いファミリー層やカップルも増え、確実に人の流れが変わってきているように感じています。

Q. はかり屋が1周年を迎える中で、これからの越谷をどう想い描いていますか

この1年の取り組みの中で、越谷で生まれてきた創造的で面白い物語があると思います。越ヶ谷宿、そしてはかり屋を起点に、才能豊かな若者が集まってきています。越谷で育まれた伝統と現代の感性が融合することで「人」×「場所」のクロスミックスが起こり、この地ならではの革新的なカルチャーがここから始まっていくと感じています。

はかり屋

編集後記

長年越谷のまちを見守ってきた古き良き旧家が生まれ変わって誕生したはかり屋。そんなはかり屋では、「本物」と出会える場所にしたいからこそ意図せずともたどり着いた「エシカル」と、現代の「モダン」な感性に出会うことができる。しかしその通りを歩いたときにどこか懐かしさを覚えるのは、昔からある「伝統」や「和の美学」などの現代に受け継がれるべき部分を残してるからではないだろうか。

最後に大方さんがお話の中で強調されていたのは、越谷では本物を創る「ヒト」と出会えるということ。筆者がはかり屋に訪れて感じたのも、それぞれのお店の人々が持つ商品への熱い情熱だった。これらの人々の想いが、「本物」を作り出すのだろう。あなたも、越谷で本物を創る人たちとの出会いを通して、本物の幸せな時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

【参照サイト】 はかり屋公式HP
【参照サイト】 つると公式HP
【参照サイト】 ひなマルシェ
画像提供:はかり屋