カニの殻を使って電力を供給。米大学が開発したナノ発電機

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私たち日本人にとって、おなじみのカニ。いま、そのカニの廃棄される部分である甲羅や殻を活用するアイデアが次々登場している。たとえば、カニの甲羅を使用した食品ラップ。石油を原料とするプラスチックを使わず、天然素材のみでつくられる柔軟でエコなラップだ。

そして今回、米パデュー大学研究チームが、新たにカニの殻をつかったナノ発電機(TENG)を開発した。ナノ発電機とは、ごく小さな物理現象からエネルギーを取り入れて発電する技術のことだ。

研究チームが注目したのは、通常はゴミとして捨てられるカニやエビの殻。これらに含まれるキトサン(海洋甲殻類の殻に含まれる天然バイオポリマー)を使用して、ナノ発電機を作り上げたのだ。キトサンベースのナノ発電機はエネルギー変換の効率が良く、生分解率を調整できることが特徴である。

パデュー大学の研究

(c) Purdue University

「この技術は近い将来、心臓や脳の働きを監視する医療センサーや、スマートフォンのタッチスクリーンに電力を供給できる可能性がある。また、身体の動きから機械エネルギーを電気エネルギーに変えられるため、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の電源として使うこともできるだろう。この開発は、生物医学や環境面での適用において、低コストで環境にやさしいナノ発電機の生産を促進する可能性を秘めている。」と、当研究を率いたパデュー大学のウェンズー・ウー准教授は語る。

当研究の一部は、アメリカ国立科学財団の支援を受けて行われ、すでに技術の特許を取得済みである。現在、商品化に向けてパートナーを探している段階だという。

ゴミとして廃棄されることの多いカニや他の海の生き物の殻を利用したナノ発電機の、今後が期待される。

【参照サイト】Device turns shells of sea creatures into power for medical, augmented reality, cellphone devices
(※画像:パデュー大学より引用)