単一素材だからリサイクルも簡単。藻由来の布を使ったサステナブル布おむつ「Sumo」

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赤ちゃんがいる家庭において、欠かせないグッズのひとつ「紙おむつ」。EU圏で埋め立てられるごみのうち3番目に多いのは紙おむつのごみであり、その量はなんと1日で1700万枚にも上るという。紙おむつは肌に触れる表面材のほか、排泄物を吸収し漏らさないようにする吸水材や防水材など、複数の異なる素材を組み合わせて作られており、分解して分別を行うのが非常に難しい。よってそのまま埋め立て処理されることが多いのだが、紙おむつが微生物によって分解されるまでにはなんと最長500年もの歳月が必要なのだという。

紙おむつに代わり、繰り返し使用できる布おむつも登場してはいるものの、防水性を高めるため布にポリエステル等でコーティングが施されていたり、留め具に異素材が使われていたりとリサイクルに不向きであることが懸念されていた。

この深刻なおむつの廃棄問題を解決しようと立ち上がったのが、ベルリン在住のデザイナー、ルイーザ・カールフェルドである。彼女は、洗って繰り返し使用でき、不要になったら簡単にリサイクルできる布おむつ「Sumo」を開発した。

Sumo


Sumoは2019年9月、国際的なデザイン賞であるジェームズ・ダイソンアワードを受賞している。|Image via Luisa Kahlfeldt

Sumoの材料となったのは、海藻やユーカリの木の抽出物から作られた「シーセル」と呼ばれる素材だ。シーセルは吸水性、抗菌性に優れた繊維で、廃棄された場合でも生分解されるため環境を汚染することがない。また、濡れた状態でも乾いた状態でも一定のやわらかさが保たれており、赤ちゃんの肌にやさしいのもポイントである。

このシーセルを3層に織り、一番外側の層にEcoRepelという環境にやさしい生分解性のウォータープルーフ加工を施している。

Sumo

Image via Luisa Kahlfeldt

Sumoは、ホックなどの留め具を縫い付けるかわりに、本体部から伸びた紐を相撲のまわしのように腰元に巻き付けて固定する方式を採用。これにより、おむつ本体部分から固定パーツまで全てを1つの素材だけで作ることに成功した。このように単一の素材のみで構成された製品を「モノマテリアル」と呼ぶ。分解や分別の手間をなくし、最初からリサイクルがしやすいように設計するモノマテリアルの手法は、廃棄物問題が深刻化する今日注目が集まっているソリューションの一つだ。

脱プラスチックが叫ばれ、様々な企業がリサイクルという言葉を見つめなおしているこの時代。分別の必要ないモノマテリアルというキーワードは、これからのリサイクル社会における1つの価値基準になっていくだろう。

【参照サイト】Luisa Kahlfeldt
【参照サイト】Sumo-James Dyson Award